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「狂犬百景」〜MU〜



  ◎10月6日 14:00(2時間10分)三鷹市芸術文化センター

  作・演出:ハセガワ アユム

  2年前の原宿にある2F空間で行われた作品の作品というかリブート版。

  三鷹の空間で階段が現れるのかな?と思っていたのですが

  以外にも平場の舞台、周囲はブラインドに囲まれた窓の世界。

  「富士百景」と言うように、絵画を壁一面に貼り付けた感じに似ている。

  「鑑定士と顔の無い依頼人」の映画に出て来る鑑定士のアノ部屋の並び

  百景ですから、ウインドウの一つをクリックして、これからの4幕を観る型

  とも言えますね、後述しますが、三鷹と原宿で観客と舞台の関係性が

  かなり違ってますから、この背景もPC感に合わせたのかと思います。

  本筋はあまり変わりませんが、満席の中でサラリと開演しました。


ネタバレしますので、未見の方は注意!(見に行けない方はどうぞ)



第一話「犬を拾いに」



 コンビニ「コージーマート」から始まる狂犬協奏曲。

<主な登場人物>

 青柳 文太(青木友哉さん)元:作家志望だったが、今はコンビニの雇われ店長。

 青柳 ルミ(長尾友里花さん)兄:文太のコネで働く専門学校中退のやる気なし女。

 久保 友紀奈(黒岩三佳さん)元:作家志望で文太の元カノ、今は動物愛護団所属。

 岸口 周吾(NPO法人さん)コンビニで働く、就職浪人生。

 桜木 英美(星秀美さん)コンビニで働く、明るい女子大生。

                       ・

 コンビニではバイトの岸口が挨拶も出来ないルミに困っている風景。

 怪しげな男女の客が、裏のアパートの側溝に挟まった犬に餌を上げようと来店。

 バイト上がる時間の女子大生:秀美も犬用のジャーキーを持って出て行く。
                         ・

 そんな中で、言い争いながら現れる文太と元カノ:友紀奈。

 宝くじの高額当選した文太に動物愛護団体勤務の友紀奈が寄付を迫っていた。

 結婚も考えていた2人だったら、愛犬ベロが取材旅行中に亡くなった事で別れていた

 ベロを看病していたのは妹のルミ、原因は不明の突発的な死亡だったが

 3人はそれぞれ、その死についてシコリを残していた。

 友紀奈はベロの「爪」を遺品として常に持ち歩いて、文太の目の前に出してきて

 ベロのような犬を救う為に、寄付しろと迫るが、購入したのはルミだから一任出来ない

 そう言って、友紀奈の言葉から逃げようとする。

 そんな中、ゾンビのような足取りでコンビニの前に血だらけで現れる女子大生:秀美

 岸口と文太が向かった先には、人を襲い、最後には人の肉を食べている姿。

 岸口は何もできず本当に役に立たない、英美を救出してくる文太。

 パニックになりながら警察へ電話する友紀奈。

 しかし、コンビニの前で驚いてる文太が、その狂犬がベロに似ていると

 友紀奈に同意?確認を求めるのでした。
                          ・
<感想>
 初演とほぼ同じですが、英美が本当にゾンビみたいに無言で現れて消えるのは笑った。

 岸君は相変わらず何も出来ないのは変わらず、レジに対しての棚の配置は違和感あったけど

 今後の別エピソードの為に、色々ディティールが序盤から加わった感じです。

 アパートで犬を飼ってた人が居たらしいとか、

 改めてみると文太の方が囚われていて、狂犬をベロと思ってしまったのでしょう。

 意外と金の執着していた友紀奈が先に観ていたら、ベロに似ているなんて言わずに警察へ

 通報して、処分してしまっていたかもしれません。

 最初なので、サイレントな展開の一話から今回も始まりました。

                          ★

第二話「グットヴァイブレーション」※旧題「部長は荒野を目指す」



 MUワールドに確立しているお菓子メーカー「アマダ」、新しいチョコのプレゼン打ち上げ

 女性中心のプレゼンで、ささやかな会議室の飲み会中、狂犬騒動で外出禁止命令が出る。

<登場人物>

 古橋 遼子(古市みみさん)企画開発部部長:仁義に熱く、専務は歴戦の関係。

 浜崎 良幸(浜野隆之さん)優しくて、全ての女子社員にも心身ともに面倒見が良い。

 森口 未来(森口美香さん)納豆チョコを提案するも負けて、コンペの不正を疑う。

 佐藤 渚子(加藤なぎささん)ゾンビ映画好きで、この状況に色々示唆してくる。

 小嶋 いつみ(真嶋一歌さん)新人でコンペ優勝者、専務の最新のお気に入りらしい

 江頭 沙英(井神沙恵さん)軽度のアル中、だけど実力は一流らしい。

 佐野木 実(佐野功さん)みんなのまとめ役、江頭と付き合っているが二股状態に苦悩中。

 三島 耕作(菅山 望さん)若手写真、古橋部長が好きだったらしい

 岸(NPO法人さん)広報部社員、遅くまで残っていた為に狂犬に襲われる。

                          ・

 狂犬の目撃情報から警察では外出禁止命令が出て、会社から出れない社員たち

 なぜか1Fにしかないトイレから犬が入り込んだ事から、バリケードで2Fの会議室の籠る一同。

 企画開発部の専務が全員の女生徒関係性がある事から、

 コンペは新人が優勝し、専務からもらったアイディアなのに落選した森口は不正を疑う。

 部長の古橋が、専務を庇うのだが、ギクシャクした密室の濃度は上がっていく。

 トイレに行きたいメンバーが1Fのトイレに連れだって向かうが、犬が数匹入り込み

 広報部の岸が噛まれてしまい、運ばれてくる。

 犬に襲われ、気が動転した新人の三島は、思い残しをしたくないと部長の唇を奪い怒られる。

 警察へ連絡しても、同様の通報が多いので証拠の写真を送れという冷たい対応。

 犬の写真を誰かが撮りにいくか?窓から服をロープ代わりに逃げるか?

 そんな中、倉庫の菓子をばらまいて犬から逃げてきて、喜ぶ専務の姿を観て幻滅の視線。

 嫉妬と妬みと意味のない理屈から、部長以下の数名が犬の写真を撮りに向かう中。

 岸(被害者)の写真を撮ればいいんじゃん?とコロンブスの卵的な発想から

 自分がトイレの窓を開けて最悪を呼び込んだ原因と自覚しながら、笑顔でピースの写真を

 取ろうとする岸をパチリと撮影するのでした。 

                          ・

<感想>
 初演とは違い、かなり落ち着いた感じになってました。

 専務が全員の社員と関係を持ってる事が発覚して、でもやっぱり奥さんなんじゃん!

 そう言って女達に詰め寄られる感じの初演でしたが、今回はみんな暗黙の専務利用合戦

 から、麩菓子みたいに甘い専務が揚げチンなんだと認定された感じです。

 古橋が専務を見送りならが、同志としての関係じゃなくて「バーカ好きだったんだよ」と一言。

 江頭の酒乱気味な部分と佐野木の態度とか、クールな触感が随所にあって

 唯一名前が変えられたのも納得です、でも倒産させなくても良かったのでは・・・

 お菓子メーカーと森口さん&渚子は、もうハセガワさんの世界に確立したコンビみたい。 

 あくまでも狂犬だから、致命傷で死ぬしゾンビではないのだけれど、渚子のゾンビ好きで

 「イチャツク奴から殺られる」とかはエルム街とかジェイソン系な気がしますが(笑)

 彼女のお蔭でゾンビ犬と言うイメージになってる気がします。

                          ★

第三話「漫画の世界」



 過去の売れたギャグ漫画印税で建てた立派な漫画家の家。今は、犬を狩る漫画で人気上昇中

 「え、この漫画がすごい?」が今日も取材に来ていて、現場は妙な笑のスタッフが勢ぞろい。

 街では定期的に野犬駆除の催涙ガスが巻かれ、動物愛護団体が抗議の讃美歌を街宣車で流す。


<登場人物>

 田崎 ジン(山崎カズユキさん)世間の狂犬騒ぎに同調した、ゾンビ犬漫画で人気上昇中。

 橘 直人(大塚尚吾さん)元:ボクサーでジンとは昔なじみ、犬を狩ってはジンへ資料提供。

 志村 陽子(沈ゆうこさん)アシスタントで、田崎を崇拝するファンのガチオタで狂女。

 西田 翔平(植田 翔平さん)漫画「ヤングガリレイ」の編集者で、ジン達の仲間。

 若槻(青山祥子さん)「え、この漫画がすごい?」と疑問ばかりの雑誌記者。

 深谷(古屋敷悠さん)同行のカメラマン、若槻の彼氏だが、ある目的の為に利用してるのかも?

                             ・

 田崎のアトリエ。

 取材を受ける「田崎」の犬と戦う描写がリアルと評価する若槻はの質問に

 西田が口を滑らせたらしく、直人と田崎で若い頃にインド旅行をした際に狂犬病犯されて

 病院をたらい回しにされた 経験がある事をいやいやながら認める田崎。

 編集者の女性若槻とカメラマンの深谷が取材を終えて、車に戻っていく。

 ちょっと焦った様子の田崎。

 そ して今日の成果を見せる陽子と直人。

 2人は河原で犬狩りをした様子を動画に撮って、田崎へ素材として提供。

 川原で粉を巻いていた中年夫婦?が犬に襲われてるのを助け、ヒーロ扱いされたらしい

 戦利品として田崎には首輪、直人は犬の爪をコレクションしているのだった。
 (世間では発症を恐れて犬を捨てている風潮にあり元飼い犬が、野良→ゾンビ化)

 動画を見て、喜び笑う田崎、直人、陽子の3人。

 そこへ編集の西田が慌てて戻る。

 取材していた二人がなかなか出て行かない中、犬が迷い込み襲われているとの事。

 「いつもの」道具を取り出して助けに行く3人。

 ライターの若槻は気を失い、運び込まれくる。

 「(犬退治を)慣れてるみたいですね?」 と田崎達に問う 渋谷。

 若槻の介抱は渋谷に任せて、1Fにまぎれた犬を退治しに行く田崎達。

 気がついて目覚める若槻(フリをしていたのかも?)辺りを調べ始める渋谷。

 首輪・爪、そして直前まで見て放置していた携帯の動画を発見。

 犬を殺していた証拠を撮影、今回犬が紛れ込んだのも渋谷が招き入れたらしい

 自分の雑誌掲載後にしてよと言う若槻、少し狂喜しているような渋谷。

 そんな渋谷に少し引いてしまう若槻、2人の間で不協和音が立ち始める。

 台所での立ち回りを終えて戻る田崎達、若槻と渋谷は階下の洗面所へ向かう。

 田崎達は今の戦闘を振り返り大盛り上がり、渋谷が戻し忘れた証拠品を見つけるが

 腹が減ったと差し入れの煎餅を「マズイ」と言いながら、大笑いして また話始める4人だった。

                          ・

 <感想>

 ここは、本当にあまり変わりませんでしたね。

 こだわりのフリッパーズの行もカットされてませんでした。

 初演より編集の西田も楽しんでる感じで、ちょっとこの状況にラリっている感じです。

 橘はかなり冷静で潮時を探しているのに、田崎は犬への恨みか名声なのか?

 アシスタントが陽子しか居ないのでは、ギャグ漫画での貯金も底を突いてきてる状態で

 今回の新作は外せないのかもしれませんし、

 漫画家に対しての「ヒットする」という2度目の狂喜が麻薬のように作用しているのかな?

 リアルなグロ画像が無いと書けないなんて、正直才能が無い奴なんだなぁ。

 最後の狂喜が、本当に第四話を考えると、虚しいですね。

                          ★

第四話「讃美歌」



 狂犬騒動から暫くたった頃、どこかの区の動物愛護センター(保健所)で譲渡会が行われる日

 府中の施設では動物を解放するなどのテロ騒ぎが起こり、譲渡会の参加者は減っている。


<主な登場人物>

 宮台(成川知也さん)センターの室長、現在の状況に困惑している。

 祐子(佐々木なふみさん)妊娠中の職員。未練で保管しておいた愛犬の灰を最近川に流した。

 戸山(森久憲生さん)獣医、若干アスペルガー症候群っぽい奇人。

 久保友紀奈(黒岩三佳さん)第一話と同一人物、愛護団体ワンオールの支部長になってる。

 佐藤 渚子(加藤なぎささん)ワンオールの讃美歌合唱部のリーダー、2話と同一人物。

 青柳 文太(青柳友哉さん)第一話の文太がワンオールの広報に転職している姿。

 深谷 淳史(古屋敷悠さん)新人職員、第3話と同一人物、異常な愛護精神の持ち主。

                           ・

 センターでは狂犬病を恐れて犬を捨てる人間が増加、捨て犬を回収する場所も手狭

 預かる期間は4日、それを過ぎればガス処分な犬達を減らすために譲渡会が開かれている。

 今日はその譲渡会の日、 会の後に賛美歌を歌いたいと動物愛護団体ワンオール支部長

 久保友紀奈そして、広報になった文太もやってくる。

 そして渋谷(4話と同一人物)も職員として、地下に新しい保護スペースを作っているらしい

 譲渡会に馬鹿なカップルが現れる、譲渡されるチワワを貰う代わりにボケた老犬の下取りを依頼

 携帯じゃないし、引き取る=4日後に安楽死だと説明する室長。

 文句を言って2人が帰った後には、そいつらが置いていったる老犬が1匹残されていた。

 友紀奈は「その犬に狂犬病のウイルスを注射して、家に投げ込んでやれば」と提案する。

 友紀奈の考えに驚く職員達、妊娠中の祐子は死んだ飼い犬の思い出に縛られてたが

 先日遺灰を川に捨て楽になったと言い、(3話の2人に助けられたのは彼女と室長)

 だから友紀奈にも爪を捨てて、楽になるよう諭すのだが跳ね返す友紀奈。

 興奮した祐子は、苦しみだして控室に連れられて行く

 友紀奈の同胞は渋谷だけ、2人は同じ臭いがするのか恋人同士っぽい。

 今、地下に監禁している「モノ」から爪を剥いでいる所で、「目には目を」の精神で行動する渋谷。

 譲渡会に向けて賛美歌を歌いに集まるワンオールの人、渚子の姿もあった。

 ふいに階下には包帯まみれの人間が顔を出しゾンビのような歩行の状態

 エレベーターの場所を教えると去っていくのだった。

 センターには緊急警報が鳴り、先ほどの馬鹿夫婦が置いていった老犬が運ばれてくる。

 誰も居ない会場にふらりと現れる包帯人間4人、また虚ろに階下へ戻っていく

 その話を聞いた渋谷は血相を変えて、どこかへ向かうのだった・・・

                                 ・
 そして、譲渡会に集まる人々。中には以外にも2話の専務らしきボロボロな人物。

 殴られた目の痣を隠すようにサングラスをした3話の若槻らしい女

 その後、どうなるのか解らないまま譲渡会が始まるのでした。

                          ・

 <感想>
 この4話も渚子の登場とゾンビ話以外は、大きな変更はありませんでした。

 やっぱり、渋谷がどうして4人を捕まえる事が出来たのか?気になりますね〜

 考えてみると、人間がゾンビっぽいんだけど、ちゃんと包帯してるからミイラ男だよね

 渋谷は治療してるのだろうか?狂犬病のウイルスに感染しているのだとは思うけれど

 この狂犬の原因とか犬・人に対する症状とかはまだ全容を発表されてませんね。

 次の百景で徐々に明らかにさせていくのでしょうか?

 そして、噂程度でアマダは倒産する程の甘い会社だったのでしょうか?

 この時点の友紀奈は、犬を粗末にする人間に対する憎悪は強いけれど

 犬そのものには、もう愛情が無いような気がする。(渋谷を見て若干退いてる?)

 犬の命を利用する事をいとわない渋谷とそんなに変わらない気がしますね〜

 このエピソードで文太も・友紀奈もベロの呪縛からは解かれていると思うラストでした。


 全体的に初演で思った事は、改めて書いていないので、感想は短めです。

 劇場が違うと、こんなに感覚が違うものかと思いました。

 原宿(コレドもそうだけど)演者の舞台と客席のGL(グランドラインの事)が地続きだとね

 同じ空間に居る感覚がビシビシ感じるので、その上本物の階段へ階下へ下がっていく

 人物を観ていると、その先への恐怖感がかなりあります。

 だから初演は怖いけど、面白い感覚の感想を書いてましたが。

 こんかいは、三鷹の広い空間で舞台上は完全にPC画面のような箱庭の別空間でした。

 だから階段があっても、意味なかったかもしれません。

 横からユラユラ現れるのが、スマホをスライドする横の動きとして今風かな?

                              ・

 5年後とか、新生パルコとかで上演するのであれば(笑)

 渋谷の名所で繰り広げる騒動とか、森口ちゃんの転職先でも再び悲劇があったり

 府中でのテロ騒ぎとか、新作作って欲しいですね。

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