英語・ドイツ語翻訳者に転職したドイツ語好きの化学者のメモ

2017年のルター宗教改革500年に世界遺産の旅をするためにも、ドイツ語の勉強を続けよう。

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(最終チェック・修正日 2016年10月07日)

ドイツの消費者団体フードウォッチ Foodwatch が、ドイツで販売されているミネラルウォーター中の
ウラン濃度の測定値について、5月18日に一覧表を発表した(PDFで提供されている)。

【(追記:2013年04月10日:リンク先変更)
http://www.foodwatch.org/de/informieren/uran-im-wasser/mehr-zum-thema/uran-im-mineralwasser/
http://www.evivi.de/fileadmin/evivi/downloads/Mineralwasser_Test_Uran_Foodwatch.pdf
(2009年5月時点での一覧表)


【追記4(2015年07月11日):
Foodwatch の報告後、ウランを取り除くフィルターを設置したメーカーが増えたとのことだ。
http://www.foodwatch.org/de/informieren/uran-im-wasser/aktuelle-nachrichten/mineralwasser-abfueller-senkt-uranbelastung-deutlich/?sword_list%5B0%5D=mineralwasser&sword_list%5B1%5D=uran

全ての銘柄ではないが、基準値を下回るウラン含有量になったものもあるので、最新のデータを探してみよう。】

この発表を伝えるドイツ語報道は、例えば次の通り。
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5j__79FDKaVLIXiKWkZRjCPijNTxA
http://www.sueddeutsche.de/,ra15m1/gesundheit/584/469143/text/
http://www.spiegel.de/wirtschaft/0,1518,625833,00.html

435銘柄のウラン濃度について、その測定値と測定日、そして測定者または情報源が明記されている。
ドイツ連邦政府やメーカーの公表値の他、フードウォッチが独自に追加した測定値も含まれている。

オレンジ色で示しているのは、2μg/Lを超えるもので、乳幼児に対して危険な濃度とされている。
赤色で示しているのは、10μg/Lを超えるもので、この濃度では成人に対しても危険である。
危険なウラン濃度を示した製品は、約13%にも達している。

ここでウランは放射性物質というよりも、重金属としての危険性に注目しており、
特に乳幼児では腎臓障害を引き起こす危険性が高いとして、これまでも注意喚起が行われてきた。

水道水でもウランが検出されているが、化学的処理やろ過が許可されているので、減らすことは可能だ。
しかしミネラルウォーターでは、同様の処理は許可されておらず、水源のウラン濃度のままになってしまう。

ということで、ドイツ留学中、そして日本でも飲んでいるボルヴィック(Volvic)を見てみた。
46ページに複数の測定値があるが、どれも 0.5 μg/L 未満で、一応WHO基準値以下である。

日本に輸入されている銘柄を見てみると、エビアンもコントレックスも基準値以下だが、
ペリエは 4.8 μg/L で乳幼児には危険なウラン濃度を示している。

ペリエの日本語サイトや、日本国内発売元のサントリーでは、このウラン濃度についての説明はなかった。
http://perrier.jp/
http://www.suntory.co.jp/water/waterbook/

まあ、炭酸入りのペリエをがぶ飲みすることは少ないし、乳幼児は炭酸が苦手だから飲まないかも。

ウラン濃度が高いと話題になった、イタリアのサンペレグリノはどの銘柄も 4.0 μg/L を超えている。
この場合も、日本語サイトで注意喚起はしていない。
http://sanpellegrino.jp/

WHOの指針はあるのだが、日本でもまだ規制値を決めていないようだ。
規制がないのだから、ウラン濃度が高くても、注意喚起の表示義務もないわけだ。

これからはミネラルウォーターも水道水と同様に、浄水器を通してから飲むことになるのかも。
ということは、炭酸入りミネラルウォーターは買わないことになる。

今後は買い物する前に、このような分析データを参考にして選ぶことにしよう。


追記(5月26日):
サントリーからペリエについて返答があった。
【日本で販売されている「ペリエ」のウランの分析値は公開しておりません。
「ペリエ」は、世界保健機関等が定める国際的な飲料水基準を満たしており、品質に問題はございません。】

輸入ミネラルウォーターについては厚生労働省が所管で、食品衛生法が適用されるそうだ。
ウラン濃度についての国内規制値がないため、WHOの推奨を参考にするしかない。
どこかで分析値を公開してほしいが、それまではドイツで公開された資料を参考にして買い物をしよう。


追記2(2012年01月27日)
ある通販サイトからのメールマガジンで、サンペレグリノの1日限定激安販売、というものがあった。
この商品の口コミ情報(つまり購入者のレビュー)を読むと、ウラン濃度が高めであることを知らないのか、子どもにも毎日飲ませている人もいた。
ということで通販会社に、サンペレグリノのウラン濃度を伝え、特に子どもには推奨できないという注意喚起を要請した。
しかし、輸入販売元に問い合わせた結果、健康には影響がないことを確認したとのことで、販売には問題がないという見解だった。

サンペレグリノ中のウラン濃度は、WHOの推奨値を確かに下回っているが、子ども特に乳幼児への影響は軽視できないはずだ。
しかも水道水とは異なり、ミネラルウォーターの検査項目にウラン濃度はない、という手抜きを知っていながら、販売しても大丈夫と断言するのは許せない。

この通販会社でプリンタインクなどを購入していたが、もうやめることにしよう。

追記3(2013年05月29日):
日本で市販されているミネラルウォーターについて、大阪大学などのグループが、ウランとトリウムの濃度を測定していました。
【ミネラルウォーター中のウラン・トリウム含有量】
http://www.rirc.osaka-u.ac.jp/to/ricto001/april2002.pdf

どれも基準値未満とのことですが、銘柄をはっきり書いていないので、資料としては使いにくいですね。
これからも探し続けます。

追記4(2016年10月07日):
10年以上前の論文だが、日本産ミネラルウォーター中のウラン分析の報告があった。
PDFで公開されているので、ここに参考としてリンクを残しておこう。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/radioisotopes1952/48/4/48_4_263/_pdf

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ミネラルウォーターは、簡単に言えば地下水・湧水を原料としていますので、地中の岩石に含まれる様々な物質が溶けています。
岩石の種類によって、ウランが多くなったり、カドミウムや鉛が多くなるなど、地域差があります。

日本は水道水の基準は作っていますが、ミネラルウォーターについてはWHOの指針を仮に使っています。しかし、成人に対する許容濃度のみで、子どもについては適用しないつもりのようです。日本の会社は輸入代理店ですし、検査結果は社外秘だと思われますから、政府に陳情するか、どこかの検査機関に依頼するしかありません。

水道水でも、水源によってはウランが検出されたため、水源の変更をしたこともあります。また、塩素やオゾンでの消毒で有害な化合物が生成する可能性も指摘されています。それに、蛇口などに様々なバクテリアが生息していますので、どんなものにもリスクはあるという意識は持っておくべきでしょう。

2011/8/27(土) 午前 0:02 [ ドイツ語好きの化学者 ] 返信する

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> どんなものにもリスクはあるという意識は持っておくべきでしょう。
昔トリハロメタンのことを読んで怖いなーと思ったことがありましたが、本当にそのとおりですね。
時期が時期だけにウランという名前に反応しましたが、水源の地中の重金属という側面からの調査で、ミネラルウォーターの放射能汚染ということになると検査機関に依頼するか政府に陳情するしかない、か…。
政府に陳情たってあの調子では無駄に苦労させられそうだし、検査機関に依頼すると有料だし、それでも依頼が殺到して今は手一杯の状況みたいだし、安全の情報というものを得るハードルは低くないなぁと痛感します。
リプライありがとうございました。 削除

2011/8/29(月) 午後 4:09 [ FlowerySkull ] 返信する

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はじめまして。
先日「食品と暮らしの安全」(硝酸態窒素の水汚染)というサイトに有名ブランドを含む殆んどの水が硝酸態窒素により汚染されていると出ており、初めて聞く物質に驚きました。
それによると、ボルヴィックは×、エビアン、ペリエは△。しかも煮沸すると濃度が高まるそうで、大人に被害の出るのは先だけれども赤ちゃんのいる家庭では対策をとる必要があるとのこと。
もう水は放射性物質だけではなく、様々な要因で汚染されてしまっているのですね。 削除

2011/9/1(木) 午後 9:22 [ alma44 ] 返信する

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硝酸態窒素は、肥料の使い過ぎなどで地下水に混入するため、ミネラルウォーターに入っていても不思議ではありません。また、自動車排気ガスからも生成します。

ただ、何も混ざっていない純水を飲んでしまうと、浸透圧の関係で危険です。
ミネラルウオーターは、カルシウムやマグネシウムなど、日本人に足りないミネラル分を補給できると好意的評価もされていますが、完璧な安全などないという意識は常に持っていて損はありません。それでも健康な成人に限れば、過剰な恐怖感を持つこともないでしょう。

2011/9/1(木) 午後 10:13 [ ドイツ語好きの化学者 ] 返信する

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はじめまして。
衝撃の事実です。教えていただいてありがとうございます。
私は、ガス入りのミネラルウォーターが大好きで、ペリエがぶ飲みしてました〜。授乳中なので止めます。
国産の炭酸水(お酒を割る用のものなど)なら安全なのでしょうか?

2011/10/22(土) 午後 11:14 [ *ももちん* ] 返信する

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ペリエのウラン濃度は、大人が飲んでもよいとされる基準未満と言われています。ただ、わざわざウラン濃度の高い製品を選ぶことはないでしょう。

日本では農林水産省の担当ですが、ウラン濃度は自主検査となるため、各メーカーに問い合わせるか、どこかのNPOが測定するのを待つしかないでしょう。

2011/10/22(土) 午後 11:32 [ ドイツ語好きの化学者 ] 返信する

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ももちんさん、私も夏に炭酸系が飲みたくてアサヒやサントリーから出ている炭酸水を買っていました。がフクシマの放射能汚染が気になって各社に電話で問い合わせをしたところ、両方とも地下水と水道水を使用しているというお話だったと思います。その工場のある土地の水道水を飲みたくないと思うのであれば、やめた方がいいかもしれません。私はヤメました。生産地番号が問い合わせの際、必要になりますから購入された現品を手に電話をすることをお勧めします。生産工場はいくつかありますから、自分が住んでいる地域にはどの工場からの製品が流通しているかを把握することは正確な情報を得る上で重要だと思います。 削除

2011/10/23(日) 午後 4:15 [ あちゃ ] 返信する

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ショックです....
ペリエも、サンペレグリノも、普通に飲んでました....
もう何十年も.... 削除

2011/10/30(日) 午後 11:55 [ Unglaublich! ] 返信する

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初めまして。つい最近このブログに辿りつきました。
早速質問なのですが、3,11以来、水に含まれる放射性物質を体内に取り込まないために、水道水を蒸留して飲用や調理に使用して来ましたが、蒸留水に本当に放射性物質が含まれていないのか心配です。
又体全体の調子は良いのですが、最近生まれて初めてアトピー性皮膚炎を発症してしまいました。体内のミネラル不足に陥らないよう玄米和食を中心に食事のバランスに気をつけたり、22年度産有機大豆や黒豆を大量に購入し、豆乳ヨーグルトや本苦汁でお豆腐などを作っていますが、ミネラル不足が心配です。ミネラルウォーターも飲んだほうが良いのではないかと思っている時に、こちらの記事に出会いました。
蒸留水中の放射性物質についてお教えいただければ幸いです。
又ミネラルウォーターを選ぶに当たり、瀬戸内海や日本海、ハワイ等の海洋深層水の安全性についてのご見解もお聞かせいただければ幸いです。

2011/12/6(火) 午前 1:04 [ kinsanginsan ] 返信する

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蒸留装置の構造が不明なので何とも言えませんが、微粒子ではなくイオンとして溶け込んでいるセシウムなどが、そのまま蒸気に入ることは考えなくてもよいでしょう。
ただ、煮沸時に水滴がはねることなどを気にするのであれば、イオン交換樹脂を用いた純水製造装置が必要ですが高価です。

ミネラルウォーターについてですが、水質基準は飲料用水道水よりも甘く設定されているため、分析結果が公表されていない場合や、問い合わせてもはぐらかすような会社の製品は選ばないことでしょう。
日本では、ウラン濃度が高い水源が見つかった場合、水道水に使わないことになっていますが、ミネラルウォーターの具体的な分析値を見たことがありません。
化学物質に関するNPO法人などがあるはずですので、そちらに問い合わせた方が、環境分析専門家を紹介してもらえるでしょう。

2011/12/6(火) 午後 9:12 [ ドイツ語好きの化学者 ] 返信する

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ドイツ語好きの化学者様

早速のご回答有難うございました。蒸留水器(台湾製)の構造はごく単純なもので、上部についているファンと加熱で水を蒸発させるようです。
最近ツイッターで、都内在住の男性が辻クリニックと言うところで、体内の放射性物質を検査してもらったところ、セシウムはNDだったのに、ウランが検出されたと言うことを知りました。ツイートした人は都内でも汚染が進んでいると言う意図だったのでしょうが、ご本人は、食べ物に気をつけ外出時は必ずマスクをつけ、お水も長年ミネラルウォーターにしているのに・・・と呟いていたのです。この最後の部分とこちらの記事が合致するような気がします。確かに首都圏の汚染はかなりのものだと思いますが、細かく検証する必要があるのではないかと思いますし、そもそもミネラルウォーターの安全性も危ぶまれてきました。有難うございました。

2011/12/7(水) 午前 0:41 [ kinsanginsan ] 返信する

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こんばんは
この記事のpdfがエラーで見れなくなってしまってるのですが
再掲載していただけないでしょうか?

2013/4/10(水) 午前 1:58 [ ft_**ore7* ] 返信する

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一覧表のPDFリンクについて:
ドイツのフットネス関連のサイトに、foodwatchのリストが掲載されていました。
リンクを貼り直しましたので、ご確認ください。

2013/4/10(水) 午前 7:25 [ ドイツ語好きの化学者 ] 返信する

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私はキリンの富士山伏流水を飲んでいますが、3年目ソロソロ、九州あたりに変えようと思っています。

2013/5/28(火) 午前 11:19 [ peterpan ] 返信する

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こんにちは
やっとこのブログにたどり着けました。
早速転載させていただきます。
尚お気に入り登録もさせていただきます。

2013/5/28(火) 午後 1:15 [ 慌てん坊将軍 弐拾壱 ] 返信する

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ありがとうございます。
転載賜ります

2013/5/29(水) 午前 4:53 [ mokeihiki ] 返信する

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日本で市販されているミネラルウォーターについて、大阪大学がウランとトリウムの濃度を測定していました。
http://www.rirc.osaka-u.ac.jp/to/ricto001/april2002.pdf

どれも基準値未満とのことですが、銘柄をはっきり書いていないので、資料としては使いにくいですね。
これからも探し続けます。

2013/5/29(水) 午前 7:15 [ ドイツ語好きの化学者 ] 返信する

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喉が痛くて仕事にならず、この真夏に何故か激しい喉風邪。ペリエを飲みはじめての事だったので、おかしいと思い検索すると、案の定セシウムが検出されていたんですか。

恐ろしいです。フランス産なら大丈夫と思っていたのに、原発国の監視はやはりドイツが適任ですね。 削除

2013/8/1(木) 午前 9:34 [ まさかの名無し ] 返信する

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初めまして。
ツウィートされた紹介文からこちらに来ました。
気になっていたヨーロッパ産の汚染具合がよく分かりました。
感謝です。
ぜひリンクさせて下さい! 削除

2014/1/15(水) 午前 11:42 [ yokoblueplanet ] 返信する

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yokoblueplanet様、訪問ありがとうございます。
こちらこそ、リンクまたはトラックバックをよろしくお願いします。

2014/1/15(水) 午後 8:31 [ ドイツ語好きの化学者 ] 返信する

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