満天の星Lovelyのブログ

新橋演舞場シアターコンサートで55周年がスタート!

 どうせ 散るなら  まとめ (3) 

                                       『華の天保六花撰』   どうせ 散るなら   
        2016.12.2(金)〜24(土)   新橋演舞場  
                            1/24           http://blogs.yahoo.co.jp/mantennohosilovely/18320558.html (まとめ1)
           2/ 4     http://blogs.yahoo.co.jp/mantennohosilovely/18336568.html  (まとめ 2)  
     
                          まとめ (3)

                       <第三場>  A 『 松平出羽守奥座敷 』   ― 翌日の昼
                               『         同     玄関 』   ― 続く時刻 

   A
   
   (松平出羽守)  ええい、 これ、おなみ                                                                             イメージ 1
             どれだけじらせば気が済むのじゃ。  
             なぜ、主君の言葉がきかれぬのじゃ。

イメージ 2    (おなみ)    きかれませぬ。 
             たとえ主命でござりましょうとも、
             親同士の決めた許嫁(いいなずけ)
             のある身、女の操が立ちませぬ。
   (松平出羽守) この出羽守が許すのじゃ。 
   (おなみ)    お許しくださいませ。

   (出羽守近習) 申し上げます。 上野寛永寺、輪王寺の宮様より直々にご面会致したいとの
             お知らせがあり、もうまもなくお越しとのことでございます。
   (松平出羽守) 病にて会うこと叶わずと伝えたであろう。
   (出羽守近習) それが、当家の存廃にかかわることとか。
   (松平出羽守) なに? 我が藩の存廃?
             おなみを押し込めておけ。 おなみ、あとで存分にな、、、いや、存分に成敗
             してくれるわ。


                              【花道にて】

   (宗俊)      あ〜イヤだ。 帰ろうよう〜。                                               イメージ 3                                                
              やめようぜ、こんなこと。 もう、酔狂が過ぎるぜ。
    (市之丞)        何をグチグチ言っているのだ。
                             おなみの宿下がりができなきゃ、 おふくろさん
                             が国へ帰れねえじゃねえか。
    (宗俊)      ゆすり、たかりを生業(なりわい)にして来た俺たち
              が、よりによって宮様のお使いとは、、、。
                             それだって、あんたが始めたことなんだぜ。
    (市之丞)        だからこうやって同道しているんじゃねえか。
    (宗俊)      有り難うございます。 
              そんなカッコいい寺侍がいるわけないさ。
    (市之丞)        人のことより、自分のなりを見てみろよ。 ごしそう(師僧)様っていうより、
              ごちそう(馳走)様っていう面(つら)だな。
    (宗俊)      面白いこと言うね。
              ここの殿様は、例の抜け荷を500両で売りつけたとこだぜ。 家老の大膳でも
              出て来たりすりゃ、コレもんだぜ。 (首に手を遣る)
              ばれたら、どうするんだい。
   (市之丞)     そのときは、、、その場でどうにか考える。
   (宗俊)      オレたち、人助けって柄じゃないぜ。
   (市之丞)    いや、何だか不思議な心持ちなんだ、、、いっそ愉快な、、。

イメージ 4    あの元気なばあさんに情を掛け、直を助けるだけの小芝居を始
    めたんだが、あんな頼りない直の野郎を殿様にしてのばかばか
    しい殿様芝居を、ああもまともに信じられちゃぁ、もういけねぇ。

                                              イメージ 5
    この人を悲しませちゃいけねぇ、喜ばして
    やりてぇ。 そんな殊勝な気持ち、ま、そん
    な了見にほだされちまったってことよ。

   (宗俊)   おめぇさんに、おふくろさんの話は
            ご法度だったな。
   (市之丞) こいつぁ、オレの泣き所よ。
          オレたちゃ、どうせまともな死場所
                     はあるまいが。

   (宗俊)      確かに、木の股から生れたわけじゃないからな〜〜。
   (市之丞)    おい、坊主。 出番だ。
   (宗俊)      イヤだな〜。 ちゃんと見ててよ。
   (市之丞)     心配ねぇさ。 オレがついてるから。

イメージ 6

   B

   (松平出羽守)  思いもかけないこのご入来(じゅらい)、お出迎えの遅れ、平に御容赦を。 
              お使い、ご苦労。 まずは粗茶でも。
   (宗俊)       では、、。
   (市之丞)     お茶なんか、飲んでる場合か。
   (宗俊)       いやいや、ご門主(もんす)よりの急ぎの使いにて、拙僧はご門主に身近う
               仕える北谷(きただに)のどうかいと申すもの。 松江公には、御病(おんやまい)
               と伺いし処、以外や以外のご血色、誠に祝着至極にござります。
   (松平出羽守)   挨拶はご無用。 ご使者の趣き、さそくにお聞かせ願いたい。
   (宗俊)       では、申し上げる。 (うふうふ)
                仔細は、こうでござる。 ご門主は、それそれ、小林兵庫殿とは下世話に
               申す囲碁友だち。 その小林殿が近頃にわかの乱れ、囲みのご不振。
               当家奥の腰元おなみ、すみやかに親元へとの、ご門主の内命。度々お暇
               を願い出るも、今日までお許しなし。 いかなる落ち度か、娘ごは一間へ押
               し込められ、その娘ごの一命、無事お助け申せと、かように内命を。
               なにとぞ、ご承知くだされ。
   (松平出羽守)    何事のお使いかと案じたが、腰元おなみのこと。
   (宗俊)        いやいや、ひたすらそのまゝお下げ渡し願いたい。
   (松平出羽守)   せっかくのお頼みなれど、その儀、承知致しかねる。
   (宗俊)        一本の御位(みくらい)高き輪王寺宮様の頼みでも、ご承知叶わずとは、、。
   (松平出羽守)   家の掟が立ちませぬ。
   (宗俊)         いかように申しても。
   (松平出羽守)    はて、くどいことを。
   (宗俊)         さて、されば、されば  、、、、 ダメ、 帰ろう。
   (市之丞)       ご老中、ご老中。   (と、市之丞が宗俊に入れ知恵をする)

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   (宗俊)        ご老中に申し上げるほか、なかろう。
               そうなれば、主ある娘に横恋慕、無道の行いを申し立てるほかござらぬ。
               さよう、ご老中。 当家のご恥辱、いやいや次第によれば当家のご存廃
               にかかわる一大事。 それでも承知せずと仰せられるか。
               さあ〜、さあ〜、 返答はいかがでござる。 
                                      (口調や所作がが歌舞伎調となる)
   (松平出羽守)   お、お返し申す〜〜。
               おなみをこれへ。
   (出羽守近習)   はは〜〜。

               おなみが連れてこられ、、無事お下げ渡しとなる。

   (市之丞)       ご師僧様、この上は一時も早う親元へ。
   (宗俊)        これにて、拙僧の役目も立ち申した。
   (松平出羽守)   どうかい殿、この上はご門主に、何とぞ良しなにお取り計らいを。
   (宗俊)        その儀なら、お任せあれ。 拙僧、もとより事は好みませぬ。
               (おなみの手を取りながら)親御がお待ち兼ねじゃ。 仔細は道々、、。

               おなみを乗せる駕籠が、用意されてきた。

   (金子の乾分)   ご師僧様、 早や登禁の時刻かと。
   (宗俊)        急かすな、急かすな。
   (市之丞)      臭い芝居をしやがって。    
   (北村大膳)     しばらく、しばらくお待ちくだされ。 宮様のお使いとは、もってのほか。
                                 数奇屋坊主と、金子市之丞と申すもの。 両人とも脛に傷持つ無頼の
               輩(やから)。 かたりもかたり、大かたり。 何をたくらんで当家に乗り込ん
               だものか。
   (宗俊)        とんだところへ北村大膳、、、ほうら、だからイヤだって言ったのに、、。
   (市之丞)       何を血迷ってか、騒々しい。 人違いではあるまいか。
   (大膳)        忘れたとは、言わせぬぞ。 先日、さる道場にて南蛮渡りの白馬の像、、

                                                            イメージ 8
   (宗俊)        いかがなされた。 
                まさかのことに、松江公ともあろう方
                                  が抜け荷の品を買い上げたとは、、。            
       
   (松平出羽守)   大膳、 もしやあの像をあがないし
                                 は、、
   (市之丞)      大膳殿、心配なさるな。 
                                 われらは一蓮托生。 
                                 同じ穴のむじなよ。
   (松平出羽守)   大膳、こやつら何者じゃ。

イメージ 9   (市之丞)       お殿様、この僧は弁が立つぜ。 
               かたりと言って申し出れば、洗いざらい、お殿様
               のご乱行も残さずお上に申し立てるぜ。

   (宗俊)        オレ? おう、こうなったら地獄へ行って逃れても、
                                 この三寸の舌先で松江の殿様と心中覚悟で、そう、
                                 かたりと言って差し出すか。
               おい、日が短けえんだ、早くしろよ。


   (市之丞)      なれば出羽守様、これにてごめん。
   (松平出羽守)   大膳 !
   (市之丞)      さようなれば、ご師僧様。
   (宗俊)        ばかめ〜〜〜。             (大見得を切る)
   (市之丞)      ハハハ〜〜〜 

            おなみを乗せた駕籠とともに(市之丞) (宗俊) 上機嫌で花道を下る。


                                                                                                                                   イメージ 11       イメージ 10                                                                                                                                                                  
                                             

                 
                    <第四場> へ続く





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