河信基の深読み

タブーを排し、批判精神を高めましょう(商用無断転載厳禁)

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 ヌーロンド米国務省報道官が19日(現地時間)の定例ブリーフィングで、「昨日、北朝鮮と食糧支援問題に関連する実務レベル(technical - level)の議論をニューヨークチャンネルを通じて行った」と明らかにしたが、金正日委員長逝去後に行われた朝米政府間公式接触であるだけに注目される。
 金正恩新体制は金委員長の生前の方針通りに対米交渉を早期に進めていくと読める。
 並行して、対中関係でも大胆な行動を起こすと見られる。

 ヌーロンド報道官は「北朝鮮が喪の期間にあるため、年内に対北栄養サポートの問題が決定されることは難しい。まだ解決しなければならない多くの問題があり、引き続き議論すべきだ」と述べ、北朝鮮次第との立場を示した。
 クリントン国務長官は金委員長逝去に弔意を表明した。夫のクリントン大統領が金日成逝去に「哀悼」の意を表明したことに比べると控え目だが、「朝鮮半島の平和と安定維持が重要」と強調し、中国と歩調を合わせる姿勢を明らかにしている。

 存在感を高めている中国は胡錦涛国家主席が習近平副主席と共に北京の北朝鮮大使館を丁重に弔問し、金正恩新体制を支えていく意思を内外に明確にした。
 韓国政府も南北関係の安定維持を重視している。

 その意味では北朝鮮新体制を取り巻く国際情勢はソ連崩壊後の混乱最中であった1994年の金正日体制発足時よりも有利な条件にある。
 問題は当時に比べて低下した国力の回復、食糧問題をはじめとする経済再建であるが、実はそれほど難しいことではない。中国式の改革開放政策を採用すれば済むことである。

 昨年5月から4度も訪中しながら最後まで躊躇っていた父親に代わり、金正恩が張成沢国防副委員長らの助言を得ながらゴーサインを出せるか、いきなりリーダーシップが問われる。
 金正恩の資質は今後具体的に問われるが、『金正恩氏デビューで北朝鮮の改革開放が始まった』(エコノミスト11・9)で指摘したように、スイスで合理主義的な教育を受けた開明的で改革志向の人物であることは間違いない。
 例の料理人も「正恩氏が17歳の頃、地方からピョンヤンに向かう列車の中で5,6時間二人だけで話した。『何で我が国の食料品店には品物がないのか。中国のような政策をとらないとダメだ』と嘆いていた」と回顧している。
 重石がとれて資質を全開できるか、いよいよ真価発揮の時である。
 
 偉大すぎる父親の影を引きずりながら孤軍奮闘し、倒れた金委員長の逝去は残念なことである。
 だが、新指導者が危機をチャンスに変え、旧時代に捕らわれない新思考の内外政策を展開することを期待したい。 

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