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イランの核開発についての世界の疑惑は、日々深まり、深刻度が増大しつつあることは間違いない。
一方では、イランのアフマディネジャド大統領および当局は、イランの核開発が着実に進展していることを累次宣明してはばからず、イラン国民もその進展に熱狂しているようである。
これに対し、米国及びEU諸国のイランに対する制裁措置も着実に強化され、イラン包囲網も形成されつつある。
日本も米国の強い働きかけによりイランからの石油輸入を大幅に減らさざるを得ない情勢だ。
イスラエルがイランの核施設を狙ったロケット攻撃を考慮中との情報がパレッタ米国務長官により明らかにし、米国はその性急な実行を抑えている模様である。
そのイスラエルのバラク副首相・国防相が、最近、地域情勢により大きな影響を受ける日本に対する根回しをも意図してか訪日した際、日本の対イラン制裁への協力を要請し、イスラエルとしてはイランの核開発阻止のためあらゆる措置を排除しないと強調したという。これに対し、日本側がイランに対する軍事的対抗は避けるべきであると指摘したことは適切であった。
イランは、制裁措置に対しては、ホルムズ湾の封鎖をもって対抗する旨明らかにしており、日本政府も状況によっては自衛艦の同地域への派遣の可能性をも検討中といわれる。石油価格も次第に高騰してきた。
以上のような情報だけからは、情勢は日々緊迫し、まるで何らかの事件が発生すれば一触即発で中東地域が大混乱に陥りかねない情勢に近づいている観にもみえる。
しかし、他方では、IAEAは、イランは核施設の査察に十分な協力をしていないとの批判を繰り返しながら、イランへの専門家チームの派遣を続けたり、米国報道官がイラン当局による最近の核開発の急速な進展の発表は国内向けに実際よりかなり誇張されている旨指摘したりしている。
さらに、2月15日イランが去年1月から暗礁に乗り上げている、欧米など関係6か国との核開発問題を巡る協議を再開する用意があるとした書簡を、EUのアシュトン上級代表に送ったことに対し、クリントン米国務長官は同17日、ワシントンでアシュトン上級代表との会談後の記者会見で、「重要な一歩だ」と述べ、「待ち望んだ反応」であるとしてこれを歓迎する姿勢を示したという。その際、同長官は、「協議を再開するなら、イランはみずからの核開発計画を明らかにする姿勢を見せ、ウラン濃縮を巡る情報を提供するとともに、濃縮活動の即時停止を盛り込んだ国連の決議を守るべきである」としたというが、まだイランとの交渉にもかなりの期待を抱いているかのごとき、多少悠長な反応であり、イランをめぐる情勢の緊迫度、深刻度に疑問を抱かせるものといえよう。
(Y. I. )
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推薦図書・資料
1.国際情報センター所長の茂田 宏氏監訳による【インテリジェンス―機密から政策へ】
マーク・M・ローエンタール 著
(慶應義塾大学出版会 http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766418262/)
2.「ペンタゴン報告書:中華人民共和国の軍事力―2009年版」(全和訳完全版)
( http://www.amazon.co.jp/ペンタゴン報告書-中華人民共和国の軍事力-米国防総省/dp/4990474104)
8月24日米議会に提出された最新版(2011年版)は、国防省HP(http://www.defense.gov/pubs/pdfs/2011_CMPR_Final.pdf)で御覧になれます。
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