鋳物豆知識

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「こんなものも作るんですよ・ミッションケース試作」

先週は真夏の様な気温になったり
 
雹が降ったりした地域も有り荒れた天候でしたが
 
今週は一週間晴れの穏やかな天気の様です
 
そして明日は数十年ぶりの「天文ショー」
 
『金冠日食』ですね
 
仕事前に屋上に上がって溶接眼鏡で観て観ようかと・・・
 
もう二昔も前になるでしょうか
 
国内屈指の農機具メーカーの依頼で
 
農機具のミッションケースの試作品を作りました
 
この試作品からダイカストの金型を起こします
 
勿論精度の高い鋳物を作らなければなりません
 
以前勤めていた会社はこう言った製品が得意です
 
僕が勤めていた頃は手掛けていませんでしたが
 
30年ほど前から少しずつやり始め今は100㌫こう言った仕事です
 
弊社でも25年ほど前に同業者の依頼で美術鋳物として
 
この方法で製作した事が有りますが
 
ダイカストの試作品としては初めてのトライ
 
余り手掛けた事は有りませんが以前勤めていた会社へ
 
何度も出張で行きますので見よう見まね、門前の小僧
 
で方法は解っていました
 
問題はそれだけの精度の木型を作れるところが有るかどうか
 
幸、高校の後輩が腕の好い木型屋でしたので見積もりを取りました
 
依頼会社も合い見積もりを取っていて
 
納期の差で受注出来ませんでした
 
木型も出来上がり鋳型製作に掛ります
 
勿論砂を使いますがこの砂は特殊なセラミックス系です
 
本来アルミ砂型鋳物は凝固の際12/1000縮みます
 
しかしこの砂は4/1000しか縮まずそれだけ
 
精度の良い鋳物が出来ます
 
当時職人さんは3人いましたがこの技術を持っているのは
 
僕だけでしたので特命で作業に掛りましたが
 
右左二点を製作し合わせてミッションケースにします
 
どうしても片方だけ型が潰れてしまい鋳物になりません
 
僕の作業方法が悪いのかと思いましたが弊社の木型屋さんに
 
木型を調べてもらいましたら木型が合っていませんでした
 
木型を修正して試作の五セットを作りました
 
イメージ 1
 
農機具は春先に展示会をします
 
弊社のこの製品はこのままミッションケースとして
 
デモ機にそのまま取りつけられたそうです
 
勿論、破格の値段で買い上げてくれました
 
バブルが弾け追い打ちをかけるように
 
リーマンショックが訪れ更に円高で
 
国内の製造業は苦境に立たされています
 
ここ数年近隣の同業者もかなり廃業しています
 
受注する鋳物は単価も採算ぎりぎりもしくは赤字のものも
 
形さえ出来れば好いという鋳物は価格の安い海外へ・・・
 
近隣の鋳物やさんではこの製品は多分作れないと思います
 
美術鋳物で作った物は近隣の大手同業者の商談室に
 
如何にも自社製とばかり展示されています
 
この商売で生き残っていくのは精密鋳物を作るしか
 
販路を見出せない時代になってきています
 
しかしながら地方の客先は見積もりをしても値段を見て
 
高価なの受注に至りません
 
精度が高ければ機械加工の工数も値段も抑えられて
 
結局は自社の利益につながると思うのですが
 
その辺を理解させ説得できない僕の営業力の弱さも有ると思いますが
 
発注者も発想の転換と将来を見据えて欲しいと思います
 
「こんなものも作るんですよ」
 
今回は精密鋳物に付いて御話し致しました
 
本日も最後までご覧頂き有難うございました

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「こんなものも作るんですよ・浸透検査」

連休後半の幕開けは台風並みの大雨で伊豆の山間部は
 
降り出しからの総雨量が700㍉近くとなり外出も儘ならず
 
お陰で一日一歩も外へ出ずゆっくりしました
 
さてと
 
昨年秋から復興特需で漁網巻き取り機の製造が増えました
 
機種も多いので色々なものを作ります
 
その中でも巻き取り部を駆動させるギヤケースは重要な部品です
 
型が鉄でできている「金型」へ溶けたアルミを流し込む
 
グラビティー・ダイカストという方法で製造しています
 
イメージ 1
 
裏表の画像ですがこの中にギアーが組み込まれ潤滑油として
 
グリスが封入されます
 
半固体の油が入りますので勿論油が漏れてはいけません
 
注意を払って鋳物を製造していますが
 
200個以上作りますので中には出来の良くないものも有ります
 
不良品は勿論納品できないので事前に漏れの検査をします
 
イメージ 2
 
本来この検査は液体の粘度の少ないオイル用で粘度の強い
 
グリスが液体になる事は無いので此処まで必要はないと思いますが
 
日本の製品の信頼度は高く設定されていますね
 
油の漏れは鋳物の「巣」と言う穴や亀裂から漏れだします
 
肉眼では判断しにくいので液体を塗りそれが浸透してくる
 
現象を利用して行います
 
市販の探傷検査キットは有りますがこれは3液を使用して
 
傷や巣に入った液を現像液を使い浮き出させる方法ですが
 
これは時間も手間も掛るので弊社は一液式
 
イメージ 3
 
左下の赤い部分から浸透液が漏れています
 
この部分に巣もしくは亀裂が有ります
 
自家製浸透液の作り方は
 
市販のガソリンにマジックインキの補充液を混ぜたもの
 
これで余り肉の厚くないものの欠陥は略発見する事が出来ます
 
メーカーの検査はもっと厳しく
 
製品に石鹸水を塗り裏から空圧を掛けます
 
浸透検査で発見できなかった欠陥もこれなら完璧に出来ます
 
どんな製造物も製造者は100㌫を目指しているものですが
 
中には不良品も出来ます
 
こんな方法で納入品不良ゼロを目指しています
 
本日もご覧頂き有難うございました

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「こんなものも作るんですよ・手込から機械込めに」

午前中は日も差しましたが
 
午後からはしとしとと雨が降り出し
 
一雨ごとに気温も下がってきますね
 
でも週末は良い御天気になりそうです
 
御承知の通り復興事業の一環として漁業関連の機械が
 
桁違いの数で発注されてきています
 
今朝のニュースで見たのですが壊れた漁船は
 
12000槽だそうです
 
その中のYAMAHA製の漁船に付く装置を作っています
 
震災前は二カ月に一度五セット程でしたが
 
一挙に四倍の数になりとても人が手作業で作っていては
 
間に合わないので弊社で機械込め用の型に改造しました
 
イメージ 1
 
イメージ 2
 
ヒトデの様な型と傘の様な型で背中合わせに接合されて
 
船の錨を巻き上げる部分になります
 
イメージ 3
 
イメージ 4
 
作り方を説明するのは少し難しいですが
 
上型、下型の間にプレートを挟みプレートの分だけ
 
上下型を持ちあげてそこにアルミを流し
 
一体で機械込め用の型にします
 
両側の三角形の部分にガイドが入りそれに沿って
 
プレートごと型を上げますので誰にでも造型する事が出来ます
 
この方法により一日に以前の4倍の型が出来ます
 
省力化と能率アップ、産業廃棄物はゼロになりました
 
欠点はオールアルミ製ですので型が重く
 
現行の木型を利用すると製品は木型より24/1000小さくなります
 
最近はこういった方法で木型を作れる技術者が居なくなりました
 
僕辺りがもう最後になるのかもしれません
 
亡くなった職人さんの制作風景を見て覚えておいて
 
良かったと思いました
 
本日も御訪問頂き有難うございました
 
 

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「こんなものも作るんですよ・グラビティーダイカスト」

先月から東日本震災の復興事業でキャパシティーを
 
遥かにオーバーしている仕事を受注しています
 
主には漁船の漁網を巻き取る機械の関連部品と
 
環境整備機器(側溝を消毒する機械)です
 
その上他社の仕事も入り取引先全ての会社の仕事が
 
この11月に集中してしまいました
 
特に復興事業は国絡みの仕事ですので待ったが効きません
 
毎日仕事の順番、段取りに頭を悩ませています
 
そんな漁網巻き取り機の部品を取引先の依頼で
 
金型(グラビティー・ダイカスト)で製造する事になりました
 
弊社は昭和60年に私が修行に行っていた会社と一緒に
 
自動金型鋳造機を導入しました
 
この機械は金型が上下、左右、可傾の三方向に可動します
 
イメージ 1
 
イメージ 2
 
この製品を製作し始めた時には不良の連続で一向に
 
金型の安く、早く、綺麗にのメリットを出せぬまま
 
十年の月日が流れました
 
当時私は専務でしたのでこの製品を受注して製作すると
 
不良品が多くあちこち金型をいじり回しましたが
 
良い方向へ向かわず社長によく窘められたものでした
 
そんな時に可傾が可能な事を思い出し型を水平にして
 
起こしながら注湯してみる事にしました
 
イメージ 3
 
この状態から型を傾けながらアルミを流し込み
 
画像1の状態で凝固させタイマーで画像2の状態になり
 
鋳物を取り出します
 
この方法に変えてからは100発100中
 
不良は全く出なくなりました
 
画像1の状態で注湯すると金型内の空気が追い出しきれず
 
鋳物に空気が残ってしまい大きな穴があいてしまいましたが
 
型を起こしていくことで内部の空気を追い出して
 
上手く製品が出来るようになりました
 
イメージ 4
 
製品の裏表です
 
一日に150個位は製造出来不良が出来ないので
 
やっと利益が出るようになりました
 
砂型は砂の粒子の間から鋳型内部の空気が抜けて行きますが
 
金型は空気抜きが大きな要因になるものです
 
10年の失敗で多くのものを学びました
 
本日もお付き合い頂き有難うございました

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「こんなものも作るんですよ・アルミ・ホイール」

今日は暖かい日になりました
 
先日、五合目まで薄化粧していた富士が気になったので
 
朝屋上に上がって見てみました
 
やはりスッピンになっていましたよ
 
カメラに収めましたが画像が悪いのでお見せできません
 
先日、ネットに掲載しているホームぺジを観て問い合わせが有りました
 
自動車のアルミホイール製造の依頼です
 
皆さん好く御存じのタイヤを支えているホイールです
 
御承知の通り空気が入ります
 
鋳物の欠陥として熔湯が700度を越えると急激に
 
水素ガスを吸収しやすくなります
 
これが熔湯に含まれると凝固の際針で突いた様な
 
小さな穴が無数に出来てしまいます
 
この状態のホイールは少しずつ空気が抜けて行ってしまいます
 
大気中ではこれをゼロにする事は不可能に近いのです
 
限りなくゼロに近づけるしか今の処は方法が有りません
 
現在最も多く使われている方法は「不活性ガス」
 
例えば窒素やアルゴンなどを熔湯の中に吹き込んで
 
小さな泡にしてこれに水素を吸着させ除く方法が採られます
 
これでも完璧では有りません
 
取敢えずはお話を聴いて出来るか出来ないか判断する事にしました
 
イメージ 1
 
これは木型です
 
お話を聴くと現在開発中の『電気自動車』の
 
ホイールになるのだそうです
 
某有名大学のプロジェクトチームの依頼だそうで
 
現在試作中で形状も色々設変されて模索中だとか
 
イメージ 2
これはサンプルとしてお預かりしたものです
 
実際にこれにタイヤが付けられる訳ではなく
 
ホイールにセットされて使われるようです
 
直接タイヤが付く訳ではないのでピンホールは意外とラフで
 
好いみたいなので安心してお引き受けし
 
先日10個ほど製作しお渡ししました
 
何時もは精錬用の溶剤と窒素ガスを吹き込んで
 
熔湯を処理していますが色々と情報を得て
 
今回は初めての試みとして溶剤とアルゴンガスで処理してみました
 
ピンホールは凝固の際に熔湯表面に小さな粒となって
 
見る事が出来ます
 
大手の会社は熔湯を真空機器に入れ真空にして
 
凝固したものを切断してピンホールの有無を調べますが
 
時間も掛りますので弊社は炉前式
 
イソライト煉瓦に熔湯を流し凝固させその上に再び流します
 
すると一度目では好く確認できなかったピンホールが
 
強調されて出てきますのでこれで判断します
 
アルゴンガスの使用で頗る好い熔湯が沸きました
 
機械加工して削ってみなければ解りませんが
 
多分ピンホールの極めて少ない製品に出来上がったと思います
 
本日は難しいお話をしましたがお付き合い頂き有難うございました
 

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