ドイツ語好きの化学者のメモ

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捏造番組「あるある大辞典供廚Natureでも取り上げられた

「納豆ダイエット」 と 「レタスで快眠」 という捏造をした、
ニセ科学番組 「あるある大辞典供廖,、Nature でも取り上げられた。

"Japanese TV show admits faking science
Programme makers redubbed interviews and changed experimental results."

Nature, 2007, 445, 804-805 (22 Feb., 2007).

この記事は無料公開で、PDFファイルで提供されている(現在は無料公開終了)。
http://www.nature.com/nature/journal/v445/n7130/pdf/445804a.pdf

Nature 各誌の注目記事については、しばらくすると Nature Digest 日本語版に載るので、
英語記事の内容が完全に把握できなかった場合には、待ってみてもいいだろう。

ちなみに2月号では、科学論文での不正行為や査読についての記事が出ている。
http://www.nature.com/ndigest/index.html


科学番組の振りをした情報エンターテインメント番組で、
視聴率稼ぎに利用された科学者たちへの取材も紹介されている。

最初に紹介された被害者の Kim 博士は、アメリカの大学教授で大豆発酵の研究をしているが、
この一件で警戒心が強まったのか、Nature の取材にも、名前や所属を公開しないように求めた。

"One of the victims is Dr. Kim, ...
He spoke to Nature but asked that his first name and affiliation be withheld."

そして味噌の健康への効果について話していないし、番組内容の60%は不正確だと言っている。


「納豆ダイエット」 でのウソの吹き替えの被害者である Schwartz 博士は、
Nature の直接取材には応じず、代わりに大学広報が見解を発表した。


「レタスで快眠」 でも、ネガティブな実験結果が、全く逆に改ざんされたと紹介された。

実験を依頼された教授のコメントは、「健康食品管理士認定協会」 のHPに掲載されている。。
http://www.ffcci.jp/files/255107026722542.pdf


記事の最後のところで、この現象は日本だけのものではないとも述べている。
Nature はイギリスで編集されているからか、自国の番組を紹介している。

「浴槽の水にセシウムとルビジウムを入れると爆発する」 という実験は、
実はそのアルカリ金属の代わりに、火薬を使っていたということだ。


この番組の問題の部分は、今なら You Tube で見ることができる。
ここではリンクを示さないので、"Brainiac Alkali Metals" で検索してほしい。

アルカリ金属と水との反応は、化学のビデオ教材によく出てくるが、面白くないとのこと。

そこで浴槽の水にルビジウムやセシウム入りのアンプルを沈めて、
みんなが安全地帯に非難した後で、浴槽が壊れるほどの大爆発を見せている。

これで、アルカリ金属と水との反応は危険であることを印象付けているようだ。

この番組を放送した Sky One は、これに関してコメントを発表した。

科学者に相談しているそうだが、エンターテインメントであることが優先されたという。
しかも、「オープン・ユニバーシティを期待するなら、チャンネルが違う。」 とまで言っている。


こうなると取材を受ける科学者側も、何か誓約書のような文書を用意したり、
第三者が放送前にチェックできるレビュー制度について考えたりするだろう。

疑う姿勢を忘れずに、疑問を持ったら自分で調べるようにしたいものだ。


ところで日本では、科学ジャーナリズムの Nature で全世界に報道されて恥だという論調のようだが、
イギリスの番組での過剰演出の指摘は、なぜか省略していることがあるのが不思議だ。


記事を客観的に伝えるよりは、「日本国内の捏造たたき」 に利用するためには、
イギリスのテレビ番組のことを紹介する暇はないのかもしれない。

ここでも報道のバイアス・偏見・意図的操作が感じられる。

(最終チェック・修正日 2007年04月14日)

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「中年のフリーター博士」という表現は何だか嫌だな

今日から読み始めたソフトバンク新書は、今月発売の掛谷英紀著、「学者のウソ」 である。

http://www.sbcr.jp/books/products/detail.asp?sku=4797337060

学者や言論人の嘘八百を暴き出す学問論!

文系・理系それぞれにまかりとおる学者のウソの数々に舌鋒鋭く切り込んだ一冊。
どうしてウソが横行してしまうのか、学問やメディアの側の諸問題を視野に入れて論じぬく。]


全部読んでから紹介しようと思ったが、気になる表現があったので、その部分だけ先に取り上げる。

第3章 学歴エリート社会の罠  2 エリートによる「弱者ごっこ」論法

ここで146ページからの、「学歴エリートの『希望格差』」 の項目で取り上げているのは、
山田昌弘著、「希望格差社会」 の166ページから論じられている 「中年のフリーター博士」 だ。

自説の正当化のために弱者を持ち出して、弱者擁護の立場を装う論法について指摘するのが本題だ。

ただ、どうしても、「中年のフリーター博士」 という表現が気になってしまう。

まあ確かに、政府統計では、派遣社員はフリーターに分類されるので、
40歳4ヶ月まで派遣社員だった私は、「中年のフリーター博士」 と言われても仕方ない。


「ポスドク1万人計画」 というものがあって、博士取得者は激増した。
「アメリカ並みに博士を増やせば日本は良くなる」 と、有馬元文部大臣は言っていた。

しかし、「希望格差社会」 での論述によれば、大学や研究機関の常勤職は少なく、
毎年7000人以上の博士が定職に就けず、不安定な職を続けながら、ポストの空きを待っている。

企業も博士を採用したがらず、博士もこれまで研究してきたことを無駄にしたくないと、
研究者であることに変なこだわりを持つために、オーバードクターとして滞留すると考察。

そして、20年後には中年のフリーター博士が10万人を超える規模で出現すると予想している。

更に、博士課程に進まなかった修士や、博士課程で中退した学生を加えると、
「超高学歴フリーター」 とその予備軍の数が膨大になると、山田氏は推論している。


これに対して掛谷氏は、民間企業に就職する博士は、実際には多いことを指摘して反論している。
掛谷氏本人も就職活動をして内定を取っているし、周囲でも民間就職をした人は多い。

私も何回かは、企業側の博士に対する先入観・偏見に戸惑ったことはあるが、
掛谷氏の指摘と同様に、「自分の好きな研究しかできない博士はいらない」 が正しい。

論文を書く研究だけしたいというのは、掛谷氏の言うように 「学歴エリートのわがまま」 であり、
普通に働けば十分な収入が得られる博士を、弱者として取り上げるのは、やはり変な論法だ。


学歴エリートは、自分たちを弱者だと印象付ける作戦を取るようで、
実際に博士の就職のために、多額の予算が投入されることになった。


また掛谷氏は、就職できない博士の人数は、山田氏の予測を大幅に下回るとしている。
そして言論に責任を取る意味で、印税収入の20%を預託し、予測がはずれれば没収されるそうだ。


20年後に私は60歳と定年を迎えるが、そのときに就職できない博士の人数を調べようと思う。


私ももっと、クリティカル・シンキングのトレーニングをして、
このブログでも、いろいろなウソを指摘できるようになりたいものだ。

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嘘つき教授がまた論文で嘘をついた

私がポスドクをした国内私立大学で、実験データの捏造・改ざんを指示されたことは前に書いた。

当時発表された嘘を含んだある速報は、私も共著者であるが、自分の経歴から削除している。

この速報については、雑誌のエディターに抗議したが、印刷後のため撤回には至らず、
「再実験を実施したら同じデータが得られた」 と、再度嘘をついて切り抜けた。

その後に出したフルペーパーとの食い違いは、トラックバックした記事に示したとおり。


もう9年くらい前のことなので、そろそろ忘れてもよさそうなものだが、
ある学会誌の総合論文(日本語)を見て、まだ嘘をつくのかと呆れてしまった。

「最初に不斉合成を達成した」 と、2番目であることは明白なのに、嘘をついている。

この件について、匿名ではあるが、学会事務局に問い合わせメールを送ってある。


今回の嘘は、アメリカの製薬会社が見つけた医薬候補化合物についてだが、
立体選択的合成を行ったことは、上述の速報で確かに報告していた(収率は水増しだが)。

その製薬会社は先に速報で、候補化合物についてキラルHPLCカラムで光学分割し、
一方の立体異性体に強力な活性があることを報告していた。

彼らの速報を見た嘘つき教授は、自分たちが開発中の反応を応用すれば、
一方の立体異性体のみ、選択的に簡単に合成できると考えた。

その後、少量ながら合成できたということで、この製薬会社に手紙を書いたが、
既にフルペーパーを投稿したという返事のみで、当然ながら共同研究は断られてしまった。

そこですぐに速報を出せば、そのフルペーパーよりも先に印刷され、宣伝できると考えた。

しかしJACSは門前払いで、別の速報誌に出したが4ヶ月遅れで印刷となり、目的は達成できず。



この経験がよほど悔しかったのか、今回の学会誌(日本語)での嘘に続いたのだ。

今回の論文では、アメリカ製薬会社の速報のみを引用し、フルペーパーは無視している。

フルペーパーの存在を知っているにもかかわらず、意図的に引用しなかったのだ。

それを引用すると、自分たちよりも先に不斉合成が達成されたことを認めることになるから。

審査員は引用文献まで見ていないし、嘘をついているなんて考えもしないだろう。

それに日本語の論文など、英語しか知らないアメリカ人が読むわけがないと思っているのか。

アメリカの製薬会社には、日本語ができる人材もいるはずだが、抗議されないと考えているのか。

最初に不斉合成を達成した研究者の名誉を守るため、私が代理で抗議しよう。

科学者の倫理規定もできたのだから、学会事務局は何らかの行動をしなければならない。

もし返事もなく、訂正が掲載されなければ、その製薬会社に通告してみようか。

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○○討論会に参加しました

今週後半は九州地方で開催された、化学関係の○○討論会に参加した。

場所は示さないが、学会の合間に博物館を訪ねたり、地元の有名料理も食べたり楽しかった。
マイルもたまり、それにANAのスキップを使ったので、Edy のポイントバックもある。


学会に参加したと言っても、座って発表を聴いているだけ。
一応、ポスター会場ではいくつか質問もした。

これは会社の研修の一つで、仕事に関係ない話も聞いて、新鮮な気分になろうという趣旨だ。
参加費も旅費も出るので、後は報告書を書いて、セミナーで報告する義務がある。


大学の研究現場から離れると意識が変わるためか、バックグラウンドを知らない発表の場合、
内容を把握することが困難となり、有益な成果かどうか、判断できないことも多い。

発表者の話し方が、一度聞いただけでは理解しにくい長文であることの他に、
受託合成という仕事では、自分で追いかけるテーマがないことも、勘が鈍った原因かもしれない。

最近の学会発表では、PowerPoint が標準になったためか、図表はきれいなものが多い。

色も多様だし、3D表示の分子がアニメーションになって回転するものもあった。


ただし強いて苦言を呈せば、見えにくい色や、互いに区別しにくい色を使ったり、
フォントが小さすぎたり、画面に情報が多すぎたり、疑問のある英語だったり。

プレゼンテーションについては、様々な本も出ているし、研究室でも特訓するはずだが。
発表内容を知っている本人は、知らない人に説明する方法に注意しないのかもしれない。


色表示については、色覚異常の研究者の視点から、使うべき色の種類と組み合わせ、
逆に使ってはいけない組み合わせ、そして色を使わずにグラフを表現する例が提案されている。


一画面に情報が多すぎる場合、いったい今は、どこの話をしているのかわからないことがある。

レーザーポインターの光を説明箇所に応じて、ピンポイントで保持してくれれば助かるが、
たいていの演者は緊張のためか、光がチラチラして、どこを指しているのかわからないことが多い。

それに日本人の特徴として、様々な反応例を一つの表にまとめてしまうことがある。

「こんなに多様な実験条件で検討しました。」 と言いたいのだろうが、
あまり情報が多いと、フォントも小さくなり、比較しながら話を聞くのは疲れてしまう。

ドイツ留学中にドイツ人の講演を聴くことがあったが、ある演者のジョークとして、
「日本人のように、多数のデータを表にまとめてみました。」 というのがあった。


日本国内の学会でも、英語で表題や説明を書く研究者は多い。
国際会議や論文にそのまま使えるので、英語で書いた資料をストックしておくのは便利だ。

ただ、英語としては疑問点のある表現が、いくつか見られたのは残念だ。

例えば 「○○塩酸塩」 は "○○ HCl" としていたが、"salt" を省略しても大丈夫だろう。
ただ、塩酸塩を中和して得られるフリー体については、"○○ free" と書いてあった。

最初、「○○を含まないサンプルを用いて、どうやって合成したのか。」 と勘違いしてしまった。
説明を聴いてみると、中和して得られるフリー体のことであった。

せっかく留学生やポスドクが多数日本に滞在しているのだから、添削してもらってはどうだろう。


来年も遠くの学会に参加して、マイルをもらうことにしようか。

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旅費の不正請求の事例分析

文部科学省では、「研究費の不正対策検討会」 というものを作って議論している。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/008/index.htm#gaiyou

その中に、不正に関するアンケートの依頼があった。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/008/gaiyou/06100307/001.htm

私が自分の経験を振り返ると、旅費の水増し請求について、回答を送るべきだと感じた。

そこで日本学術振興会(学振・JSPS)の帰国旅費水増しについて書き、FAXを送信した。

内容から私が特定されるのはリスクだが、8年前に不正の告発をしたのに、
これまで放置していたのだから、私が文部科学省から非難される理由はない。

トラックバックした過去記事にあるように、私は留学からの帰国時に、
旅費水増し分の私的流用を、旅行代理店から提案された。

不正の事例分析にも、旅費について出てくるが、私の流用と同じことをまだ続けている。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/008/shiryo/06092221/001.htm

[旅費に係る不正
〇案概要
旅費の水増し
(例) 正規価格の見積書を大学に提出して概算払いさせ、実際には格安航空券を購入して差額を取得。

・ 実体を伴わない旅費の請求
(例)出張命令が出されているにもかかわらず、出張を行わず、出張報告書を提出して出張したかのように偽った。

動機・使途の例
同行した夫人の旅費の一部に充当
・ 合同会議や懇親会

H生理由
・ 研究者の意識
チェック体制の不備(領収書・航空券半券の不徴収等)

ヂ从例
出張の事実を裏付ける資料の提出
(大学取組例)
・ 出張手続きの改善(出張理由詳細化、出張変更理由詳細化等)
・ 旅費業務の外部委託(チケットの購入から旅費支給まで) ]


学会出張の日程をごまかして、日当や宿泊費を多めにもらう話はよく聞く。

特に航空券の場合、正規料金と割引運賃との差額が大きいので、同伴者の旅費の捻出に利用される。

皆やっているのに、発覚した人はわずかで、まるでいけにえのようだ。


私の事例でも、正規料金は約35万円だったが、16万円台の割引航空券が入手できた。
もし私に同伴者がいたならば、2人分の旅費にすることもできたのだ。

この見積もりだけで支払いをし、実際の金額を確かめないというのは、
税金は自分の金ではないので、節約しようという気が起きないためだろう。

それに割引航空券の利用が知られると、次年度予算の削減根拠に使われる危険性がある。

旅費流用がばれなければ、関係者が誰も損をしないシステムとして重宝される。

すなわち、予算の年度内消化ができて、しかも次年度に削減されることもないから、官僚は喜ぶ。
見積もり通りの売上となるので、旅行代理店も喜ぶ。
同伴者の旅費や、空港までの交通費などが捻出できて、研究者も喜ぶ。

私の指摘後に日本学術振興会では、見積もり金額を研究者に直接渡す方法に変更した。
こうすれば旅費流用の責任は、研究者と旅行代理店だけの責任に転嫁できる。

しかし、航空券半券の確認をすると、暗黙の了解システムが崩れるから、絶対にしたくない。
チェック体制の不備にも責任があるとは、官僚は考えないのだ。

最後に、旅行代理店の課長の発言を引用しておく。

誰も損をしないのに、どうして反対するのですか。

(最終チェック・修正日 2006年10月08日)

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