11月は、前半は気象庁の長期予想通り、短い秋が終わってしまったのかと
思われるような寒さであったが、後半は小春日和の日が続き、秋を満喫でき
たと言っていい。この間、友人二人と韮崎に2泊3日滞在して、大いに語り、
音楽三昧の時を過ごしたり、韓国に出張したり、サッカーの試合を横浜日産
スタジアムで観戦したり、このところ飯田橋の会社との往復と言う単調な生
活に変化が加わってある意味で楽しめた月となった。
韮崎の話から始めよう。金曜日の夜10時に横浜の自宅を出て、IさんとFさ
んをピックアップして、一路韮崎へまっしぐら。横浜が十数度の気温だった
のに対し、韮崎は5℃で寒さが身にしみた。夜中の12時半ごろ着いて、それか
ら酒盛り、3時頃までワイワイガヤガヤと時を過ごした。次の日は、最近家か
ら持ってきた使い古したオーディオ装置のCDが壊れてしまったので、自称機
械屋さんのIさんが修理に入った。CDを5枚入れて次々に聞ける装置なのだ
が、その出し入れができなくなってしまっていたのである。Iさんは丁寧に
取り組み、まずは5枚入っていたCDを救ってくれ、2枚ぐらいは入れること
ができるようにしてくれた。そこにFさんが登場し、5円玉をうまく利用して
よりスムースに出し入れができるようにしてくれた。またIさんはレコード
も聴けるようにしてくれて、家から持ち込んだ200枚のレコードと200枚のC
Dが聴ける体制が整い、それからは音楽三昧に耽った。皆それぞれに音楽へ
の情熱は熱く、今回叔母上のお葬式で来れなかったUさんも含めていい仲間
であることを再確認したひと時であった。
次は、韓国のお話。ほとんど仕事に時間は費やされたのであまり話すこと
はないが、それでも3日間滞在すると何かは経験するのである。ひとつは、天
候のこと。日本は寒いと言っても韮崎で5℃程度であったが、韓国は滞在した
大田で0℃、降り立った金浦空港あたりでマイナス3℃と寒かった。但し、幸
い風がなかったので思ったほど寒さは感じなかった。2泊したが、いずれも所
謂モーテル。日本のような怪しげなたたずまいと言うより、ビジネスホテル
の感覚で、部屋は暖かく、料金は3000円台で安かった。朝食は、1度は韓国
の典型的な食事、ユッケジャンに前菜として数種類のキムチが出てきた。二
度目はセブンイレブンでおにぎりとサンドイッチとヨーグルトを買って食べ
た。昼食は、一度は牡蠣三昧の店で牡蠣のビビンバとチヂミを食べたが、韓
国料理はとことん精通していつ自負していた私にとっても初めての経験で、
殊の外美味しかった。二度目は、大田から金浦空港へ向かう高速道路のサー
ビスエリアでうどんを食べたが、何度も経験していたとは言え、その美味さを再認識した。最後に帰りの飛行機の話。金浦空港を飛び立って直ぐに気流
の悪いところに突っ込み、大いに揺れたので、外を眺めていると、ぴかっと
光ってどかんと大きな音がしたので肝を冷やした。しばらく機内はシーンと
静まり返ったが、十分ほどしてからスチュワデスから「先ほど雷が落ちました
が、飛行には影響がありませんからご安心ください」とあったが、この十分間
は何だったのだろうかと疑念がわいてきた。まあ、何度乗っても飛行機はあ
まり好きな乗り物ではない。
最後にサッカーの話。あの2002年日韓大会の決勝戦の舞台、横浜日産スタ
ジアムで横浜FマリノスとFC東京との試合をOさんと観戦した。Oさんは
熱狂的なFC東京のファン、今期J1で不振に陥り、J2降格の可能性があ
るので是非とも勝たねばならないとの決意の表情がうかがわれた。対して私
はマリノスのファン、と言っても彼ほど熱烈ではなく、まあ負けるよりはい
いとの軽い気持ちであった。七万人を収容できる大きなスタジアムは入るの
が初めて。野球の東京ドームに比べれば大きいだけでなく解放感が素晴らし
い。ゴールの後ろにそれぞれのファンが陣取り、試合前から大騒ぎである。
主審はあの日韓大会でレフェリーを務めた岡田氏。Oさんはもう歳だからと
余り好感を示さなかった。時間どおり6時3分にキックオフ。そのわずか4分後
にFC東京の平山が目の前でシュートを決めた。周りがマリノスファンばか
りなのでOさんはこぶしを前後に振って喜びを表していた。平山は国見高校
時代の得点王で期待されてJリーグに入ったが、あまりぱっとしなかった。
しかしなかなかいいシュートであった。その後、マリノスが押していたが、
前半はそのまま終わった。後半15分頃、押していたマリノスが目の前で得点
を入れ、三万人のファンで埋められたスタジアムの大半が喜んだ。しかし、
後半30分過ぎにまたもや平山が得点し、またまたOさんのこぶしの前後振動
が見られた。そして、そのまま終了。Oさんは「今日引き分けでもヤバかった
からよかった」と本当にうれしそうであった。その後、新横浜の料理屋で乾
杯、殊の外Oさんの機嫌がうるわしかった。私もマリノスの優勝は絶望的だ
ったので、それほど勝負にこだわっていなかったためまあ、Oさんの喜びに
つられて美酒に酔いしれたと言ってよい。その結果、帰りの地下鉄では、寝
過ごすこと2回、再び新横浜に戻ってきてしまい、ようやく目が覚めた。と
もかくサッカーの面白さを十分満喫でき、これからもここには来たいとの思
いに満たされた。