ドイツ語好きの化学者のメモ

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牛肉を食べ過ぎるとがんになりやすい?ウイルスが原因か?

統計では、日本でも大腸がんが増えており、食生活の欧米化に起因していると言われている。
また、牛肉など赤肉をたくさん食べると、大腸がんリスクが高まるとも指摘されている。
ただ、赤肉摂取量と大腸がんリスクの因果関係は、現時点では不明瞭である。

2008年ノーベル賞受賞者の Harald zur Hausen 博士は、ウイルスががんの原因と疑い、研究を続けている。
博士は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染が子宮頸がんの原因になると確認し、ノーベル賞受賞となった。
そして以前から、他のがんの原因もウイルスと考え、牛肉に含まれているという仮説を立てて探しているそうだ。

Die ZEIT の記事は次の通り。
http://www.zeit.de/wissen/2010-05/krebs-viren-zurhausen?page=all

肉汁の多い牛肉ステーキをよく食べる国で、乳がん、すい臓がん、肺がんが多発していると報告されている。
その国とは、アルゼンチン、アメリカ、ニュージーランドである。

多数派の仮説は、加熱調理時に生じた化学物質が発がん性である、というものだが、
これは調理法を問題としており、牛肉で発がんリスクが高いことを説明できていないとして、
ウイルス原因説を唱えるツア・ハウゼン博士は、この仮説には納得していない。

肉汁が多いステーキ、つまりレアでは、肉内部は50℃まで上がらず、
もし原因ウイルスがあるならば、この温度では死なずに人間は摂取してしまうと考えている。

ただ、よく加熱しても、内部温度は70℃までにしか達しないと博士は考えており、リスクは残っているという。
ポリオーマウイルスであれば80℃で30分加熱しても生き延びるそうで、パスツール殺菌の牛乳も危険だという。

しかし、牛肉・乳製品に接触していない対照群を得られず、ウイルス仮説の疫学的検証は困難である。

そこでウイルスがあるとして、その病原体との接触を避けるような飼育方法を考えているようで、
また、ワクチン接種という方法もありうるとのことだ。

HPV研究が子宮頸がんワクチンにつながったので、ツア・ハウゼン博士はウイルス原因説にこだわるのかもしれない。
多様な仮説が出ること自体はかまわないが、ノーベル賞学者の仮説だからといって、無批判に信じないようにしたい。

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