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愛媛白バイ事件 国賠控訴審判決文(全文)
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2012年 5月10日
愛媛白バイ事件の判決が出ました。
敗訴です。 78万円を愛媛県警らに支払えという内容です。
過失割合は9:1 しかし 金馬裁判長は判決の中で、10:0が相応とも言っている。
少年審判では処分なし、つまり、過失なしが、国賠では過失100%になったという判決です
山本さん達は上告をする方向で検討するようです
判決文は全文13Pです。そのうち 控訴関係者を記載した1Pは省略しています
原審がわからないと、控訴審判決もわかりつらいと思います。おいおい補足説明をつけていく予定ですが、今回はとりあえず全文を掲載しました。
ご質問。ご感想。ご意見などありましたら コメント欄(承認制)でよろしくお願いします。Twitterでも受け付けています → @lm767
リンク先
山本さんのブログ → 愛媛の白バイ事故・・母です
@tetsumahさんのTwitterまとめ → http://togetter.com/li/301517
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愛媛白バイ事件 国賠控訴審 判決文 その4
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P10 途中より
本件市道の指定最高速度が30キロメートル毎時である以上、緊急自動車である被控訴人H運転車両の本件市道における最高速度は、道路交通法22条、同施行令12条3項によって法定最高速度である80キロメートル毎時となるから、
被控訴人Hが時速約50キロメートルないし60キロメートルで走行していたとしても速度規制違反とはならず
(なお、道路交通法41条2項は、速度違反の車両等を取り締まる場合の緊急自動車については、 さらに上記の法定最高速度80キロメートル毎時の規制もない旨規定している。)、
本件事故に関する被控訴人Hの過失を基礎づける事情にはならない。また、緊急自動車は、やむを得ない事由があるときは、道路の右側部分にはみ出して通行することができる(道路交通法39条)から、道路中央から左側部分を通行していなかったことから直ちに本件事故に関する被控訴人Hの過失が基礎づけられるものではない。
そして、前記認定の衝突地点等、本件事故態様に照らすと、控訴人が本件市道の左側に寄って一時停止し、被控訴人H運転車両の通過を待つて右折を開始しておれば、本件事故は避けられたと認められ、
他方、緊急走行中の被控訴人Hにおいて、本件交差点に進入するに当たり、緊急自動車が走行中であるのに直近右折した先行右折車両の後方から控訴人運転車両が引き続いて右折進行する事態を予見し、衝突事故を回避すべき可能性があつたものとは認め難いから、本件事故の発生について被控訴人Hに過失があつたものとは認め難いところである。
そうすると、本件事故の発生につき、被控訴人Hに過失があるものとは認め難く、控訴人に対し、被控訴人県は国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負わないこととなる。
なお、仮に控訴人が主張するように、本件事故発生時、控訴人車両が右折を
開始せず停止していたとしても、
控訴人は、緊急自動車が対向直進して接近してきているのであるから、進路を譲って本件市道の左側に寄って一時停止すべき義務があるのにこれを怠り、漫然と、先行右折車両の背後で右折のために止まつていた過失があり、
以下P12
本件交差点を高速で直進する被控訴人Hにおいて、直近右折.した先行右折車両の背後に控訴人車両が隠れていることを予見して控訴人車両との衝突を回避する措置をとることを期待することが困難であること
と控訴人の上記過失を対照して、相対的に評価すると、控訴人の主張する事故態様を前提とした場合に被控訴人Hに本件事故発生について何らかの過失があるとしても、その過失割合は、原判決が認定した1割を上回ることはないものといわざるを得ない。」
10
同30頁12行目の「エ、したがって、」から16行目の「しているが、」までを
「なお、仮に本件事故態様が控訴人の主張するとおりであり、本件事故の発生につき被控訴人Hに何らかの過失があるとしても、」と改め、 22行目の「原告」の次に「被控訴人Hに対する」を付加する。
11
同31頁3行目の「できること」を「でき、また控訴人が右折を開始していたか否かにかかわらず、控訴人には緊急自動車進路妨害の過失があること」と改め、
12行目の「原則として」を「全件につき」と改め、 13行目から14行目にかけての「していたと認められる」を「した交差点優先車妨害の過失が認められる上、控訴人が右折を開始していたか否かにかかわらず、控訴人には緊急自動車進路妨害の過失があると認められる」と改める。
12
同頁17行目末尾の次に行を改め、次のとおり付加する。
「本件事故の発生につき、控訴人の過失割合を9割、被控訴人Hの過失割合を1割として賠償すべき損害賠償額を算定すると次のとおりである。」
第4 結論
以上の次第で、控訴人の被控訴人らに対する甲事件本訴請求はいずれも理由がないからこれを棄却すべきである。また、被控訴人県の控訴人に対する甲事件反訴請求については、不法行為による損害賠償請求権に基づき、損害金14万1291円及びこれに対する本件事故日である平成16年11月8日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金を請求することができ、
被控訴人Hの控訴人に対する乙事件請求については、損害金78万9391円及びこれに対する本件事故日である平成16年11月8日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金を請求することができるところ、
被控訴人県の甲事件反訴請求につき損害金12万7161円及びこれに対する平成16年11月8日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で認容し、
被控訴人Hの乙事件請求につき損害金64万3421円及びこれに対する平成16年11月8日から支払済みまで年5分の害合による遅延損害金の支払を求める限度で認容した原判決は、結論を異にするが、控訴人のみが控訴した本件においては、原判決を控訴人の不利益に変更することは許されない。
よつて、控訴人の本件控訴はいずれもこれを棄却すべく、主文のとおり判決す
る。
高松高等裁判所第2部
裁判長裁判官 金馬健二
裁判官 安達 玄
裁判官 田中一隆
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愛媛白バイ事件 国賠控訴審 判決文 その3
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判決文 p8
衝突角度を14度とする本件事故の衝撃によっては、控訴人運転車両の上記変形具合が生じたり、控訴人運転車両左前側面ステップの前方部分に変形が認められないことの合理的な説明がつかない上、
控訴人運転車両の左前側面ステップカバーには被控訴人H運転車両の前輪タイヤ痕が中央の溝を中心にして印象されているが、衝突角度14度であれば、被控訴人H運転車両前輪が控訴人運転車両のステップカバーに鋭角に接触することになり、
被控訴人H運転車両前輪中央の溝よりも被控訴人Hから見て左側タイヤ部分が控訴人運転車両のステップカバーに印象され、控訴人運転車両前輪右側部分が印象される蓋然性は極めて低いと推認されることに照らせば、衝突角度は、 14度ではなく、本件速度鑑定のとおり、 52度と認めることに支障はない。
5
同23頁10行目の「理由について」を「理由や、本件事故によって控訴人運転車両のフロントフォークが破損し、左腫骨内躁骨折、左撓骨遠位端骨折の傷害を負っているにもかかわらず、右足には本件事故による負傷がない理由について」を付加する。
6
同25頁15行目の「主張するが、」を「主張する。しかし、被控訴人H自身、進行方向である山西町方面において、四輪車がいること以外に控訴人運転車両の発見が遅れた原因が他にあるかとの質問に対して、『他には考えられません。』と答え、控訴人運転車両の発見が遅れた理由は分からない、他の車両があつたか否かも覚えていない等と供述していること(甲31、原審における被控訴人H)に加えて、」と改め、 21行目の「考えられる。」を「考えられることを勘案すると、被控訴人H及び被控訴人県の上記主張はにわかに採用することができない。と改める。
7
同26頁4行目の「本件速度鑑定」から「検討するまでもなく、」を削除し、5行目末尾の次に行を改め、次のとおり付加する。
以下P9
「キ、これに対して、控訴人は、本件速度鑑定の問題点として、衝突後の二輪車の速度差が考慮されておらず、控訴人運転車両側の衝突後の速度が低い
値になっている、
二輪車乗員の重量及び速度が考慮されていない等の問題点があるほか、
被控訴人H運転車両の破損状況を説明するため、衝突後に被控訴人H運転車両の後部が跳ね上がったと説明しているが、物理的に何故被控訴人H運転車両の後輪が跳ね上がったか説明がなされておらず、
被控訴人H運転車両(空車重量260キログラム)よりも軽量な控訴人運転車両(空車重量159キログラム)を跳ね飛ばし、更に衝突後も被控訴人H運転車両が前進している本件事故状況において、被控訴人H運転車両の重心が持ち上がるような物理的な力は発生していないことは明らかである旨主張し、 これに沿う証拠として、甲44、 45、 47、 48、 51、 53を提出する。
しかしながら、証拠(乙29、原審証人〇×▲■)によれば、 自動車の衝突は、弾性衝突(ゴムまりを壁にぶつけると跳ね返るような衝突)ではなく、塑性衝突(粘上のまりを壁にぶつけたように全く跳ね返らないような衝突)に近いこと(ただし、衝突速度が、例えば時速5キロメートルであるように非常に小さい場合は、弾性衝突に近くなる。)
人身事故を伴うような衝突のほとんどは塑性衝突に近いものであると認められることに照らすと、本件速度鑑定において、衝突後の双方車両の速度差を考慮する必要はないというべきであり、双方車両の速度差が考慮されていないからといって、本件速度鑑定の信用性を左右しない。
そして、証拠(原審証人古本礼慈)によれば、本件速度鑑定においては、控訴人及び被控訴人Hの体重を考慮していない理由として、本件事故の際、控訴人及び被控訴人Hは、衝突中、双方の車両シート上を移動するだけで、衝突に直接関与していないため、乗務員の体重(重量)を考慮していないことが認められることに照らすと、乗務員の重量を考慮していなかつたからといって、本件速度鑑定に問題があるということはできない。
以下P10
また、証拠(乙8の1、乙51)によれば、 1人乗りのオートバイ(重量185キログラム)を排気量1800cc級の乗用車の側面(前ドア位置)に時速50キロメートルで衝突させた実験において、
衝突後0 1秒で、オートバイのフロントフォークと前輪の変形が概ね完了し、次いで、オートバイ乗員の身体が慣性により前方へ滑り動き、下腹部でオートバイのハンドルに引っかかる状態になり、次いで、オートバイの前輪で乗用車の側面に当たりながら、ハンドルを身体で前へ押すかたちになるから、
オートバイは馬が跳ねるのと同じように後輪を持ち上げ、いったん尻跳ね状態になると、オートバイはオートバイ自身の慣性カモーメントのためさらに尻跳ねを助長することが認められ、
原審証人バス運転手の証言によれば、本件事故現場直前で、被控訴人H運転車両に追い越された路線バス運転手が、本件事故の際、被控訴人H運転車両が急ブレーキを掛けてつんのめるように、逆立ちをする格好で後輪が眺ね上がったのを目撃していることが認められることに照らすと、本件事故の際、被控訴人H運転車両が尻跳ね状態になっていたことは優に認められる。」
8
同頁21行目の「施行令14条」の次に「本文」を付加する。
9
同29頁2行目の「緊急自動車」の次に「(道路交通法施行令(昭和35年
政令第270号)14条)」を付加し、16行目の「確認せず、」の次に「先行右折車両が本件交差点を右折するのに続いて、」を付加し、
17行目の「右折しようとした」を「右折を開始した」と改め、21行目の「被告Hにも」から30頁11行目末尾までを次のとおり改める。
「被控訴人Hの過失の有無、程度について検討するに、緊急自動車に速度規制の効力が及ぶのは、
高速自動車国道の本線車線以外の道路を通行する場合の最高速度80キロメートル毎時(道路交通法施行令(昭和35年政令第270号)12条3項)以上の法定速度が規制標識に示されている場合(道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(昭和35年総理府・建設省令第3号)2条、同令別表第1の規制標識の種類最高速度(番号323)、道路交通法施行令(昭和35年政令第270号)12条3項)であり、
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愛媛白バイ事件 国賠控訴審 判決文 その2
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3 争点及び争点について当事者の主張
次のとおり補正するほかは、原判決「事実及び理由」第2の2(7頁15行目から15頁7行目まで)記載のとおりであるから、これを引用する。
(1) 同7頁19行目の「車両」を「ワンボックスカー」と、21行目の「直進」を「対向直進」と各改める。
(2)同8頁11行目の「鑑定書(」の次に「乙5の2。」を付加し、 13行目の「に際し、」の次に「本件事故現場付近は、本件交差点を含め路地が多数ある住宅街であるにもかかわらず、サイレンを常時吹鳴させなかった上、」を付加し、 15行目から16行目にかけての「進行した」の次に「安全運転義務違反(道路交通法36条4項)、道路中央から左側部分を通行しなければならない通行区分違反(同法17条4項)の」を付加する。
(3)同10頁5行目末尾の次に行を改め、次のとおり付加する。
「仮に先行右折車両が存在していたとすれば、控訴人には次のような過失がある。
あ 控訴人が被控訴人H運転車両のサイレンを聞いていた場合控訴人は、先行右折車両のために前方の見通しが悪かったのであるから、右折を開始する前にいったん停止する等して対向車両の有無を確認し、対向車両の進路を妨害しないよう進行すべき注意義務を怠った過失(道路交通法37条)がある。
また、仮に、控訴人が、先行右折車両後方の本件市道東付近に控訴人運転車両を停止させていたとしても、緊急自動車として走行中の被控訴人H運転車両が時速約57キロメートルで本件交差点に進行していたのであるから、被控訴人H運転車両が通過するまで道路左側に寄って一時停止すべき注意義務を怠って右折を開始し、本件事故を招いた過失(同法40条1項)がある。
い 控訴人が被控訴人H運転車両のサイレンを聞いていなかった場合控訴人は、安全な運転に必要な交通に関する音または声が聞こえないような状態で車両等を運転しない注意義務を怠り(同法71条6号、愛媛県道路交通規則12条(6)本文)、先行右折車両の存在によって前方の見通しが悪かつたにもかかわらず、右折を開始する前にいつたん停止する等して対向車両の有無を確認し、対向車両の進路を妨害しないよう進行すべき注意義務を怠った(道路交通法37条)過失がある。」
第3 当裁判所の判断
当裁判所は、控訴人の甲事件本訴請求はいずれも理由がないものとして棄却し、甲事件反訴請求及び乙事件請求は、原判決が認容した限度で理由があるものとして認容すべきものと判断する。
その理由は、次のとおり補正するほかは、原判決「事実及び理由J第3の1から5(15頁9行目から34頁13行目まで)記載のとおりであるから、 これを引用する。
1
原判決15頁12行目の「東側1 1〜1 7メートル」の次に「(本件交差点付近では約1 3メートル)」を、
13行目の「西側0 9〜2 6メートル」の次に「(本件交差点付近では約1メートル)」を、
同行目の「乙1の2、 3」の次に「、乙4」を各付加し、 15、 18、 20行目の「左方」及び22行目の「右方」の次に「交差道路」を付加する。
2
同16頁3行目から4行目にかけての「無線を」から、「北進したJまでを、
「警察本部通信司令室からの事案発生通報の無線を傍受したことから、緊急白動車乗務員の職務として、直ちに緊急走行で現場臨場するため、被控訴人H運転車両のハンドル右側に装備されているポリススイッチをオンにし、赤色灯を点け、サイレンを自動吹鳴にして緊急走行を開始し、本件市道を北進した。
しかし、被控訴人Hは、 自動吹鳴のままだと交差点手前でサイレンを吹鳴したいときに休止状態になつたり、停止に近い減速をして吹鳴したくないときにサイレンが吹鳴し、適宜対向車や先行車、道路状況に応じて吹鳴することができなくなるため、緊急走行の便宜のため、本件交差点手前約200メートル付近において、サイレンを自動吹鳴から手動吹鳴に切り替えた。」
と改める。
3 同19頁22行目の「曲損するなどした」を「曲損し、左前側面のステップが車両左側面から中心に向かつて捲れあがり、左前側面ステップカバーには被控訴人H運転車両の前輪タイヤ痕が中央の溝を中心にして印象されているが、左前側面ステップの前方部分に変形は認められなかつた」と改め、 同行目から23行目にかけての「乙2」を「甲5の2、甲12、乙2、 46」と改める
4
同20頁4行目の「角度」の次に「(衝突角度)」を付加し、同行目の「丙D2の2」の次に「、原審証人〇×▲■」を付加し、同行目末尾の次に行を改め、次のとおり付加する。
「【事実認定の補足説明】
控訴人は、控訴人運転車両から見て左前方から被控訴人H運転車両が衝突角度14度で衝突したと主張し、これに沿う証拠として、甲44、 45、47、 48、 51、 53を提出する。
そして、松本晃治作成の平成23年2月17日付け鑑定書(甲44。以下「松本鑑定書」という。)及び平成24年2月8日付け意見書(甲53)には、衝突角度が約52度であれば、被控訴人H運転車両が控訴人運転車両に衝突後、控訴人運転車両が前進し、更に被控訴人H運転車両の先端が控訴人運転車両のステップボードに衝突するためには、いつたん被控訴人H運転車両が後退するほかないが、これは物理的にあり得ない旨の記載がある。
しかし、仮に14度の衝突角度で本件事故が発生したとすれば、控訴人運転車両のほぼ前後方向に力がかかることになるため、控訴人運転車両のステップボードが後方に向かつて押され、両車の左ヘッドライト脇の側面同士が接触することになるが、
上記(6)アのとおり、本件事故によって控訴人運転車両のステップ左側端カウル部は内側に曲損し、左前側面のステップが車両左側面から中心に向かつて捲れあがっていること、控訴人運転車両左前側面ステップの前方部分には変形が認められなかったことに照らすと、
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