考えるブタ

私たちはほんとうに現実を見ているのか?

全体表示

[ リスト ]

独断専行

 自衛官の自殺が多い。いじめが多いのだろう。イラク帰りなど紛争地域から戻った隊員にも自殺者がい

る。かつてアメリカでもベトナム帰還兵の自殺や犯罪が多かった。イラクやアフガン帰りの兵士にも自殺

は多い。兵士の教育に問題があるのか若者が弱くなったのか、私にはわからない。だが、日本の自衛官が

軍隊とは言い切れない中途半端な立場にあることが背景にあるような気がする。彼らは軍人ではないのに

軍人のような教育を受ける。陰湿ないじめもある。

 かつて皇軍には「将校下士馬兵卒」ということばがあった。兵卒は馬以下なのだ。葉書一枚の令状で補

充ができる。人はいくらでもいる。馬より簡単だ。下士官は新兵教育で兵隊に向かって「貴様らは一銭五

厘だぞ」と怒鳴り散らす。葉書一枚の値段が一銭五輪だった。今ならなんとひどいことをと思うだろう。

しかし、それは兵士のいのちはいつでも天皇陛下に差し出す準備をさせる教育なのだ。生に執着するここ

ろを断ち切らせる教育だった。つまりそうやって死ぬことを教えたのだ。強い兵士をつくるだけだったら

それは合理的な教育なのだ。「天皇陛下万歳」といって突撃できる兵士ほど強いに決まっている。ちょう

ど「アッラーは偉大になり」と言って突撃することができるイスラム兵士が強いのと同じことだ。ところ

が今の自衛隊は自衛官に死ぬことを教えない。いや教えることができない。もう日本では強い兵士などつ

くれないのだということをよく知るべきだろう。

 これを非人間的だと言うのならそれは軍隊という組織そのものがもつ本質的な非人間性なのだと言うべ

きだろう。それと新兵いじめのようなものを同列にすべきではない。かつての軍隊のすべてが非人間的で

過酷なものだったのかどうか?それは違うだろうと私は思う。軍隊に入ってはじめて白い飯が食えた。飯

の心配をしなくてすんだ。そう言って喜ぶ若者や家族がたくさんいた。兵営は清潔ですべてが整理整頓さ

れていた。生活は規則正しくむしろ健康的だった。命令が過酷かどうか、いじめがどれほどあったかは部

隊によって違う。命令には従わなくてはならない。だがいったん戦闘に入ればロボットのようにすべて命

令で動かなくてはいけないわけではない。「野外要務令」の中に「独断専行」という考え方が出ている。


「凡ソ命令ハ服従ヲ要ス、然レドモ其実施ニハ独断ヲ要スル場合少カラズ、此服従ト独断トハ正ニ相反ス

ルモノノ如シト雖モ、其実ハ則チ然ラズ」

 これは組織論の基本だろう。軍隊は独断専行を認めていた。ただし実際にそれがうまくはたらいたかど

うかは別の問題だ。おそらく良き上官は部下の特性や能力を見抜いてこれを生かすように教育し指揮する

ものだろう。今の自衛隊に自殺者が多いということはその上官がなにを考えていたか、その自衛官に対し

てどういう姿勢を持っていたかが問われていいことだと思う。

この記事に

閉じる コメント(9)

顔アイコン

「自衛官の自殺が多い」という場合は何と比較して多いのだろうか?
普通の会社員に比べて多いのだろうか?
一般公務員と比べて多いのだろうか?
現在、日本人全体の自殺そのものが多くなっている。

2008/9/13(土) 午前 10:39 [ ysigle ] 返信する

顔アイコン

一般公務員の2倍と言われています。しかも最近急激に増えているといわれています。多い少ないは何を母集団に考えるかでちがうでしょうが、自殺というものがありそうにない自衛隊という組織でそういう状況であるということは何を意味するのか?私も考えているところです。ありがとうございます。

2008/9/13(土) 午後 0:00 [ masahito2117 ] 返信する

顔アイコン

平和国家に生まれ変わった場所での軍人の心のあり方、矜持は私には量ることはできません。昔、子供の頃、剣道の合宿で駐屯地へお邪魔させていただきましたが。高校生でも泣きがはいる過酷なものでした。日程消化した後、二度とここへはこないぞと誓ったものです。その後、何度もひっぱってこられましたが…(T_T)なのであんまり軟弱とは言えないと思うのです自衛隊。
自衛隊と言えども精兵を作り出す組織です。ドーンと鳴ってワーと泣くならカエルでも務まります。お互いを磨いて潰しあう獣と鋼の組織に不適合者があれば排除されるのはお決まりです。弱ければ出て行くかつまはじきにされるか死ぬかが鉄の掟です。
靖国へ行って護国の鬼となる覚悟も無いヤツが自衛隊へ入って欲しくないものです。
守られる側として…言っちゃなんですけどw

2008/9/13(土) 午後 0:20 [ スケさん ] 返信する

顔アイコン

スケさん、軍隊というのはそういうものでしょう。しかし、自衛隊は本当の軍隊とは言えない中途半端な存在です。自衛官に死にに行け,とは言えない組織です。にもかかわらず訓練は軍隊そのものです。覚悟ができてないことを責めることもできない。軍隊にいじめなどというものは本来存在しない。しかし裁判にもなりましたがいじめとしてとらえられる。それは自衛隊の内部が世間と同じような人間関係でしかないからだろうと思います。自衛隊が憲法上矛盾した組織であるというばかりではなく、その内部組織がそもそも矛盾をかかえているということが大きな問題だろうと私は思っています。ありがとうございます。

2008/9/13(土) 午後 3:47 [ masahito2117 ] 返信する

始めまして。
自衛官の自殺ですが、その仕事に誇りを持てなくするような工作活動が問題の一つだと思います。
一部の市民団体、学校教育などは「人殺しの集団、人殺しの訓練をしている」などと非難していますがそれは違いますね。例えば家族や大切な人、土地を守るために力をつけることが人殺しに直結しているわけないんですから。

2008/9/13(土) 午後 11:20 [ 無限 ] 返信する

顔アイコン

インフイニトさん、「仕事に誇りをもてなくする」というのはそうなのかもしれません。事故も多いし、機密漏洩も多い。イージス艦の機密漏洩事件や接待問題などを見ると世の中の風潮がそのまま隊内に持ち込まれているような気がしますよ。覚悟のない人々が組織の中でそういうようになっていくのは当然のような気がします。ありがとうございます。

2008/9/14(日) 午前 9:03 [ masahito2117 ] 返信する

顔アイコン

確かに、生に執着するから、自殺者が出るのかもしれないですね。木庵

2008/9/16(火) 午前 0:16 [ 木庵 ] 返信する

顔アイコン

takさん、戦って死ぬことを名誉と考えたむかしの軍隊では自殺者というのはそんなにいなかったんじゃないかと思います。今は世界中で多いですね。アメリカは特に多い。訓練の中での懲罰や見せしめを裁判所はいじめと考えます。そういう中で強い歩兵を育てるということは不可能だと思います。現代世界における軍隊そのものの存在の意味を根底から問い直す必要があると思います。ありがとうございます。

2008/9/16(火) 午前 8:14 [ masahito2117 ] 返信する

顔アイコン

アメリカでも、日本でも、軍人の、現役者、除隊者の間の自殺が増えています。人間らしい気持を持ち続ける人々ほど悩みます。
人間でなくなったとき、ようやく軍隊生活が続けられのではないでしょうか。元日本兵の証言もそれを裏付けています。人間の心を返せ!

2008/9/17(水) 午前 10:11 [ 琵琶 ] 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

開く トラックバック(1)


.


みんなの更新記事