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自然科学分野の魅力の一つは、知的好奇心を喚起する新しい発見が、毎日報告されることだ。
観測技術の進歩により、これまで見逃していた事実がわかることも多いが、それでも新鮮な驚きがある。
天文学でも様々な現象が発見されているが、ごく最近、小惑星の自転周期の最短記録が更新された。
4月25日にLINEARサーベイで発見された 2008 HJ の自転周期は、
4月29日の観測から 42.67±0.04 秒と、これまでで最短であると確認された。
この発見までの最短自転周期は、2000 DO8 の 78 秒であった。
イギリスの Science and Technology Facilities Council のプレスリリースは次のとおり。
http://www.scitech.ac.uk/PMC/PRel/STFC/Asteroid.aspx
ちなみに、ドイツ語での報道は次のとおり。
http://www.wissenschaft.de/wissenschaft/news/291833.html
日本語での報道は、今回も残念ながら、現時点では見つかっていない。
(追記(6月9日):日本語での報道(翻訳記事)がやっと出た。
気になるのは、この日本語記事中の自転周期は 42.8 秒と、英語記事よりも 0.1 秒長いことだ。
http://www.astroarts.co.jp/news/2008/06/09asteroid_2008hj/index-j.shtml)
今回の観測は、Faulkes Telescope Project というイギリスの学校・大学が参加する教育プログラムで行われ、
ハワイやオーストラリアの巨大望遠鏡を、インターネットで自宅からでも、遠隔操作できるのが特徴だ。
http://faulkes-telescope.com/
地球に接近する小惑星の観測も、このプロジェクトで行われており、
4月に発見された 2008 GP3 の自転周期は 11.8 分であった。
このプロジェクトで観測した4番目の小惑星で、偶然にも最短記録が生まれることになった。
しかも発見したのは、56歳の定年退職者である。
2008 HJ のサイズ 12 m x 24 m から予測される理論的な自転周期と、観測値とはほぼ合っているそうだ。
今後も、地球に接近するサイズの小さい小惑星の観測を継続するという。
このプロジェクトに多数の学生が参加することで、アマチュア観測家でも天文学の発展に貢献できる。
日本のアマチュアも、彗星・小惑星・新星・超新星などの新天体発見や、軌道計算で貢献してきた。
ただ、巨大望遠鏡の遠隔操作で観測するというのは、あまり例がない。
ハワイのすばる望遠鏡と接続した話はあるが、学生が観測に使って何か発見したという報道は聞かない。
科学技術立国として、理系人材を増やそうとするならば、もっと最先端科学に触れる機会を増やしてほしい。
こういったプロジェクトに、一般人も参加できる国がうらやましい。
(最終チェック・修正日 2008年06月09日)
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