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旅行のパンフレットでよく見る、朱色の九層楼が目の前に聳え立っている。
これを眺めているだけで1日過ごせる…と呆然と立ち尽くしていた。
ここ数年、こんなに感動したことはない。
雄叫びをあげたいぐらい嬉しいのに、心はどんどん穏やかになっていくのだ。
ようやく到着した日本人のツアー客と一緒に、莫高窟研究員の案内についていく。
流暢な日本語で丁寧に解説していただき、質問にもきちんと答えてくださった。
400を超える石窟は耳窟と言われる小さな空間もあれば体育館のように広く冷え冷えとした所もある。
見上げていると首が痛くなるような巨大な弥勒仏や涅槃像も素晴らしかったけれど
私が見たかったのは、至る所に使われている美しい青色だ。
国外から持ち込んだというラピスラズリ。仏像や壁画の飛天に命を吹き込み続けているような青。
孔雀石の緑とともに、窟内を鮮やかな別世界に変えている。
千年もの間、この場所でどれだけの画工、どれだけの僧侶の人生が捧げられてきたのだろうか…。
研究員の解説は10窟ほどで終わり、後は扉の開いている窟を自由に見てもいいというので
他の見学客に紛れていくつかの窟に入ってみた。
以前に訪れたという知人からは「1日で充分」と言われていたけれど、やっぱり私にはそれじゃ物足りない。
明日は朝から晩まで莫高窟で過ごそう!と決めて、最終バスで街まで引き返した。
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