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師範学校の寮歌のほうが謙虚で良い

わが母校旧制高校ばかり褒めたたえていたんだけど、友人から師範学校もすごいとの挨拶をいただきました。
紹介します。
2010年10月10日    仲村あきら

(転載開始)
先日は松本案内、ありがとな。「2.4事件」はこれから書くに。
寮歌逍遥
旧制長野師範学校妻科寮寮歌
1. ああ信濃路の夕暮れに 駒打ち止めて義仲は
都の空を仰ぎては 若き瞳を燃やしけり
理想の花の香も高き 故郷の野を歌わばや
2. 春霞ひく歌ヶ丘 古りにし石碑(いし)の前に立ち
雅の胸を吟ずれば うら若き子の頬伝う
熱き涙に裾花の 岸の桜も色褪する
3. 夏草やなど偲ばるる 川中島の戦跡(いくさあと)
川原の石にまどろめば 平和と乱に散り開く
歴史の花の移ろいて 今響くなり自治の鐘
4. 伝えは長し自治寮舎 夜半の窓辺に雪を積み
埋もれ火掻きて書を読めば 望み果てなし萱の屋に
ほろり拝まん父母の 老いにし影に泣かまほし

 前回で逍遥した旧制松本高校の跡を長野県松本市に訪ねると、「旧制高等学校記念
館」という3階建てのビルが建っていた。全国各地にあった旧制高校のさまざまな記
念品や写真展示が充実していて、暫し時の流れを忘れる。2、3階は常設展示で、1
階では「地名高校設置90周年記念展」というのをやっていた。前回述べたように、明
治期以来、続いてきた一高、二高といった風に数字を冠するナンバースクールが八高
までで終わって、政府は1919(大正8)年からは松本高校、新潟高校という風に
地名を冠した高校設置を始めた。
 また地名高校同士、スポーツ交流の面でも独特の対抗試合を実践してきたことを、
ここでの展示で初めて知った。一高(東京)対三高(京都)、五高(熊本)対七高
(鹿児島)のような対抗戦が各地にあったように、松本対新潟、松本対山口などと
いった組み合わせが全国で生まれていた。さて旧制高等学校は全国で幾つあったろう
か? 同記念館の展示パネルによれば国公私立合わせて41校で、うち6校が朝鮮、台
湾、旅順など海外校だった。どの高校も原則として全寮制が守られていたと言い、当
然のことながらそこにはおびただしい数の寮歌が生まれていた。


 ところで全寮制の旧制学校は上記41校に限らない。その典型が師範学校である。師
範学校とは戦前の日本で、初等・中等学校の教員養成機関をいう。師範学校は明治期
の教育令、師範学校令、師範教育令などの下に官立(国立)となったり、一時府県立
となったり、また尋常師範学校、高等師範学校に分けられたり、青年師範学校が加
わったりと紆余曲折があった。また本科と予科、男子と女子の区別などがあった。入
学年次や在学期間も時により変化があったが、概ね小学校(または国民学校)6年、
高等小学校(今の中学校に当る)2年を終えて師範学校予科に入り、2年後に本科に
進んで修了すると小学校訓導(教員)の免状が与えられる仕組みだった。この時点で
19〜22歳となっている。師範学校の学生は卒業後に教職に就くことを前提に、授業料
が掛からないとか、生活が保障されたことなどは共通していた。それだけに、学業優
秀でも貧しい家庭の子弟に教育のチャンスを与える役割も持っていた。師範学校は終
戦時、全国で49校。識字率実質百%という我が国の教育水準は実に師範学校卒業の先
生たちの努力の成果といえるが、戦後、「軍国教育の温床ともなった」として解体さ
れ、各国立大学の教育学部に改編された。
 さて今回ご紹介するのは旧長野師範学校妻科寮寮歌。歌っていただくのは歌人の藤
井治氏。おもな歌集に「いのちの四季」がある。1934(昭和9)年長野県高遠
(現伊那市)生まれ。小学校が国民学校に変わった年に入学し、途中で敗戦を迎え、
長野師範が信州大学教育学部に改組された時期に入学したので、「戦前の学寮の悪弊
を一掃しよう」とばかり多忙な学生時代を送った。ここで「悪弊」とは、よその部屋
に徒党をなし足踏み鳴らして押しかけるストームとか、窓から小便をするいわゆる
「寮雨」といった蛮風だった。藤井氏は卒業後、長野県内や東京都内で長年教壇に立
ち、台東区内の小学校で校長を務めて定年を迎えた。寮時代、コンパではいつもこの
歌を歌ったが、制作年次や作者についてはつまびらかにしない。戦後、妻科寮は取り
壊され、現在は「信州大あけぼの寮寮歌」として引き継がれ、全学で愛唱されている
という。
 険阻な山々に囲まれた長野県だが、善光寺平の中心を成す長野市はそれらの前山で
ある穏やかな山並みに囲まれている。藤井氏が歌った長野師範学校寮歌はメロディー
の起伏のなだらかな点、まさに周囲の風景をそのまま写した観がある。またその歌詞
も旧制高校の寮歌にありがちなエリート意識や、天下国家を睥睨するような尊大な気
風からは遠く、謙虚で穏やかな歌風といえる。(おわり)
(転載終了)

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>謙虚で穏やかな歌風

うーん!そのとおり!

2009/10/10(土) 午後 6:49 仲村あきら

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>旧制高校の寮歌にありがちなエリート意識や、天下国家を睥睨するような尊大な気風

そうです。
松高の先輩たちのおごりは許し難いものでした。
同じキャンバス・同じ自治寮・同じ教官なんですぞ!

それなのに「信大、信大」と区別して松高同窓会は文理学部生を拒絶し共に歩もうとしませんでした。

何たる皮肉。
いま松高同窓会の役員はその殆んどが、松高最後の入学生で松高閉鎖に遭い、信大文理学部へ入りなおし文理学部を卒業した文理学部第一回生です。

2009/10/12(月) 午前 11:52 仲村あきら

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新制に切り替わって、殆どの学部が、きちんと連続しました。
師範学校から教育学部、医学専門学校から医学部、工業専門学校から工学部、など枚挙に暇ありません。
例外が高等学校から文理学部の流れです。

教官もキャンバスも、学ぶ中身もまったく変化していないのに、旧制の方々は、新制の信大は、俺たちとは違うと称して、連続性を否定しました。
実際のところ、文理学部卒業生は、大学院に進む方が多く、大学教官を輩出するなど、旧制より優れた面がありました。
旧制の諸氏の独りよがりにすぎません。
文理学部は、旧制の諸氏から軽んぜられようと、旧制の伝統を色濃く伝えて来ました。

2010/2/21(日) 午前 11:22 仲村あきら

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私は折角の機会を無駄にしたので、口の悪い方の言い方ですと、仲村は大学で何を学んだかね?と指摘されるくらい、駄目な学生でしたから、偉そうなことは言えません。
ただ、旧制高校の伝統を色濃く残したキャンバスで、自由闊達に若き日を過ごしたことは今ずいぶん役だっています。

2010/2/21(日) 午後 1:47 仲村あきら

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そこのところなんですが、文理学部が改組され、今はもうありません。理学部・人文学部・経済学部がそれぞれ立ち上げられて、規模も昔日の10倍以上ではないかと思います。
文理学部改組にともない、中心となる恩誠寮も取り壊されました。
さらに規模が飛躍的に拡大して、教授陣が、信大カラーをまったく失いました。
松高寮歌は、私たち「あがたの森」で学んだ卒業生たちにのみ辛うじて継承されているだけだと思います。

ただ
「あがたの森」には、旧制高校記念館が松本市のご厚意により設置されており、記念館主催により毎年、「旧制松本高校」の残された「講堂」を会場に、全国から旧制高校を偲ぶ有志が集まり、「寮歌祭」が開催されています。

2010/2/22(月) 午後 4:31 仲村あきら

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>現代日本社会の荒廃は、戦後教育の失敗の結果

そうなんですか?
戦後日本の荒廃?
今に始まったことではないと思いますが。
軍国主義を招いた、明治維新の結果をまずしっかり見極めてからではありませんか?

2010/2/23(火) 午後 8:58 仲村あきら

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興味深い視点からのお話をいただきありがとうございます。

ひとつのエピソードをご紹介したい。
旧制松本高等学校の本館校舎ならびに講堂が、まず長野県宝指定を受け、さらに重要文化財指定となりました。
信州大学から松本市へ返還され、松本市が10億円余の資金を投入し、しっかりと修復しました。
それらを記念して祝賀式典が行われました。
旧制松高から、司会者とパネラーとお二人。
文理学部は最後の入学生である、高名な理論物理学者N君が一人。
三人でパネルディスカッションです。
N君が、広島・長崎への原爆投下の際、旧制高校のエリート集団は、あの新型爆弾をどう捉えたか、全く理解認識していなかったではないかと、指摘しました。旧制高校側からは、何の反論もありませんでした。
あのエリート集団とはその程度のものでした。
というお話です。

2010/2/25(木) 午前 4:09 仲村あきら

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私は文理学部同窓会の副会長ですが、最近意欲を失いました。
もう松高などではなく、私たちの後身たる理学部の卒業生が5000人を超し、文理学部の1500人規模など、微々たるものです。
理学部同窓会報の最近のテーマは、もう旧制高校など眼中に無く、文理学部から理学部への追憶となっています。

2010/10/24(日) 午前 1:09 仲村あきら

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