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『月下の一群』堀口大学の訳詩集。1925年(大正14)第一書房刊。既刊の訳詩集『昨日の花』(191
8)、『失はれた宝玉』(1920)、『サマン選集』(1921)から選ばれた作品とその後の新訳をもって構
成され、象徴派から20世紀初頭の現代派に至る66人の詩人の作品340編が掲載されている。特ににアポリ
ネール、コクトー、ジャコブ、サルモンなど、当時のもっとも前衛的な新精神の詩人たちを紹介しち意
味は大きい。文語と口語の硬軟新古の語を自在に駆使した訳詩は、フランス近代詩のエッセンスを伝え
る見本。 上田敏の『海潮音』と並ぶ、雅趣豊かな訳詩集。
大正14年、第一書房から刊行されたこの秀逸な訳詩集は、日本の現代詩に多大な影響を与え、多くの読
者に愛読され続けてきた。訳者堀口大学自身による度々の改訳のあと、著者満60歳、全面にわたり改
訳洗練された。以下、初版本による原詩の一部を紹介する。
耳
私の耳は貝のから
海の響きをなつかしむ
シャボン玉
シャボン玉の中へは
庭は這入れません
まわりをくるくる廻ってゐます
上の有名なジャン・コクトーの短詩もこの詩集に載せられている。
そして又、ヴェルレェンの次の詩もこの詩集に…
われの心に涙ふる
巷に雨のふるごとく
われの心に涙ふる
かくも心に滲み入る
この悲しみは何ならん
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<著者満60歳、全面にわたり改訳洗練された>とは、無論『月下の一群』のことでしょうが、この昭和27年白水社版の後も推敲は続き、一応の擱筆は最晩年の筑摩版『全詩集』を待たねばなりません(昭和45年刊)何せ彼には「新版改版の機会が与えられるたび、必ずと言っていいくらい、旧訳に不満を見出し、手を入れるという久しい性癖があ」ったからです
2011/9/25(日) 午前 1:07 [ floraamica ]