勝手にメディア社会論

メディア論、記号論を武器に、現代社会を社会学者の端くれが、政治経済から風俗まで分析します。テレビ・ラジオ番組、新聞記事の転載あり

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オタクの老後

オタク第一世代はもうすぐ50

オタクという言葉が初めて指摘されたのは83年。エッセイストの中森明夫がコミケで相手のことを名前や「キミ」などと呼ばず、「おたく」と呼んでいたころから名付けられたのがその始まりだが、この時、オタクと名指しされた年齢が二十歳過ぎの若者だった。と言うことは、オタクはそろそろ50代を迎えようとしている。そして、オタクは今や「社会的性格」、つまり日本人のほとんどが「オタク成分」を含有するようになった。2005年の野村総研の試算によれば、オタク市場はなんと2800億。そして、日本人がこれからもどんどんオタク成分を増やしていくと言うことを考えると、もはやオタクというのはある種の文化と言ってよいだろう。そういえば自民党総裁選候補も麻生=マンガオタク、石波=軍事オタクみたいな売り込み方をやっている。時代は、今やオタクなのである。

では、もう十年すると

で、単純なことなのだがあと十年経つとオタクは60代に達することになる。そう、いわゆるシルバー世代への到達だ。しかし、しかしである。オタクは若者だけに該当するものではもはやないので、60代になってもオタクはオタク。その成分を保持し続けるだろう。つまりマンガ、アニメ、フィギュアなどサブカルチャー、消費物に戯れ続ける。そして後続世代もすべからくオタクとなるだろうから、その頃オタク市場はとっくに一兆円を超えているはずだ。そんでもって、たとえば秋葉原は渋谷や銀座よりはるかに最先端でファッショナブルなプレイスとして位置づけられているなんてことも考えられる。

とはいっても60代というのは、一般には仕事リタイヤ。余生である。つまり、オタクのまま結婚し、子供を産み、子育てを終える年齢。だが、繰り返すようだが、「おたく」スピリットだけは現役のままだろう。

シルバー・オタク市場の出現

僕は90年代初頭、マンガ世代は年をとってもマンガから離れることはなく、それに併せて新たな市場が生まれるだろうと雑誌に書いたことがある。その時、予言したのは「少年ジャンプ」「ヤングジャンプ」に続く高齢者向けマンガ雑誌「シルバージャンプ」の出現だった。だが、この予測は外れた。つまり「シルバージャンプ」は創刊されなかった。が、しかしである。これは実はとっくに出版されていると言ってもイイ。なんのことはない。「ヤングジャンプ」の読者層があがっていくという現象が起こったからだ。いやいや、それをもっとも如実に示すのが「ビッグコミック」だ。ここにはオタク第一世代が親しんだマンガがいまだに連載されている。「浮浪雲」、「ゴルゴ13」,そして「課長島耕作」改め「社長島耕作」。これって、とっくに「シルバージャンプ」状態。こうなると全世代に渡るオタク市場の中に、第一世代向けオタク市場もまた登場することになる。

「オタク老人ホーム」の提案

で、こういった高齢化したオタクのために、こんなサービス業を始めたらきっと儲かるのでは思うものがある。それは「オタク老人ホーム」だ。つまり、特定のオタクに対象を特化した老人ホームを建設し、そこにオタクたちを収容するのだ。たとえば鉄道オタク向け老人ホーム。もうここは鉄っちゃんだけが入居を許される施設とする。もっとも鉄っちゃんだけでは幅が広いので、さらに分野を狭めて Nゲージ専門とかにする。

で、施設も完全にテーマパーク化し、外観内装とも鉄道で溢れた施設にする。館内にはNゲージのレールが所狭しと敷かれている。当然、ジオラマ部屋も用意。入居者は採用試験を実施。また、すべてのコレクションの持ち込みを許可する。

さて、こうなると世の鉄っちゃんたちは、老後を「余生」として老人ホームで過ごすなどとは考えなくなる。むしろ、あの老人ホームでひたすら鉄っちゃんを続けよう、しかも同好の士ばかりで構成された場所で、と考えるようになるのだ。もう毎日がNゲージ状態。こりゃ、間違いなく楽しくてたまらないんじゃないか。ようするにオタク魂を炸裂させながら、気がつけば死んでいたというハッピーな環境を作ることが出来るのだから。

ただし、死亡の際には自らのコレクションの全てを施設に寄付するとう誓約書を書かせる。そうすることでこのNゲージ老人ホームは博物館=アーカイブと化し、それがますます後続の鉄っちゃんたちの人気を集める理由となる。そして、この管理者がやはりオタクによって担われる。こうなると、これを経営する側も施設に付加価値を与えることが出来るわけで、事業の運営としても好都合だ。なんといっても、オタクたちは自らが牴触する分野への金銭の投入には惜しみないという傾向もあるわけで。で、この手のオタク老人ホームを細分化させて、様々なジャンルのものを用意する。価格は高めの設定でイイ。オタクたちは、全財産を投げうって、この老人ホームに入居しようとするはずだ。

いやいや、さらによ〜く考えると、こんなことも言える。
このオタク老人ホームのアーカイブは時代とともに膨大なものとなり、まさに老人ホームが「オタクの殿堂」となっていく。で、これって究極の文化じゃないの?こうなると先ず、世界中の鉄道オタクが日本の老人ホームで余生を過ごすことを目指す。そして次に、資本はこれをビジネスチャンスと捉え、このオタク老人ホームは世界フランチャイズ化していく。ということはオタクの「老人力」を媒介として世界中にオタク文化が普及するのだ。こうなると百年後、今のヨーロッパやアメリカを凌駕する文化輸出国日本が誕生しているかもしれない。もちろん世界に誇るOTAKU Cultureとして……。

どなたか、こんな老人ホーム、そろそろ考えませんか?

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いいですね〜これ。是非、入りたいですw

2008/9/22(月) 午後 8:03 narucyan312

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↑のオタク老人ホームの話面白いです 削除

2008/9/24(水) 午後 10:18 [ 書き込み2番目 ]

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