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2012年2月9日

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小嶋が12日先発へ2年連続“開幕投手”(デイリースポーツ2月9日)

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小嶋が12日先発へ2年連続“開幕投手”(デイリースポーツ2月9日)

「阪神春季キャンプ」(8日、宜野座)

 小嶋達也投手(26)が、今キャンプ初めてシート打撃に登板した。予定された白仁田、二神、若竹の4投手で1番手として登場。打者12人を被安打1に抑えた。直球主体で2奪三振の内容に、首脳陣も次々に高評価。12日の日本ハムとの練習試合(宜野座)で、先発することが内定した。

 気温12度。強風が吹き荒れるなど、状況は決して良くなかった。それでも1番手でマウンドに立つと、まずは藤井彰を直球で二飛に。岡崎は外角のチェンジアップで空振り三振斬り。田上は直球で投ゴロに封じた。テーマは「直球でファウルを取ること」。延べ12人に7球ファウルを奪った。仕上がりは上々だ。

 「まずまずですね。悪くなかったかなという感じです。でもチェンジアップが抜けたりする時もあった。その辺ですね」

 唯一安打を許した森田は、変化球が抜けた後の直球を狙われた。課題は変化球の精度だが、直球の強さに藪投手コーチは「ボールにキレがあったね。力もあったな」と評価。山口投手コーチは「だいぶよかったというか、あれが普通。本人は納得してないだろうけど、いいスタートを切ってくれた」と信頼を口にした。

 2年連続の“開幕投手”が決定的。中3日で12日の日本ハム戦に向かう。「行けと言われれば、行ける準備はしています。思い切ってインコースにも攻めたいです」と小嶋。本格的に始まるローテ争奪戦。まずは6年目左腕が進化した姿を見せる。


◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 「今年の小嶋はやる!」。球春を迎えるたびにこう書いてきた。昨年も確信を持って書いた覚えがある。今年も確信以上のものを持って書きたい。

 「今年の小嶋はやる!」。この言葉は、昨年までと全く響が違う。いうのも、昨年までは、「またいつものホラが始まった」と受け止められていたことと思う。ところが、今年は違う。私だけの独断ではないということだ。

関西の某UHF局で「熱血!タイガース党」という番組がある。なんと今年第一回目のゲストが小嶋投手であった。つまり、今年一番期待する選手が小嶋投手ということに他ならない。

早速、昨日のシート打撃で結果を出した。まあ、こんなところで結果を出す必要はないのだが、ヒット性の当たりが1本ということらしい。小嶋の一番苦手なシート打撃でも自ずと結果が出てしまっている。

コントロールに難のある小嶋のこと、一番気にしているのが味方打者へのデッドボール。手加減もするだろうし、置きにいった球もあるだろう。それでいて、この結果が残ってしまうあたりが小嶋もそろそろ一流に近づきつつあるこの証明である。

もう一度言おう。「今年の小嶋はやる!」。

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【幕末から学ぶ現在(いま)】(148)橘曙覧(上)・・・東大教授・山内昌之

【幕末から学ぶ現在(いま)】(148)橘曙覧(上)・・・東大教授・山内昌之

楽観と人間愛の幕末歌人

 2月最初の週末、越前は福井に2日ほど遊んだ。セーレン社長の川田達男氏とご夫人の案内で訪れた福井市橘曙覧記念文学館は小ぶりであったが、市民が橘曙覧に寄せるほのぼのとした尊敬心が控えめに発露された施設で、福井人の奥ゆかしさが好ましく感じられた。


「独楽吟」52種の連作陳列


 なかでも、曙覧の「独楽吟(どくらくぎん)(ひとりたのしめるうた)」52種の連作が照明スタンドに浮かび上がるように陳列されているのは、郷土の生んだ偉大な国学者歌人の名作を現代の若者にも近づけようという工夫なのだろう。

 曙覧は、歌道や学問ですぐれていただけでなく、人柄でも幕末越前の名士たちに愛された。藩主、松平春嶽(しゅんがく)やその重臣、中根雪江(せっこう)らとの交流もあり、その門人の一人が三岡八郎(由利公正(きみまさ))であった。

 明治に改元される直前の慶応4(1868)年に56歳で物故したために、維新の事業には関わらなかった。また、たとえ明治維新を生きて迎えたとしても、城への出仕と進講を求めた春嶽の誘いを歌で婉曲(えんきょく)に断ったくらいだから、政治に関わる可能性は少なかったかもしれない。

 それでも曙覧がいまの日本人の心を引き付けるのは、幕末という動乱期にあって、歌のモチーフとして素直に人間や家族の愛を取り上げ、日々のかけがえのない生活をつつましく読み込んだ楽観主義にあるのではないか。


現代人慰謝するエスプリ


 「たのしみは〜とき」の形で詠まれた作品の独楽吟には、歌人や国学者だった曙覧が家庭人としても円満だったことを知る歌が多く収められている。それらは公人と私人の領域をいかに円滑につなげるかで苦労する現代人の心を慰謝するエスプリにあふれている。

 たとえば、日ごろは質素な食事に甘んじている曙覧も、たまには子供の喜ぶ姿を見たくて、奮発した魚を煮物にして夕餉(ゆうげ)をとった。すると、「父上おいしい、おいしい」と子供が喜ぶさまを詠った作品がある。

 たのしみはまれに魚烹(いおに)て児等(こら)皆(みな)が

 うましうましといひて食ふ時

 歌だけでも楽しそうな情景が浮かび上がる。橘曙覧記念文学館に出かけられる人なら、2階の陳列室のすぐ入り口に飾ってある一家団欒(だんらん)の人形を見て顔がほころぶ人も多いだろう。この歌の情景がありありとしのばれる曙覧の家族団欒の絵模様だからである。


米大統領、歓迎式典で引用


 橘曙覧の作品には洋の東西を超えて人の心を打つ要素が秘められているようだ。有名なのは、平成6年6月の天皇皇后両陛下のアメリカご訪問の折、クリントン大統領が歓迎式典のスピーチで曙覧の歌を引用したことであろう。

 たのしみは朝おきいでて昨日まで

 無かりし花の咲ける見る時

 朝早く寝床から起き出して、庭にふと目をやると、昨日まで咲いていなかった朝顔が美しく咲いていることに明日ひいては未来への希望を託したともいえる歌なのだろう。

 クリントンはこの歌を引いて、「その伝える心は時代を超えたもの」だとした。「一日一日新たな日とともに確実に新しい花が咲き、ものごとが進歩し、日米両国民の間の友好をはぐくむのです」というスピーチの内容は、橘曙覧の詩想からさほど隔たったものではないだろう。

 さて私は東大教養学部の新入生に対して、橘曙覧もたたえた楽しい読書の世界に没入するように勧めたことがある。ある読書ガイドを岩波文庫の『橘曙覧全歌集』を紹介しながら結んだのである。

 たのしみは珍しき書(ふみ)人にかり

 始め一ひらひろげたる時(「古典の力−−和漢洋印回の魅力」『教養のためのブックガイド』東京大学出版会)

 その結果は、曙覧ぶりを発揮するとすれば、次のようなものでもあろうか。

 たのしみは紅顔可憐の若者が噴水背にし

 曙覧耽読(たんどく)するをひそかに見る時(やまうち まさゆき)

                   ◇

【プロフィル】橘曙覧

 たちばなの・あけみ 文化9(1812)年、越前国(福井県)福井城下の商家に生まれる。天保10(1839)年、家督を弟に譲り隠棲(いんせい)。国学者・本居宣長の弟子の田中大秀に国学や歌を学ぶ。福井に居を構えて清貧の生活を送り、歌作と学問研究に没頭。慶応4(1868)年、死去。その歌風は正岡子規らに大きな影響を与えた。

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