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『誰も語らなかった中原中也 』(PHP新書 461) 福島 泰樹著
〜 時代を映す、優れた詩人の感性〜
全体の構成内容は次のようになっている。
(1)濫觴・中原中也ーダダイズムとの出会い、詩人の出立を告げる「朝の歌」、宮沢賢治を髣髴させる詩、弟の死と魂の交換…喪失、そして黙示の秘技。
(2)新説・中原中也ー高森文夫と中也の出会い、本居宣長『直毘霊』の精神と「憔悴」の詩法、武蔵の「独行道」を唱えていた中也…武芸人宮本武蔵への道。
(3)動乱・中原中也ー高森兄弟と三人の共同生活、小林秀雄という恋敵、結婚、そして『ランボウ詩集』刊行、処女詩集『山羊の歌』の刊行…魂の危機を救ったもの。
(4)発見・中原中也ー中也が訪れた山村東郷村、高森文夫宛の葉書、「俺と二人で製材所をやろう」、中原と高森の詩の比較、詩人であることの矜持…青春のように悲しかった。
(5)哀傷・中原中也ー芭蕉の生き様に惹かれる、月と蛙をテーマにした作品、小林秀雄への屈折した想い、神経症治療と思索の日々、求道者の到達点…芭蕉、蛙声の意味するもの。
特に最後の「蛙声の意味するもの」に注目したい。
蛙声
天は地を蓋ひ、
そして、地には偶々池がある。
その池で今夜一と夜さ蛙は鳴く…
−あれは、何を鳴いているのであろう?
その声は、空より来り、
空へと去るのであらう?
天は地を蓋ひ、
そして蛙声は水面に走る。
中也が「蛙声」で最後に表現したものは、この危機・動乱の時代への嘆き、ひいては【永劫回帰を繰り返す天と地そして人間の運命】と深く意味づけて受け取っている。
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ん?‥‥この本、中也を少しかいかぶってません? 天才詩人であっても、青春から這い出して、まだ、たぎりの最中である青年ですよ、還暦のボクがまだ餓鬼でいるのに、そんな若さで、果たしてどこまで天地や運命を実感できましょうや。
2008/6/22(日) 午前 1:39
<天才畏るべし> 天極の隠された世界を垣間見るのは万人のよくする業ではなく、凡人は所詮徒に年を食うのみ 一見芸術と縁のない科学の世界においても、着想はせいぜいが30までと言われる所以です 僅かに絵画と陶芸の世界に円熟が期待されるのは、ことが職人芸と不可分だからでしょうか(鉄斎の絵を愛した小林秀雄が、終始職人に深い敬意を払ったことは示唆的で、彼にとって、ゴッホは遂に画家ではなかったのです)
2011/6/2(木) 午前 1:50 [ floraamica ]
薀蓄を傾けた貴論に学ぶところがあり、感銘を深くしております。思いがけずコメントをいただき、ありがとうございました。
2011/6/2(木) 午前 6:03