ウブド極楽生活

バリ島ウブドから発信しています。

プリ サレン

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ワンテランと、ジャランスウェタをはさんでウブドの真ん中にあるのが、ウブドのランドマーク「ウブド王宮」別名プリサレンです。中庭まで入ることができるようになっていて、昼間は見学の旅行者で賑わっています。最近は中国人ご一行様大撮影大会になっていることが多いです。

ダンスの定期公演も本来はこの、ウブド王宮中庭で行われます。でも今は雨季。突然雨が降ってきたりすることもあるので、最近は屋根つきのお隣ワンテランに会場を移すことも多いのですが、ここ、ウブド王宮で、かの有名なレンパッドの手によるリッパな彫刻のある割れ門をバックに行われる定期公演の雰囲気は、実にウブドらしい独特のものがあっておススメです。

日曜日の午前中はこの中庭で、子供達のダンスのレッスン風景が見られます。上手な子も、習い始めたばかりでまだ振りが覚束ない子も、みんな一緒に踊ります。未来のスターがこの中からでてくるのでしょうか。

さて、このプリサレン、観光客に開放している部分はこの、入り口入ってすぐの中庭部分だけなのですが、実はプリサレン、宿をやっているということご存知でしょうか。ホームステイといってもいいような質素な宿泊施設ですが、今から20年くらい前は人気の宿でした。なんせウブドのど真ん中というロケーション、それに王宮の中に泊まるというめったにできない体験。20年くらい前にウブドにやってくる旅行者というのは、まず間違いなくウブドの文化、とかバリの宗教、とか、そういったものに興味を抱いている人ばかりでしたので、数部屋しかないプリサレンのこのお宿はいつも予約でいっぱいだったものです。

それがいつの頃からかウブドに来る旅行者の求めるものがかわってきちゃったのに伴って、ここプリサレンに泊まるというお客様もだんだん減っていっているようです。圧倒的な渓谷の景色も、広がる田んぼの風景もなく、スパもレストランもプールも、もちろんWIFI対応なんかじゃない、まあ言ってみれば普通のホームステイですから、バックパッカーという言葉がほとんど死にかけている最近のウブドじゃ、それもしかたないのかなとは思うのですが。

でも、このプリサレンのお宿、「古き佳きウブド」を体験したかったらまさにここです。宿に入る小さな門をくぐった時から、不思議に中は静けさに包まれていて、時間が止まっちゃってるみたいに思います。部屋の設備はとってもシンプル。でもバスルームも清潔だし、古いけどきちんとリノベーションもしているし、なんとエアコンもついてます。部屋の前にはもちろんテラスがあって、ここに昔ながらのアルミ製のポットにお湯、そしてコーヒーなどを用意してくれます。王宮だけあってさすがに建物の彫刻などはこれはもうそんじょそこらのおうちとは違う、まさに一見の価値ありの凝ったものばかり。

思えばカフェロータスのお隣のプリサラスワティも、20年前はこんな感じのお宿だったのでした。歴史があるっていうのはいいね。外はどんなに変わっても、中は変わらない誇り高さのようなものを感じます、プリサレン。

まあ、とは言うものの、この「誇り高さ」は別の言葉で言えばとっつきにくさでもあり、バリの文化や宗教をまったく知らない人がここに泊まって、楽しめるかといえばそれはちょっと微妙かもしれないんだけど、「変わり行くウブド」の中心に、こうやって「変わらないウブド」がある、というのは、私なんかにとってはやはりひとつの「安心」になります。

プリサレンのお宿、泊まらなくても見学はできます。お散歩のついでにちらっと立ち寄ってみてはいかがでしょう。中庭部分は中国人観光客でごった返していてもここまで入ってくる人はいない。外は賑やかなはずなのに、なぜか宿の敷地に足を踏み入れたとたんに、違う空気を感じます。ここにきっといろいろな人が泊まったのでしょうね。その中にはきっと高名な画家や作家やアーティストもいたはず。そんな歴史の囁きが、聞えてくるような場所です。

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ワンテラン

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プラデサのお隣にあるのが、ワンテラン。つまりウブドの集会所。

バリでは必ずバンジャールごとに集会所があります。ここはバンジャールウブドカジョの集会所。集会所といえば人が集まるところです。20年くらい前は、バリに来て、当時の飛行機は夜の8時頃デンパサールの空港に到着したので、それから迎えの車に乗ってウブドへ向うその車中、通り過ぎる村ごとに、集会所に人が集まってテレビを見ていたりしたものです。暗闇の中にぼぉっと青い光と共に浮かび上がるそんな風景が思い起こされます。が、しかしそんな風景も今は昔。今じゃほとんどのおうちにテレビの1台や2台、あるものね。

バンジャールウブドカジョの集会所は広い。で、場所が場所だから、バンジャールの集会だけじゃなくていろんな、ウブドで行われる行事の会場になったりします。ダンスの定期公演の会場にもなります。年末年始やガルンガンクニンガンの頃は、バザールの会場にもなります。バザールっていうのは、村でなにかお金が必要になった時、たとえば道を直すとか、お寺を修理する、とか、そういう時の資金集めのために村で主催して行う、まあ言ってみれば学園祭模擬店みたいなノリのもので、高いビールやコーラにアヤムゴレンだのサテだのナシゴレンだのを出して夜通し飲み食い時にはヘタなバンド演奏にカラオケ大会なども付いている、というなんともチープだけどやけにそそられるものです。バンジャールウブドのバザールはなんせこの、ウブドどセンターのワンテランで行いますので、旅行者も面白がって入ってきたりするからきっと売り上げも結構な額になるんじゃないかと思いますね。最近はウブドのもっとはずれの方の村でも、このバザールを行う時にバンジャールウブドのこのワンテランを借りて行う、ってこともあるみたいです。自分ちの村でやるより、どセンターのワンテランでやる方が、お客さんを集めやすい。ワンテランの借り賃払ってでもそっちの方がいい、ってコトなんでしょうね。

もちろんバンジャールウブドでなにかある時はそのための準備の場所になります。なんせバンジャールウブド、ほかのバンジャールに比べてその「なにか」が多い。ほぼ1年おきに今世紀最大の葬儀をやってるし。そんなときにはここに男衆が集まる日、女衆が集まる日、かわりばんこにお供え物づくりで大賑わい。観光客など眼中にない、といった感じで、せっせと仕事に励むバリの人たち。バリ人が怠け者だなんて誰が言った!って言いたくなる光景だね。

なにもない時はがらんとしてるけどそこに一日中誰かしらたむろしています。一番多いのはウブド一日観光にお客さんを連れてきたガイドや運転手が隣のイブオカでご飯を食べたあとで、ここで時間をつぶしている姿。こういう人たち相手に籠の中にスナック菓子や果物、コピなんかを用意して、売っているお姉ちゃんやおばちゃんたちもたくさんいます。

村のお年寄りがなんの用もないのに座っていたりします。ちょっとどこかのネジがゆるんじゃってるみたいなおじいちゃんも、時々います。なんかぶつぶつつぶやいているおじいちゃんとかもいたりする。いろんな人がいる。こういういろんな人が特になんということもなくいられる場所っていうのが、町の中心にあるのって、私はいいなと思います。

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プラデサ

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さて、2週間に渡ってご紹介してきた、「チャンプアンからウブドまで」今日からはその終点となるウブドセンターをご紹介していきます。

カフェロータス、アリーズワルンを過ぎて、ジャランカジェンを横目に進めば、もうそこはウブドセンター、つまりウブドの中心。サークルKがあって、ヌサドゥアからやってきたレストラン「ココビストロ」があって、そしてその横には「パディコレクション」」というお洋服や雑貨を売るお店、このお店もとってもきれいな作りで、やっぱりレギャン通りにありそうなお店です。

こういうふうに「別にウブドじゃなくたっていいのに」というお店がどんどん増えていったここ1-2年のウブドなんですけど、それでもウブドがウブドらしい雰囲気を保っていられるのは、ここウブドセンターに「プラデサ」「ワンテラン」「ウブド王宮」そして「パサール」があいかわらずしっかりと存在しているから。そんな気がします。

まず、スターバックスとジャランカジェンをへだてて、最初に現れるのがウブドの「プラデサ」。本当にウブドのどまんなかにこういうお寺があるというのは、とってもウブドらしくていいなと思いますね。お隣にはサラスワティのお寺もあるしね。

プラデサのオダランの時は特にいいですね。夕方から人々がどんどん集まってきて、プラデサ付近は大賑わいになって、交通がすっかり麻痺してしまって、まあそうなると、ジャランラヤウブドほとんど通行止め、みたいな雰囲気になっちゃうんで、うちの店へ来る人もいなくなっちゃってそれはそれで困るのだけど、でもそういうのはもう、ここではしょうがないと思います。私は「大型バス渋滞」には怒りますが、「オダラン渋滞」もしくは「オダラン通行止め」は怒らないんです。それは、バリには必要なことだから。

ジャランラヤウブドに面したプラデサの塀は低い。なので外からお寺の中をのぞくことができます。オダランともなるとこの塀の外側にずらりと並んだ外国人旅行者が、興味深そうに中をのぞいている。もちろんみんなカメラ構えてばしゃばしゃ写真撮ってます。そんなのも、バリ人はいっこうに気にしない。お祈りの妨げになる、とか、神様と向かい合うのに集中できないのでは、などと考えるのはある意味余計なお世話で、バリ人はあんまり気にしていないように見える。いや、気にしていないという次元ではなく、そこにいる外国人旅行者などまったく「いないもの」にしてるみたい。外がどうであろうと、淡々と自分達のやるべきことをやっている姿は、とってもすがすがしく思えます。で、もちろん「本当に写真に撮られては困る神事」については、こんな外から見えるところではけして行わないのです。

とってもバリっぽい。

大竹昭子さんの「バリの魂バリの夢」の中の「バリ再訪」の部分に、このプラデサのオダランについて書いた箇所があります。大竹昭子さんがこれを書くためにウブドに滞在していたちょうどその時、プラデサはカルヨアグン、50年に一度のオダランを迎えていました。カルヨアグンともなると普通のオダランとは違って期間も長ければ、普段見たこともないような儀式も毎日あれやこれやと行われます。そのたびにジャランラヤウブド、時にはジャランスウェタまで通行止めにして、お寺の中に入りきれない人たちが路上に座って儀式の進行を待つ。偶然その中に入り込んでしまった大竹昭子さんは、しばらく儀式の進行を待つ人たちと一緒に座っていたのだけど、いつまでたっても終わりそうもない、次の動きに移りそうもないのでしまいにあきらめてその場を立ち去るのですが、あとになって時計を見て、思ったよりもずっとずっと長く自分がそこに座っていたということに驚く、と、そんなくだりです。

そういう経験は私にもあります。オダランに参加して、「なにかを待つ」時間。それは実はとても長いのだけれど、その場にいるとなぜかその長さを感じないのですね。ずっと以前にある村のオダランに参加して、それはちょっと特別な奉納舞踊があるというオダランだったのですが、その奉納舞踊の前にはそれはそれはたくさんの「手順」を踏まなければならず、それらをずっと見学していた私。いよいよ奉納舞踊が始った時私は「ああ今10時くらいかな。ウブドに戻って影武者のラストオーダーに間に合うかなあ、どうかなあ。。。」などと考えていたのですが、あとから時計を見れば、その時点ですでに12時近くになっていたのでした。

こんなふうに、オダランでの時間の流れ方はちょっと普通と違う。そんな時間の流れ方をもたらすお寺、というものが、どまんなかにあるウブド。周囲にどんなお店や建物ができて、たたずまいが変わって行こうとも、ここ、ウブドの中心だけは、変わらない時間が、もしかしたら流れているのかもしれないね。

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