|
7月9日(金)
昨日は、長野で講演があった。内外情勢調査会主催による地元有力者向けの講演だ。
演題は「激動する東アジア情勢と日朝関係のこれから」。当然、南北間の対立の原因となっている哨戒艦沈没事件について触れざるを得ない。13年前の北朝鮮の潜水艦浸透事件で生け捕りにされた唯一の生き証人との当時のインタビューを参考にこの事件を振り返った。
北朝鮮の犯行を確信する韓国と、潔白を主張する北朝鮮とのせめぎあいは、国連にその裁定を委ねる格好となっているが、どうやら米国、中国、ロシアなど主要常任理事国は韓国が求めていた制裁決議や非難決議でなく、拘束力のない議長声明にすることで合意したようだ。早ければ、議長声明は今日中にも発表される見通しのようだ。
やはり、予想されたように制裁や非難決議は無理だったようだ。まだ正式に採択されてないので、議長声明の詳細についての論評を控えるが、仮に哨戒艦が攻撃によって沈没したことが認められとしても、攻撃した国が北朝鮮と特定されなければ、非難のしようがないだけに告訴した韓国にとっては不満が残るだろう。それでも同意しなければならないのが、今の韓国の国力、外交力だ。
韓国の要求が額面どおり通らなかった最大の原因は、北朝鮮を弁護した中国の抵抗にあったことだが、その中国も、当初は哨戒艦の沈没を「事件」でなく「事故」と表記すること、「攻撃」とか「非難」という文言を使用しないよう主張していたが、これら表現の使用では米国に折れたようだ。もしかしたら米空母を動員した黄海での米韓合同軍事演習の脅しが効いたのかもしれない。中国としても、演習を思いとどまらせるため、あるいは規模を縮小させるため妥協したほうが得策と判断したのだろう。
で、訴えられた北朝鮮はどうするのだろうか?
今回の議長声明が先のG8の共同宣言を下敷きにしているならば、冤罪を主張する北朝鮮は当然反発するだろう。北朝鮮外務省はG8宣言を「間接的ながらも朝鮮に言いがかりをつけたのは、われわれに対する冒とく」だと非難していたからだ。
G8首脳声明は北朝鮮を名指しで非難してはいないものの文脈上、北朝鮮の攻撃であることを間接的に示唆していた。従って、同様の内容になっているならば、同様の反応を示すかもしれない。
しかし、どこの国が攻撃したのかわからない内容になっているならば、即応するのも変な話だ。
さて、最終的に議長声明がどのような内容になるのか、興味津々だ。
|