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事件から数年経って。
僕はすっかり擦れた「捻くれサラリーマン」になっていました。笑
この頃が、営業としては最高額をキープしていた頃だったかと思います。
一年を通して忙しい日々が続き、若さと勢いと、ほんの少しついた知恵とで、毎日を乗り切っておりました。
そんなある日、久しぶりの海外出張が舞い込んで来ました。
あの当時の先輩社員たちは居ませんでしたし、あの一件もすっかり忘れていましたから、大した抵抗もなく準備に掛かりました。
アジア一の大国へ、という事と、「年々飛躍的に近代化している国際情勢(そんな大層なものじゃなかったけど)を肌で感じて来い」とかいう社命もあり、少しプレッシャーはかかっておりましたが。
出発の一週間前になって、クライアントから日程変更の依頼がありました。
日数は変えないで、二国への出張を一回でこなしたい、というものでした。
結局強行スケジュールで、出国⇒A国⇒B国⇒帰国に。
こんなんで仕事になるんかい?と疑問は持ちましたが、元々海外が苦手な僕としてはありがたかったりもしました。
順調にスケジュールをこなし、あっという間に最終日に。
泊まったホテルは、数年前のあのホテルでした。
「そういえばそんな事もあったなあ」
翌日の早朝出発に備えて荷造りをしながら、僕は彼女の事を思い出しました。
夕食の集合時間になり、一行は焼肉屋へ。
観光客向けの店と違って、建物も家具も古めかしい店でしたが、肉の美味さと値段の安さには驚かされました。
食事も済み、もう少し飲みたいという事に(この時のバイヤーはメチャメチャの呑んべでした)。
現地メーカーの社長が連れて行ってくれたのは、日本人客向けのクラブでした。
クライアントは上機嫌。
綺麗なお酒でしたので、僕も少し警戒心を緩めて、場を楽しみました。
日本人をターゲットにしているだけあってホステスさんも日本語が上手。
会話になれば左程の苦痛は無いものです。
一時間ほどして、僕はトイレに立ちました。
ハンカチを畳みながらドアを開けると、そこに女性が立っていました。
「ホステスさんの一人かな?」
狭い通路で女性の横を通り抜けようと、身体を斜めにしたその時、少し片言の日本語で話し掛けられました。
「わたしのことおぼえてる?笑」
「?」
「わたしのことわるれてる?笑」
「・・?・・!?・・あっ!」
「ひさしぶりねえ。笑」
彼女でした。
メイクも服装も髪型も違っていましたが、よく見るとあの夜の彼女に間違いありません。
「ど、どうしたの?ってゆうか、よくおぼえてたね!?」
「わたしあなたのことよくおぼえてたよ。笑」
「いやあ・・しかし・・びっくりだよ。日本語上手だなあ。笑」
「べんきょうしましたよ。笑 あなたは○○語べんきょうしましたか?笑」
「あ、俺?ゴメン、全然駄目だよ。笑 いやあ、しかしビックリしたよ。声掛けてくれなかったら絶対わからなかったよ。雰囲気が全然違うんだもの。」
素直な感想でした。
見た目の問題だけでなく、ムードがまったく違うのですから。
もともと美人だったんだなと、その時あらためて思いました。
「わたしはちがうせきでしごとです。あなたにほんにいつかえるの?」
「明日の朝早くだよ。いやしかし見違えちゃったよ。随分頑張ってんだな。偉い!笑」
その後少し立ち話をし、それぞれ接客に戻りました。
彼女の視線に気付いていましたし、僕も彼女を時々目で追っていました。
けれどもう会話のチャンスは訪れませんでした。
僕は不思議な感覚でした。
何年も会っていなかった古い友人にバッタリ会ったような気持ち。
懐かしいような嬉しいような、もっと時間をとって話したいような気持ち。
店を出る時、用事があるような素振りで、彼女が席を立ち、店の外に出て来ました。
人目を避けながら、さっと渡された名刺の裏に、携帯電話のナンバーが書いてありました。
「またあえる?」
「今度来た時は一人で飲みに来るよ。」
タクシーの中での連れとの会話は、まったく頭に入ってきませんでした。
ホテルに帰り、名刺と睨めっこをしながら、僕は電話の前でミネラルウォーターを飲んでいました。
しかし結局、僕は受話器を取りませんでした。
帰国し、いつもの日常に戻り、日に日に彼女を思い出す事は無くなっていきました。
その後も何度か出張には行きましたが、彼女と会う事はありませんでした。
今頃はどうしているのでしょうか。
彼女が自身にとって、最高の日々を送っている事を祈る次第です。
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異国での再会ってロマンチックですね(^o^)そのあと、何もないなんて・・・う〜ん、残念!ちょっと期待してたんだけどなぁ〜(^^ゞ
2006/12/21(木) 午後 1:57
その彼女にとっては、今まで如水さんの様な人は今までにいなかったんでしょうね!でも、何事もなくすごした如水さん、素敵だと思いますよ♪
2006/12/21(木) 午後 4:05
えっっっ!!!すごぉ〜い!!!数年経ってバッタリだなんて。。。ドラマのようですね。
2006/12/21(木) 午後 4:08
凄いねぇ。。こういうドラマチックな事ってあるんだね。きっと、その人も如水さんのコト 思い出すことあるかもよ。
2006/12/21(木) 午後 5:25 [ tr20030923 ]
すご〜!如水さんが素敵な男性だから、きっと覚えていたんじゃないですか??
2006/12/21(木) 午後 11:57 [ あくあ ]
さくらさん>再会って、それだけでも盛り上がるじゃないですか?日常から離れた外国での再会は、確かに雰囲気ありました。笑
2006/12/22(金) 午後 3:29
torakoさん>世間一般的には「意気地なし」と言うらしいです。苦笑 でも後味の悪い感じはなかったので、これでいいんだあ!笑
2006/12/22(金) 午後 3:37
keiさん>「事実は小説よりも奇なり」でしょうか?笑 ドラマのような体験をすると、現実と空想の境目が無くなってきて困ります。苦笑
2006/12/22(金) 午後 3:45
rinaさん>記憶の中ではあの日のまま。年も取らず、いいイメージだけで留めておけるのはいいですが、少し寂しい気もします。もう決して会う事のない人。月並みですが、「甘酸っぱい思い出」ですね。
2006/12/22(金) 午後 3:48
あくあさん>残念ながら素敵ぢゃないんですけど、顔が面白いから印象に残ってたんですかね?苦笑 アメリカ行ったら「スパニッシュ?」とか聞かれちゃうし・・・苦笑
2006/12/22(金) 午後 3:59
「意気地なし」なんてことはないですよ! 私は本当に、如水さんて素敵!って思ってますよ♪ やっぱり気持ちがないとできないでしょ?
2006/12/22(金) 午後 4:51
torakoさん>ありがとうございます〜涙 おっしゃるとおり、気持ちが入っていなければ出来ない・・・というか、する気になれません。よく男性は気持ちが無くても出来ると言われますが、「出来る」のと「したい」のは違いますからね。笑
2006/12/23(土) 午前 9:35