|
当ブログのサブタイトルにもあるように、このブログの主旨は、「多くの知識から知恵を見い出すこと」である。知識自体はただ知っていることなので、そこから多くの知恵を派生させて、役立てるのが重要である。そこで本日は、過去記事を参考に、知恵になるものを列挙したい。
「人間は最初の考えや思い込みにとらわれがちである。たとえ天才と言われる人でもそうである」
(実例)
ガリレオは潮の満ち引きを地動説の証拠と考え、何年もその考えを変えなかった。
ケプラーは火星の公転軌道は円であると考え、13年間もだ円軌道であると認めなかった。
エジソンは自分の発明した直流送電が優れていると何年も信じていたが、実際には交流送電の方が優れていて世界中に広まった。
「日本人に大人気の商売の共通点は、1人で利用できることと匿名性である」
(実例)
日本独特の人気商売とは・・・ 漫画、ゲーム、ブログ(世界一の利用者率)、パチンコ、カラオケ、性風俗店(世界一の利用率)、立ち食いうどん店など。日本人は自分のプライバシーを人に知られるのを嫌がり、1人で行動しがちである。
「製品やサービスの多くは結局、“時間の短縮”を売り物にしている」
(実例)
マクドナルドはハンバーガーを売っているが、同じものは自分でも作れるし、自分で作った方が安い。しかし、最大の利点はすぐに食べれることである。他のファーストフード店(牛丼屋、立ち食いうどん店など)も同様。
自宅に冷蔵庫が無ければ、その都度、店に食料を買いに行くしかない。よって、冷蔵庫の最大の利点とは、食料を保存する場所ではなく、買いに行く時間を短縮することである。
電話で他人との通話、検索サイトでの調べ事、荷物配送、野菜の栽培など、同じ事をやろうと思えば自分でもできるが、人に任せてサービス・製品を買った方が、時間がはるかに短くて済む。
ホームセンターやディスカウントショップでは、商品の安さが注目されるが、最大のセールスポイントは「一箇所で全ての買物ができる」という時間の節約である。
「日本の歴史を見ると、トップが崩れた時に戦いが起こる。つまり、日本人の人間関係は絶対的なものである」
(実例)
日本の歴史では壬申の乱や応仁の乱など、トップが死去したり崩れた時に、その後継者を巡って戦いが起こった。これは逆に言えば、トップが安泰である限りは戦いは起こらない。つまり、トップには誰も反抗しないという、日本の年功序列の極みである。これをきちんと理解・実行していたのが徳川家康。自分が病に倒れて死にそうな時、有力な大名や商人などを自分の寝床に呼び、「自分が死んだら息子の秀忠(2代将軍)と必ず協力してやってくれ」と何回も何回も念を押して、自分の死後の体制を確実にした。
「戦国時代、優れた大名の戦いの共通点は、敵を心理的にまどわせる(怒らせる、不安に陥れる、過信させる)ことである。つまり、人間同士はそもそも大きな差はないが、心理的・精神的な違いは大きいので、それを利用して戦いに勝っている」
(実例)
川中島の戦いで、上杉軍は山に登って布陣したが、一週間も山から降りて来なかった。武田軍は待ちきれなくなり、自ら相手に攻撃を開始してしまい、敵の罠にはまって大損害を受けた。
第二次上田合戦で、真田昌幸は徳川秀忠に無礼極まりない態度を取ったので、秀忠は頭に血が上り、大軍勢で真田の城を攻めたが見事に相手の罠にはまった。結局、秀忠は自分の面子を潰されたので撤退するわけにもいかず、結局、1週間も足止めを喰らって、関ヶ原の戦いに遅参するという大失態を犯した。
三方ヶ原の戦いで、徳川家康は武田信玄の軍に自分の城の前を素通りされて、「俺を馬鹿にしている!」「プライドを傷つけられた!」と激怒して、城から出陣したが、これは信玄の作戦であり、家康は大敗して命からがら戦場から逃げた。
大阪冬の陣で、真田軍は対峙する徳川軍の兵に「腰抜け!」「弱虫!」「お前ら女か!」「かかってこい!」と何回も野次を飛ばして挑発して、徳川軍の兵を激怒させた。怒った徳川軍の兵がバラバラに真田軍に突撃したところ、真田軍は鉄砲で撃退して数千人を討ち取った。
「人間はどの時点からものを見るか(アンカー)によって、判断基準が異なる。現在の状態から見て今を決めるのと、現在の状態から見て未来を決めるのでは異なる」
(実例)
宝くじを買った人に「もし3億円当たったら、私に100万円下さい」と言えば、たいていの人はOKするだろう。しかし、もともと3億円持っている人に「100万円下さい」といっても、応じる人はいない。
プロ野球選手がシーズン前に「チームが優勝して三冠王を取ったら年棒を3倍にして下さい」と言えば、応じる球団もいるだろう。しかし、実際に優勝して三冠王を取った後に同じ要求をしても、応じるのは難しい。
テレビ局が無名の俳優に「ドラマで主人公の役をあげるが、ギャラは無し。ドラマが大ヒットして映画化されても、安いギャラで出演してもらう」と要求しても、大抵の俳優はこの要求を呑むだろう。しかし、ドラマが大ヒットした後に、安いギャラで映画の出演要求をしても無理である。
マイクロソフトはIBMに安すぎる値段でコンピューター用OSを提供したが、他社にも供給できる契約をIBMに認めさせた。その結果、中小メーカーが「我々も、IBMと同じ規格のOSのコンピューターを販売できる」と市場に次々と参入して、ウインドウズが業界のスタンダードになった。結果、マイクロソフトが最も多くの利益を得た。
ジョージ・ルーカスは20世紀FOXから安いギャラと低予算でスターウォーズの製作を任されたが、映画自体の所有権、続編の権利、キャラクターグッズの権利を全て押さえていた。20世紀FOXは、スターウォーズが大ヒットすると思っていなかったので、これらの権利はたいした価値がないと思っていたからだ。しかし、この映画は大ヒットして、ルーカスはキャラクターグッズから莫大な利益を得た。
結論
上記に列挙した例に共通するのは「人間の心理」である。つまり、それだけ人間という生き物は脳が発達した高等動物なので、心理的状態が行動に大きく影響するのである。その点をきちんと把握できれば、人間はもっと賢く、効率的に生きていけると思う。
このように、ただ単純な知識から派生させられる知恵は値千金である。キッシンジャーの言葉を借りれば、「利用できる情報の量は、それを分析できる能力を超える傾向にあるので、情報と知識の間にギャップが生じている。さらに、知識と知恵にはそれ以上のかい離が生じている」ので、一つの知恵を得るには、その何十倍の知識、その何百倍の幅広い情報が必要である。皆様のお役に立てれば幸いです。
|