シルクロードから嫁が来た!!

キルギス共和国出身のロシア人と結婚した男のムダ話。旧ソ連諸国のお話も

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【Mig-1の原型機となったI-200。いかにも速そうなデザインですが、量産版Mig-1では故障が頻発。この問題は、後継機のMig-3でも変わりませんでした。もっとも、中には高い高速性能を好むパイロットもいたそうです。恐らく本質的にスピードでの優位を利用した一撃離脱の戦法を好む人がいたのでしょうが、それでもやはり傑作機とは到底言いがたい機体だったようです。(画像は家内の実家にあった書籍より転載)】

ミグとスホーイ。
航空機ファンなら知らない人はいないであろうロシア航空機メーカーの雄。

両社ともにソビエト時代から様々な傑作機(もちろんソビエトならではの珍作機も)を世に送り出してきました。
ソビエトが崩壊し、新生ロシアになっても第一線メーカーとして君臨しています。

ミグは戦闘機メーカーとして競合他社より安い価格を武器に各国に販路を拡大。
スホーイは、旅客機などにも分野を広げ、同じく世界中にシェアを広げつつあります。

さながら、ロシア航空機界の二大巨人。
プロレスに例えるなら(別に例えなくてもいいけど)“馬場と猪木”ですな。

しかし、この両巨人のデビューがとてつもなくショボイものであったことはあまり知られていません。
プロレスに例えるなら(別に例えなくてもいいけど)“しょっぱい”飛行機を世に送り出した訳です。

ミグのデビュー機は戦闘機Mig-1、スホーイのデビュー機は軽爆撃機Su-2でした。
(スホーイはSu-1と言う実質的な1号機があるのですが、1機のみの試作のためここではSu-2を事実上のデビュー機としてお話しを進めます。)

Mig-1は、高速で高空への上昇性能も抜群の戦闘機とされていました。
今見ても鋭角的なデザインはいかにも精悍な印象を受けます。

しかし、これはあくまでカタログ値。
実際はそうは行きませんでした。

プロレスに例えるなら(別に例えなくてもいいけど)、、、、、
前評判は高かったのに実際はからきしだったジョージ高野ですな。

速いことは速いけど、機体の安定がひどく悪く、操縦性は最悪でした。
また、エンジン部の故障や油漏れがひどく風防ガラスの前が見えない場合もあったそうです。

さらに、ラジエターにも問題がありました。

Mig-1のラジエターは、コックピットの直下にあったのですが、断熱が不完全だったのです。
そのため、コックピットの温度が異様に高くなる不具合も続発。
仕方がないので、パイロットは風防ガラスを開けっ放しにして飛行したなんて記録もあります。

極めつけは、低空での性能が悪かったこと。

Mig-1登場直後に起きたナチスドイツとの戦争(独ソ戦)では地上戦がメインでした。
従って、航空機は地上軍援護が主任務となります。

これはイコール低空での運動性が重視される訳です。

ところが、Mig-1(後継のMig-3含む)は、高空での性能はいいものの、低空性能が絶望的に悪かったのでした。

飛行どころか、失速を絶えず起こすため、墜落が続出。
そのヒドサは実用兵器として耐えうる限界を超えるほどだったとのこと。

ある飛行隊では、戦死より事故による殉職の方が多かったなんて普通ならありえないエピソードすらあります。

そんなこんなで、Mig-1の活躍の場はまったくなかったのでした。

やがて、Mig-1は100機程度で生産打ち切り。

生産は、後継機のMIG-3に移りますが、Mig-1のマイナーチェンジ版で大して活躍できず。
そのままミグは、ロシア最大の危機と言われる独ソ戦をを役立たずとして過ごすのでした。

スホーイ家の長男坊Su-2はさらに悲惨でした。
ББ-1と呼ばれた試作機は高い評価だったものの、量産版はからきしダメダメ。

新機軸を盛り込んだのはいいけれど、盛り込みすぎて重量が増大。
試作機で売りにしていた高速性能が発揮できない鈍重な機体となってしまったのです。

それでも“空飛ぶ戦車”イリューシン2みたいに頑丈であれば、活躍の機会もあったのですが、、、

地上からの射撃を考慮した装甲を装備しなかったスホーイ2は、単なる“ひ弱なデブっちょ”と化しました。

おかげで、ソビエト軍は、Su-2登場で引退させる予定だったP−10軽爆撃機を継続運用する羽目になります。
次世代までのつなぎにすらならなかったSu-2は、偵察任務などで細々とソビエトの空を飛び続けたのでした。

これだけダメダメだったミグ&スホーイですが、苦い失敗を生かすところがエライところです。

ミグは、得意の高速化技術を維持しつつ、設計スタッフを強化し、安定した機体の開発にいそしみます。
その結果は、Mig-19、Mig-21など当時の西側と互角以上に戦える戦闘機の登場につながります。

一方、スホーイは、技術屋さんにありがちな新機軸の盛り込みすぎって方向性から変換。
可もなく、不可もないけど、ロシア産にしては珍しい(笑)、頑丈な機体を生み出していきます。

“失敗は成功の母”と言う言葉がロシアにあるかどうかは分かりません。
それでも、ミグとスホーイの戦後の躍進は、まさにこの言葉を地で行く姿。
第二次世界大戦中の苦い経験が土台になっていることは間違いないです。

世の中に存在するものは、すべて存在する意味や意義があるなんて言葉を聞いたことがありますが、
そう考えてみると、Mig-1とSu-2のダメ航空機コンビも実に存在意義のある機体だったのかもしれません。

(ミグの数奇な物語に関しては以前別の記事を書いたことがあります。ご興味がある方は下記TB記事をご覧下さい。)


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スホーイ社のロシア独自の次世代(第5世代)戦闘機がテスト飛行に成功
http://abcnews.go.com/Business/wireStory?id=9695250
http://japanese.cri.cn/881/2010/01/29/144s154016.htm

これも最近の記事「332.ロシアのアメリ観−実は好きでしょうがない!!」と同様「なんちゃってアメリ観」に通じるものですですねw 削除

2010/1/29(金) 午後 9:33 [ ゴンベイ ] 返信する

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ゴンベイさん このT-50関連のニュースはPTPテレビでも大きく報道されていました。やはりアメリカ機との類似性に言及していましたが、政府の話では、用途が同じなら形状も似るものだとかわしてましたよ(笑)

2010/2/13(土) 午前 8:40 mig21 返信する

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