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国際ジャーナリスト、高橋浩祐のオフィシャルブログ

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国内史上最悪の原発事故に見舞われている福島第一原子力発電所。
 
1号機から5号機までの原子炉は、アメリカのGE(ゼネラル・エレクトリック)がもともと設計したマークⅠ型の格納容器を使っている。上記のように、フラスコ型の格納容器となっている。
 
アメリカのテレビ局ABCは今月15日、GEの科学者ら3人が35年前にこのマークⅠ型の設計に欠陥があるとして、抗議目的で職を辞していた事実を放送した。
 
 
この記事の内容については、「大問題になりそうだ」と思い、翌16日に日経CNBC 東京マーケットウオッチ(14:05〜14:30)で話しました。
 
その時の僕のコメントを筆記している方がいて、ネットでも探すことができたので、ここに貼り付けます。

ここで、今後、日本やアメリカで少し、というかかなり、大問題になりそうなことを紹介したいと思います。

今回事故のあった福島原発の6つある原子炉のうち、5つはアメリカのGE(ゼネラル・エレクトリック社)が設計した原子炉です。沸水型の原子炉と言われて、『マークワン』(MarkⅠ)と言うんですね。

アメリカのテレビABC、昨日ですね、35年前に、当時の、この設計にかかわったGEの科学者ら3人がこの『マークワン』に対して、「安全性に問題がある」として、当時、会社を辞めたんですね。抗議して。今、その福島の原発が問題になっております。

今回の地震で、福島第1原発は緊急停止したんですけども、津波によって、非常用電源が作動しなかったために、原子炉では放熱が続いておりまして、水素爆発といった事態が招かれました。

それで、GEの当時の科学者、こうした電力の不足が、原子炉の冷却システムをダメにする危険性を、当時指摘しておりましてGEに忠告したというのです。

こうした電力不足による、冷却システムの停止は「ステーション・ブラックアウト」、日本語では「発電所内全交流電源喪失」と言いまして、今、ABC(テレビ)も含めて、ニューヨークタイムズもこの問題でGEをかなり批判して、調査報道を始めています。ですから、この問題かなり大きくなるはずです。

アメリカでも、今この『マークワン型』は16か所の23の原子炉で使われているというんでアメリカでもかなり問題になります。

さて、長くなりましたが、ここまでが前置きで、これからが僕の本当の言いたいこと。
この欠陥原子炉のGE製のマークⅠ型を使い続けた東京電力、そして、国の責任が厳しく問われなくてはいけない。
この欠陥問題について、アメリカの「デモクラシーナウ」という番組も原子力の専門家を招いて、問題点を指摘しています。
 
 
以下、僕が作った日本語訳と、英語の原文で。
 
(男性キャスターの質問) 
福島第一原発は、アメリカ国内の原発とどの程度、同じなのか?
 
(原子力専門家の答え)
アメリカの原子炉の23基とほぼ同一です。例えば、イリノイ州のクオード市とドレスデンの原発、ここバーモント州のバーモントヤンキー原発、ニュージャージー州のオイスタークリーク原発、マサチューセッツ州のピルグリム原発など。どれも福島原発とほぼ同一で、ほかにも何十とあります。
この原子炉の設計、格納容器の設計は1972年以来、問題となってきたものです。NRC(米原子力規制委員会)は1972年に「我々はこの格納容器の使用を決して許可すべきではなかった」と言明しました。そして、1985年には、NRCは「当委員会としては、およそ90%の確率でこの格納容器が駄目になるという深刻な事故が起きる、と想定している」と公表しました。つまり、私たちが今、福島原発で見ていることとは、弱い相関性があることを示しています。GE製のマークⅠ型が当の問題です。アメリカにある104の原子炉のうち、23が福島原発とほぼ同じですから、ほぼ4分の1となっています。
 
SHARIF ABDEL KOUDDOUS: How similar is the plant in Japan, the Fukushima Daiichi plant, to many of the nuclear power plants in this country? 

ARNIE GUNDERSEN: It’s almost identical to 23 of them. For instance, the Quad Cities and the Dresden plant in Illinois, the Vermont Yankee plant here in Vermont, Oyster Creek in New Jersey, Pilgrim in Massachusetts—it’s almost identical to those and more than a dozen others.
You know, this reactor design, this containment design, has been questioned since 1972. The NRC in 1972 said we never should have licensed this containment. And in 1985, the NRC said they thought it was about a 90 percent chance that in a severe accident this containment would fail. So, that we’re seeing it at Fukushima is an indication that this is a weak link. It’s this Mark I, General Electric Mark I, containment. And we have—essentially one-quarter of all of the nuclear reactors in the United States, 23 out of 104, are of this identical design.
 
上記部分の、以下に注目した。
 
の原子炉の設計、格納容器の設計は1972年以来、問題となってきたものです。NRC(米原子力規制委員会)は1972年に「我々はこの格納容器の使用を決して許可すべきではなかった」と言明しました。そして、1985年には、NRCは「当委員会としては、およそ90%の確率でこの格納容器が駄目になるという深刻な事故が起きる、と想定している」と公表しました。
 
この部分の事実は重い。つまり、アメリカのNRCは長年、マークⅠ型の欠陥問題を指摘し続けてきたわけです。東京電力はマークⅠ型の欠陥を見過ごし、使い続けてきたのではないか?そして、国・政府が使用を認め続けてきたのはなぜか?
 
東電は安全性より利益、そして、国は安全性より電力供給を優先したからではないか?
 
アメリカと違って、日本は地震大国。そして、海洋国であるため、今回のように、歴史的には常に津波被害を被ってきているのだ。 
 
かりにマークⅠ型の欠陥についてのNRCの見解を、東電や政府が把握していなかったとしたら、それはそれで大問題だ。
 
今はもちろん何より被災者の救助や支援、そして、福島原発のコントロールが最優先されなくてはいけない。
 
しかし、いずれ、上に掲げたような僕の質問は、ぜひ国会でも大いに議論してほしいものだ。
 
当時のエネルギー庁長官や原子力委員会の委員長も、必要あらば、国会に招致したり、証人喚問したりしてほしいもの。
 
すでに被曝者を出し、放射性物質の拡散で国民生活の安全を脅かしているのだから、責任は重大だ。

この記事に

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この問題について、朝日新聞が3月31日付の朝刊に記事を載せていました。

原発の全電源喪失、米は30年前に想定 安全規制に活用
2011年3月31日16時39分
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103300512.html

あきれるのが、当時の原子力安全委員長のコメント。
隕石の地球直撃までをも例にあげ、自己正当化した。

原子力安全研究協会の松浦祥次郎理事長(元原子力安全委員長)は「何もかもがダメになるといった状況は考えなくてもいいという暗黙の了解があった。隕石(いんせき)の直撃など、何でもかんでも対応できるかと言ったら、それは無理だ」と話す。

2011/4/10(日) 午後 6:32 Kosuke Takahashi 返信する

いやいや、米国とゼネラル社への責任追及はどうした。

2014/11/15(土) 午後 7:52 [ 無限 ] 返信する

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