小盛りほっかいどう

平日は時事ネタ、土日は映画の感想です

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ミリキタニの猫

 2008年1本目は、ドキュメンタリー映画の佳作「ミリキタニの猫」。世の中、どこにネタが転がっているのか分からないのが、ドキュメンタリーの面白さだとつくづく思いました。

 【ストーリー】

 2001年のニューヨーク。ドキュメンタリー作家リンダ・ハッテンドーフが、路上で猫の絵を描いて売っている日系老人、ジミー・ミリキタニから絵を買う代わりにカメラで撮ることを約束したことがすべてのはじまりだった。当初は、ホームレス老人の生活を撮影しようとしたリンダだが、ミリキタニは日米の狭間で数奇な人生を歩んでいた。

 カリフォルニア生まれのミリキタニは、子供のころ日本に戻るものの、軍人ではなく芸術家になりたいとアメリカへ再び渡る。やがて、太平洋戦争が始まると、米国籍をもっているにも関わらず、財産を没収され収容所に送られる。収容所でアメリカの市民権を放棄するよう米政府から言われたミリキタニはそのまま放棄するが、終戦後、そのことが問題になり2年間も強制労働をさせられる。やがて、自由の身となり、ニューヨークへ行くが、「アートのグランドマスター」との本人の意気込みとは裏腹に、ホームレスまで身をやつす。

 9.11テロ後、行き場のなくしたミリキタニをリンダは家へつれて帰る。そこで奇妙な共同生活が始まる。

 【感想】

 戦後60年以上たっても、戦争の傷跡は終わっていないことを実感させられた作品。ミリキタニの過去をリンダとともに探っていき、次々に新しい展開がおきていくことは、筋書きのない良質なドキュメンタリーならではの長所でした。ここまで取材対象と同化できるというのが何よりすごい。

 アメリカに生まれながら、アメリカ政府に裏切られ続けたミリキタニ。そして、9.11後、アラブ系住民を差別しようとする米政府の姿は、自分たちの過去に起こった悲劇をそのまま映し出しているようだ。政府の世話にならないと、社会保障番号もパスポートいらないと拒否する。米政府への憎悪は根強い。

 収容所の話は山崎豊子の小説「二つの祖国」で読んだことがありますが、こんなに劣悪な環境におかれているとは思ってもみませんでした。収容所跡には「××baby」と書かれた墓誌がずらりと並ぶ。収容所で死んだ赤ちゃんがいかに多かったという事実は驚きました。ミリキタニをいつも慕っていて、絵をせがんだ少年も収容所で死んでしまう。さらに、終戦後も収容され続けたというのもひどい話で、怒りを隠せません。ミリキタニも、家族と離れ離れになったまま、それっきり。日本に残った親戚は原爆で全滅してしまい、戦争のせいで孤独な人生を強いられる。彼の原爆の絵がいかに憎悪と悲惨さに満ちていることか。

 アメリカの長所は、政府として欠陥があっても、善意を持った人もまた多いということでしょう。リンダは彼のために奔走する。福祉サービスを受けられないかと彼の記録を調べ、思いもよらない事実をつかむ。リンダの動きに協力する福祉事務所の人、ホームレスだったミキタニがぬれないように軒先を貸してくれた商店主など、一人ひとりは善人です。やがて、リンダの献身的な姿は次第にミリキタニの心を溶けさせます。それは収容所跡を再訪したときに現れました。

 重い題材を扱いながらも、ミリキタニの飄々とした性格が救ってます。機嫌が良いと、「北国の春」を口ずさみながら皿洗いする。サムライ映画がみたいと、ビデオ屋で三船敏郎の「宮本武蔵」を夢中でかりる。リンダとの関係も本当の家族のようにすら見えてきます。何しろ、リンダの帰りが遅いと「嫁入り前の若い娘が…」と本当に心配そうにぼやくのだから。

 時間が74分と短いのは編集の素晴らしさ。凡百の映画だったらクライマックスで延々流すだろう感動の場面をエンディングロールでサラリと流したセンスには唸りました。なお、ミリキタニは「三力谷」と書くそうです。

閉じる コメント(5)

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あけましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いします。
感動を押し付けない所がよさそうですね。
批判をというよりこうして欲しかった所を挙げるなら親戚が原爆で全滅・・ですかね?
空襲を含め色んな亡くなり方が有ったのでそれを描写して欲しかったです。
やはり原爆が罪にせよ正義(アメリカの)にせよそれから出発するのはアメリカらしいですね。
今映画見に行く暇無いですが暇が出来たら見に行きたいですね。 削除

2008/1/7(月) 午後 4:40 [ 五月雨祭 ]

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五月雨祭さん
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

今年も映画やニュースや色々思うところを書いていきますので、感想を書いていただければうれしいです。
この映画も機会があったら、ぜひご覧ください。

2008/1/8(火) 午前 10:41 [ mainichi_shibanu ]

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ドキュメンタリー映画:ミリキタニの猫のミリキタニさんが強制収容所で描いた絵画を1点展示!!!!


ジミー・ミリキタニさんが収容所内で描いた絵が大阪府寝屋川市立市民ギャラリーで展示されます。 1943年頃にミリキタニさんが描いたとても古い絵です。

その他の展示
1.NY八島スタジオの写真。画家・八島太郎、小橋川秀男、小圃千浦、山本紅浦など巨匠が一同に集まった写真!!!
2.ダライ・ラマ14世の平和の糸
3.日本人収容所のアート
4.NY墨絵
5.三島由紀夫のアメリカ版カバー墨絵(山本紅浦)
6.マザーテレサの手紙、イサム・ノグチの手紙など

NYの巨匠に出会えます!!

場所:寝屋川市立市民ギャラリー
開催日:2008年1月25日から2008年1月30日まで
主催:ジャルダン・ギャラリー・ニューヨーク

2008/1/25(金) 午前 1:01 [ osa**popo ]

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こんにちは、初めましてShintaroと申します。

寝屋川市立市民ギャラリ−行きたかったですね。

2008/11/22(土) 午後 7:25 [ Shintaro ]

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http://puripuritan.com/m-club/nm5s6i4/
昨日、7マンくれたからケツマ☆コ初体験してきたw

つかあれ、締め付けマジパネェんですけどwwwwwww
ガチでチ☆コちぎれるかと思ったしwwww 削除

2009/2/13(金) 午前 6:51 [ GOROU ]

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