日米安保条約は機能しているのか? 2
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1からの続き
しかし、武力によるイニシアティブは、まだまだ健在で、そのアジア外交上必要不可欠なのが、我が国に駐留する米軍と言う存在である。
しかし、米国は、仮想敵国としている、中国、北朝鮮、あるいはロシアと言った反米的な政権と、現実に全面戦争できるか?と言う疑問に我が国の為政者は、誰も答えていない。安保条約がある限り、必ず、万が一、中国が武力による我が国領土への攻撃をした場合、米軍がそれを追い払ってくれるはずだと主張しているが、中国との領土問題で現実に問題視されているのは、尖閣諸島であろう。しかし、この領土問題に対して、米国議会の国防委員会は、はっきりと「領土問題は当事国どうして話し合うべき者で、万が一、中国が暴走して尖閣諸島に武力侵攻した場合であっても米国政府は、武力による介入はしない」とはっきり言及しているのである。
つまり、沖縄本島や日本の本土に対して武力攻撃が為されない限り、米軍は、我が国を守らないとはっきり宣言しているのが事実である。
北方四島問題も、同様で、日露間に入って米国政府が仲介すると言う事も全くない。つまり米国は我が国の為に何をするのか具体的に示しておらず、この抽象的な安全保障条約をもって我が国の安全保障問題の基礎と考えるのは、聊か軽薄でしかない。
また中国も、共産主義国ながら、現実には自由資本を受け入れ、そして豊になっている、世界の工場として、輸出も堅調で、昨今減速気味とは言え、その成長速度は、先進諸国より以上の伸びを示している。更に元々13億人以上いる国民による一般消費も徐々に拡大されれば、世界の工場以上に、自国の国内消費による自然増で、GDPは伸びてゆくだろう。無論、紆余曲折はあるだろうが、少なくとも大きな政変が起こらない限り、まず、日本や米国と武力闘争に発展する紛争を仕掛ける可能性は皆無であると言える。何故なら、もし日米と事を構えれば、自国の経済は、一気に失速、破綻する可能性が高いからである。
もし、中国が米国相手に武力衝突を企図するなら、半世紀後以降になるだろう。しかし、その半世紀後に共産党一党支配が続いている可能性もまた、殆どあるまい。
北朝鮮は、全面戦争を引き起こす程の体力も覚悟もあるまい、何故ならば、仕掛ければ、恐らく半月ほどで、現政権は、崩壊して、味方と思っている、中国が、一気に南下して平壌を占領、傀儡政権を樹立して、中国の支配下に止めると思っている。
韓国や米国が出動する前に、中国軍が金王朝を崩壊させ人民解放軍を武装解除させるだろうと推測している。そうでないと、韓国と米国による傀儡政権かあるいは直接支配下に置く、併合が起こり、豆満江を挟んで、韓国という資本主義国と国境を直接接する事になるからだ。
つまり北朝鮮問題は、我が国や米国、あるいは韓国より以上に中国としては頭の痛い存在でしかない。つまり、北朝鮮は、どう足掻いても暴発できないと言うのが事実である。
米国が、喧伝する脅威と言うのは、必ず粉飾されており、その粉飾の裏に隠れた、米国の戦略とは、アジアへのインセンティブの確保に他ならないのである。
日米安保条約が我が国にとって有利に働いているとすれば、仮想敵国を米国としない事で米国軍に匹敵する軍事力を持たないで済むと言う一点だろう。
逆に言えば、中国や北朝鮮問題、ロシアなどが武力による侵攻をしないとすれば、わが国は、反米世界からの逆にテロのターゲットになり得ると言う危機が増幅されつつあると言うことだろう。
もし、アフガニスタンやあるいはイラクなどのテロ組織が、米国本土ではなく、東京など我が国の大都市部でテロ行為を仕掛けた場合、米国は同盟国として、それらの国への武力介入を正当化できる。我が国の法律により、我が国では、基本的人権は厳しく守られており、9.11以降の米国国内ほどの人権無視に近い、テロリスト狩りは我が国では出来ない。厳しい米国でテロが行えないとすれば、テロリストたちのターゲットが、我が国へシフトするのはさほど遠い未来ではあるまい。そうなると、テロの危機は、米軍が存在する事で増幅すると言う意味になる。
一種のブラックジョークになりかねないのが、現在の日米安保条約であろうと小生は考えている。
国別の平和条約や同盟関係は、あくまで価値観や利害の一致している次期に限られる事は世界の外交史を見れば明らかで、明治期に台頭するロシアの脅威に対して、欧州とアジアで挟み込んで成立した日英同盟も同様に価値観のズレや利害が敵対始めると自然に崩壊するのであって、国家と言うカテゴリーがある限り、未来永劫続くものではない。現在の日米同盟は、日本が米国の価値観や利害に付き合うことで成立していると言っても過言でない、徹底的な価値観のズレや、利害の対立が起これば、我が国が破産を覚悟しない限り米国に追従できない事は明白で、日米関係をただ闇雲に深化させると発言する為政者の軽薄さには、驚きを禁じえない。
わが国の様に地政学上超大国である、ロシア、中国、そして米国に挟まれた小国の場合、どちらかに偏った外交政策は、大変に危険で危うい、まず、全方位外交策を独自に作り上げ、米国との距離感をある程度とって、逆にロシアや中国との距離感をちょっと近めるくらいの覚悟は必要不可欠であると思っている。
北朝鮮の姿は、惨めで悲惨としか言いようがない、体制維持の為に、米国との緊張関係を作り上げて、やっと小さな核武装を演出している。米国を相手にする場合、小国は、核武装する以外に抑止を持たないからだ。もし、北朝鮮が通常兵器で米国と戦うとすれば、国防予算で国家は、破綻する。つまり不可能と言う事であるのだ。
我が国も同様で、米国と対峙せざるを得ないとすれば、国防費は、現在の5兆円規模から、30兆円規模にしなければなるまい。現実的に不可能だが、これは、相手が中国であってもロシアであっても同様で、だからこそ、どこか一カ国とでも全面戦争など行う事は出来ないのだある、出来もしない戦争に膨大な予算を付け、そして沖縄県民に負担を強いる現在の日米安保が我が国の安全保障上必要不可欠な存在とは到底思えない。
いきなり、その関係を切る必要は、ないが、徐々に、米国一辺倒の外交と安全保障から離れる政策を打ち出す必要性があると結論して終わりにする。
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