始プルサーマル:伊方原発・残る課題/上 耐震審査
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◇ 論議呼ぶ揺れの想定 北側海域、M8以上の可能性 伊方町の四国電力伊方原発3号機(出力89万kW)の原子炉が 1日、起動され、実質的な 第一歩を踏み出した 国内2例目となるプルサーマル計画。 計画の是非や耐震審査を巡って、 なお評価が分かれる中、4日の送電開始に向けて動き出した。 開始目前となった今も残された課題を探る。 ◇ ◇ 先月27日に南米・チリで起きたマグニチュード8.8の地震による津波が、地球の裏側に まで押し寄せた。県内でも 28日夕ごろから、県南部から松山市にかけて 数十センチの津波 を観測するなど 改めて大地震のエネルギーの大きさや脅威を感じさせるものだった。 伊方原発では、プルサーマル計画の運転に伴う安全性よりも、原発自体の耐震安全性に焦点 が当てられてきた。 県は 06年、四国電力に対して MOX燃料(ウラン・プルトニウムの 混合酸化物)の取り付けまでに、耐震性の確認を受けることを求めた。 プルサーマルをするとしても 原発の耐震基準は 従来と変わらないが、山口道夫・県原子力 安全対策推進監は「 耐震性に対する県民の関心が高く、プルサーマル開始を前に安心感を 持ってもらうためだった 」と説明する。 伊方原発の北側約8キロの海域には、和歌山県から大分県沖にまで約360キロにわたって 延びる日本最大の活断層中央構造線断層帯がある。 03年に 政府の地震調査委員会は、 そのうち 石鎚山脈北縁西部から伊予灘までの断層で、マグニチュード8程度か それ以上の地震が起こる可能性を示唆している。 「 これまで最新の地震計で マグニチュード8規模の地震を記録したことがなく、伊方原発で どのくらいの揺れになるのか分からない 」と高知大理学部の岡村眞教授(地震地質学)は 指摘する。 基準地震動(想定される最大の揺れ)は、活断層や地盤の特性などから計算される が、07年に発生した新潟県中越沖地震では、東京電力柏崎刈羽原発の7基すべてで 建設時 の揺れの想定を超え、火災などが発生した。 06年 国は 耐震設計審査指針を改定し、既存の原発でも 耐震安全性の再評価を求めた。 四電は 原発の前面海域の断層などについて、断層の長さや地表に対する角度を変化させながら不確かさを考慮して計算するなどし、基準地震動を 従来の473ガルから570ガルに引き 上げ、08年に国に報告した。 市民団体「伊方等の原発の危険に反対する愛媛県民連絡会議」 の和田宰代表幹事は「 過小評価しているのではないか 」と憤る。 地震の専門家らで構成される県の伊方原発環境安全管理委員会は 1月29日、四電の 評価結果を認めた。委員の一人で愛媛大学大学院理工学研究科の森伸一郎准教授 (地震工学)は「 考えられる重要な想定は すべてやっていると思われる 」と評価した。 だが、地震のメカニズムの研究は 日夜進み、新しい知見が出される。岡村教授は 「 570ガルの想定は あまりにも小さいのでは 」と指摘している。【柳楽未来】 ◇伊方原発3号機の耐震安全性を巡る最近の経緯 06年9月 原子力安全委員会が「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」を改訂、 それに伴い原子力安全・保安院が伊方原発の耐震安全性の再評価を四国電力に指示 10月 県が四電に対し、MOX燃料取り付けまでに 県と国から3号機の耐震安全性の 確認を受けることを要請 08年3月 四電が、想定される地震による最大の揺れの強さを それまでの473ガルから 570ガルに見直した中間報告を提出 09年8月 原子力安全・保安院が 四電に対し、伊方原発の前面海域にある活断層の長さを 42キロから54キロに延長した場合の検討を要請 10年1月 7日 原子力安全・保安院が四電の評価結果を妥当と判断 1月25日 原子力安全委員会が四電の評価結果を妥当と判断 1月29日 県の伊方原発環境安全管理委員会が四電の評価結果を妥当と判断 ■ 伊方発電所の耐震設計について 2007年11月 四国電力株式会社 ○ 伊方発電所の耐震設計にあたっては、およそ現実的でないと考えられる限界的な 地震(設計用限界地震)による基準地震動(S2=473gal)を想定。 ( 今後、今回の中越沖地震の知見を踏まえた基準地震動の検討を行う。 ) ・・・・・ ・・・・ (つづく)
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