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この一週間は、ヴァン・クライバーン・ピアノコンクールで優勝した、辻井伸行さんの話題で大騒ぎだ。
アメリカでは、この優勝を非難するコラムを掲載したメディアもあるが、とにかく日本では、ほぼ大絶賛だ。
去年のノーベル化学賞・物理学賞のときのような騒ぎである。
特にテレビ報道の熱狂ぶりで忘れられているが、実は優勝したのは二人である。
もう一人の優勝者とは、中国の張昊辰(Zhang, Haochen)さんだ。
そして第二位は韓国のソン・ヨルム(Son, Yeol Eum)さんで、第三位は該当なし。
活字メディアでも、張さんの名前を出さず、単に 「中国人ピアニスト」 としているものもある。
日本の通信社も新聞社も、国内向け報道では、日本人以外の情報は無駄だと思っているのだろうか。
日本にも張さんのファンもいるはずなのに、この扱いの違いはどういった判断基準に基づくのだろうか。
張さんの経歴がわからないので、いろいろと検索しているうちに、チャイナネットというサイトに出会った。
http://japanese.china.org.cn/ent/2009-06/09/content_17915299.htm
タイトルが、「バン・クライバーン国際で中国人ピアニストが初優勝」 だから、中国も似たような反応か。
経歴の部分を読んでみると、やはり幼いときに才能が発掘され、英才教育を受けてきた。
【上海出身の張昊辰さんは3歳からピアノを習い始め、5歳の時には上海音楽ホールで独奏会を開催。
2001年、11歳で上海音楽学院付属小学校から深セン芸術学校に移り、第14回ショパン国際ピアノ
コンクールで優勝した李雲迪(ユンディ・リ)さんを指導した但昭義教授のもとで学んでいる。】
今回の決勝に無関係のドイツならば、中立的な報道かもしれないと思い、検索してみた。
ほとんどなかったが、例えば、klassik.com では次のように優勝者2名の紹介を公平に行っている。
http://klassik.com/aktuell/news/teaser.cfm?ID=7119&nachricht=Nobuyuki%20Tsujii%20und%20Hoachen%20Zhang%20gewinnen%20Van%20Cliburn%20Klavierwettbewerb
【Nobuyuki Tsujii studierte sowohl am Tokyo College of Music, als auch an der Ueno Gakuen
University. Im Alter von zw?lf Jahren gab der blinde Pianist sein Deb?t in der Suntory Hall in
Tokio sowie in der Weill Recital Hall der New Yorker Carnegie Hall. Tsujii ist sowohl Gewinner
des japanischen Piano Techers' National Association Wettbewerbs, als auch des All Japan Blind
Students Musikwettbewerbs.
Haochen Zhang studierte an der Shangzhen Arts School und am Curtis Institute of Music im
US-amerikanischen Philadelphia. Im Alter von f?nf Jahren gab Zhang sein Deb?t in der Shanghai
Music Hall. Ein Jahr sp?ter gab er sein Orchesterdeb?t und erhielt den ersten Preis des
Shanghai Klavierwettbewerbs. Im Jahr 2007 war Zhang der j?ngste Gewinner des China
International Klavierwettbewerbs. Au?erdem gewann er jeweils den ersten Preis des International
Chopin Wettbewerbs sowie des Tchaikovsky International Wettbewerbs f?r junge Musiker. 】
張さんは中国国内だけではなく、アメリカの名門、カーティス音楽院でも教育を受けているとある。
経歴では、ジュニアコンクールではあるが、ショパン国際とチャイコフスキー国際で優勝したとある。
今回の大騒ぎで、もう一つ気がかりなことは、障害者が一般社会から認められるためには、
健常者を上回る優れた才能や個性が求められるという、プレッシャーにも似た雰囲気があることだ。
私の姉はダウン症で、ある知能テストでは、10歳の子ども程度の能力しかないと判定された。
それでも歌手の名前や曲名の暗記が得意で、リサイクルショップのレジ打ちを間違えたことは一度もない。
特に明るい接客と、お釣りを間違えないという信頼性は、その辺の高校生バイトより格段に上である。
お店とお客さんにとって、姉が釣銭を絶対に間違えないことは、特に評価できる能力のはずだ。
ただある見方では、レジ打ちを正確に行うことは当然のことで、プラス評価ではなく減点しないだけかも。
姉に、辻井さんやパラリンピック選手のような、健常者にも到達できない才能を期待するのは酷だ。
障害者教育の専門家から見れば、姉の場合にも何か特別な能力を発掘できたのかもしれないが、
今はリサイクルショップで楽しく働いているのだから、本人に向いていることを続けてくれるだけでいい。
今回のコンクール優勝で大騒ぎするのは、いつもの反応だからまあいいとして、
これで意識が向上して、点字ブロックをふさぐ違法駐輪などがなくなるだろうか。
(最終チェック・修正日 2009年06月16日)
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