歩こう!仙台の遺跡

いつのまにか雨の季節です(2015年6月25日)

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【番外】東北大学所蔵の古墳石棺

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にぎやかな一番町商店街からほど近く、
東北大学片平キャンパスは市街地中心部にあるとは思えないほどの静けさと緑に包まれた場所です。

その中に1つの煉瓦造りの建物があります。

東北大学考古学陳列館は、1924年に赴任した喜田貞吉らによって行われた発掘調査をはじめ、学史的に貴重な資料を数多く収蔵しています(内部は一般公開されていません)。

建物自体も明治期に建てられたもので、戦災や震災を経験してきた仙台市内にあって、数少ない明治時代の煉瓦建築となっています。

この建物北側には、鉄柵で囲われた中に県内で発見された古墳時代の石棺が2基移築されています。
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こちらは宮城県南部の丸森町金山にある台町古墳群の石棺です。

台町古墳群は5世紀から7世紀に造られた大小170基以上の古墳から構成されています。

全長33メートルの前方後円墳(20号墳)が1基あり、明治36年(1903)に発掘調査された際に出土した2枚の銅鏡(六鈴鏡と内行花文鏡)などの遺物は、東京国立博物館に収蔵されています。

また、103号墳からは壺をささげる姿の女性の埴輪が出土しています。

この場所に移築されている石棺は、1号墳で発見されたもので、箱式石棺とよばれる形のものです。
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その隣にあるのは、仙台市の南隣り、名取市増田に所在した経の塚古墳の石棺です。

経の塚古墳は海岸からわずか2kmの場所に造られた、直径約25m・高さ約7mの円墳でした。

大正12年(1923)に行われた土取り工事の際に石棺が見つかり、調査が行われました。

調査では人骨2体・直刀(直弧文のある鹿角製刀装具を有する)などが発見されたほか、明治時代には家形埴輪や短甲形埴輪なども見つかっています。

埴輪については国の重要文化財に指定されています。
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この古墳の石棺は、粘板岩製の長持形石棺と呼ばれるものです。

出土品を含め大変貴重なもので、葬られていた人物は当時のヤマトの王権と深い関係を持っていたのではないかと考えられています。

古墳自体は残念ながら、戦後の土地改良工事で壊滅しています。


以上、2基の石棺とも現地から移築されてしまったものですが、宮城県地方の古墳時代を考えるにあたって非常に重要な資料を間近に観察することが出来るようになっています。
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◆アクセス
仙台駅西口バスプール11番乗り場から仙台市営バス「霊屋橋・動物公園経由緑ヶ丘三丁目行」または「霊屋橋・動物公園・日赤病院経由八木山南団地行」に乗車し、東北大正門前バス停下車、徒歩約5分。
or
9番乗り場から仙台市営バス「宮教大・青葉台行」または「青葉通経由動物公園循環」に乗車し、青葉通一番町バス停下車、徒歩約10分。


【参考文献】
工藤雅樹 1984 『日本の古代遺跡15宮城』 保育社
東北大学総合学術博物館・東北歴史博物館 2013 『考古学からの挑戦 -東北大学考古学研究の軌跡-』

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