小学4年の二男が所属する少年野球チーム、Jズ。
昨日、市の春季大会二戦に臨んだ。先発メンバーは全員6年生で固めた。それでもまだベンチに
六年生が二人残っているので、4年生に出る幕はなし(このチームに5年生はいない)。
4年生に出る幕はなくていい、ない方がいい。
ベンチから公式戦を間近に見て、雰囲気に慣れるだけで充分だ。
今年で少年野球を終える6年生をどんどん公式戦に出して、いい思いも失敗の苦い経験も
たくさんさせてあげた方がいい。ちょっと力があるからといって、学年が二つも下の4年生に
頼るなんてことはしなくていいのだ。六年生だけで大丈夫。
野球を始めてまだ1年前後の、まだまだ伸びしろが大きい子が多いのだ。
ベンチ裏の応援父兄に混じってそんなことを考えながら戦況を見つめた。
相手は、恵まれた体格から伸びのある速球を投げ込む左腕エースを擁する“Rズ”。
今の6年生が低学年チームのころから勝ったことがなく、つい一月前の練習試合でも完敗している
チームだ。しかし一月もあれば子どもも変わるし、当然チームも変わる。
そして野球はやってみなければ分からない、紛れの多いスポーツ。だから面白い。
先週の二年ぶりの公式戦勝利で自信の芽が膨らみ始めたJズ。
先に点を取れれば面白いと思っていたら、三回の裏、に本当にJズが先制した。
四球に足を絡め、幸運な当たりに相手のエラーも重なり先取点をゲット。
監督が仕事で不在のため、代理監督を務めているチームの重鎮のSさん60歳超が、
どさくさ紛れにスコアラーのお母さんに抱きついていたのを私は見逃さなかった。
“このスケベジジイ!”心の中で毒づきつつも頬が緩む。
試合開始直後はまだ頼りなさげな表情だった子どもたちの目つきも明らかに変わり、
打席での気迫も違ってきた。自信を持ってスイングすればポップフライも何故かいいところに落ちる。
Jズの攻撃の勢いが増し、相手投手の制球は乱れる。相手の守備陣も集中力がなくなる。
結局この回、5得点のビッグ・イニング。
しかしまだ試合は前半、これまでのJズならまだ安心出来ない。だがこの日のJズは違った。
凡ミスも中途半端な悪送球もほとんど無く、立ち上がりが不安だったエースのM君も
徐々に調子を持ち直し相手の攻撃を0点に抑えた。結局6対0の完勝。
長い冬を耐えながら弱気の子供たちを支えてきたお母さん方は大興奮、嬌声が上がる。
久しぶりにJズの試合を見たという、OBの子のお父さんがしみじみと言った。
「このチーム、全然弱くないじゃないですか。今まで勝てなかった方が不思議。
自信さえ持てば結構イケますよ」 私は黙ってうなずいた。
そう、この6年生たちに足りなかったのは自信と経験。
苦い経験ではなく美味しい経験が絶対的に不足していたのだ。
これで練習試合も含めて対外試合は3連勝。負けグセもきっと解消しただろう。
何より「勝つって気持ちいい、楽しい」と気付いてくれればシメたもの。
楽しければ頑張れる。キツいことも耐えられる。地味なことも続けられるようになる(たぶん)。
来週は準決勝、勝てば続けて決勝戦だ。
この試合も結局ベンチに残っていた6年生二人は試合に出られず、4年生が守備固めと代走で
二人出場した。そこだけは???だ。
4年生より6年生を出しあげてくれよ。大勢に影響はないしご両親も来てる。
この6年生たちに経験を積ませて、しっかり育てていけばきっと強いチームになるよ・・・。
新参者らしくない不遜な意見と知りつつも、昨年来から高学年チームのコーチに直言してきた。
Jズにとっては新参ではあるが、私にもかれこれ八年近く少年野球を見てきた自負もある。
子どもを客観的に見る目にも多少の自信はあるつもりだ。
6年生に残されたあと四つの大会、うまくいけば一つくらい優勝したって不思議じゃない。
きっと子供たちは見えない翼を持っている。
その翼に気付いて、開かせ、羽ばたき方を教えたりヒントを与えてやるのが大人の役割。
飛び方さえ身体で覚えたら、どれくらい飛べるようになるかはその子の努力次第。
そしてどこに飛んで行くのかはその子の意思次第。
さあ、次の日曜はいよいよ準決勝、勝てば同日に決勝戦だ。
果たして私の予想を上回るペースの飛翔を見せるのか?
う〜ん、今の勢いだと侮れない。
いずれにしても楽しみではあるが、早く4年生以下の子たちに思い切り練習をさせてあげたいと
いうのも本音だ。試合を見るのも練習のうちとは重々承知はしているが、
「百見は一行に如かず」とも言うからなあ。
少しでもボールに触れさせてあげたい。