アナログのすすめ
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アナログのすすめ
はじめに、このブログではタイトルを「アナログのすすめ」としていますが特にデジタル対アナログの不毛な論争をするつもりは一切無い事をまずお断りしておきたい。
あくまでも私個人の趣向の問題でありアナログ、デジタル双方にそれぞれ長所短所があり絶対的な優劣など存在せずそれを選択するのは個々人の問題でしょうから。
さて、こうしたブログを公開した最大の理由は去る2009年の秋から進めてきたパワーアンプとプリアンプのレストア計画においてWEB上で複数の方々から応援を頂き(パーツの選択に関してアドバイスいただいた方、回路図を提供してくれた方、無償で貴重なトランジスタを送ってくれた方等々)お蔭様で無事本年7月にめでたく完成させることがきた事に対する喜びと感謝の意を込めて自分も同好の士の方々の為に何か還元できないだろうかと思いレストアの全貌をリポートするに至りました。
これまで私のレストア計画に協力していただいた皆様にはこの場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。
尚、このブログ中に記述されている実験的な内容やパーツの選択、測定値、それ等全ての内容が全て正しいかどうかは正直な所保証できない事もお断りしておかなければなりません。よってもしも、これ等の内容を参考に修理やレストアを行う場合はあくまでも自己責任で感電や火災事故も起こりうる事を十分留意して最新の注意と観察を怠ることなく慎重に進めていただきたいと思います。
また、これ等のリポートがこれからレストアに挑戦したいとお思いの方々の一助になればと思います。
PIONEER PowerAmplifier M-22 RESTORE REPORT(1)
随分前に気に入っていたPioneerのM-22(純A級)パワーアンプ
実効出力8Ω30Wとはいえその強力な電源部は豊かな中低域と澄み渡る高域を再現し、その独特の風貌とも相まって時代を経た今日でも尚愛好家が多いアンプですが、数十年前に購入しその後壊れたまま瓦礫と化し部屋の隅のダンボールに眠ったままでした。
何度か修理に出そうかとも思いましたが、既に発売から十数年が経過しメーカーに持ち込むのも躊躇われかといって個人の修理屋ではかなりの修理費を請求されそうですのでそのまま更に十数年の眠りに付くことになったのでした。
その後、オーディオ熱が次第に冷めて行きました。
巷ではCDが氾濫しそして更にMD、MPEGと、音楽はいつでもどこでも聴ける身近なものとなり、しかしその利便性と引き換えに切り捨てられた音の新鮮さ、質感。
その結果、痩せた音に辟易した私はミニコンポやカーステレオでBGMを聴く程度。
レコードはダンボールに封印し物置に。そしてなにより、オーディオメーカーとして数々の銘機を送り出してきた国内メーカーは死に絶えあるいはオーディオから撤退し、残る数少ないオーディオメーカーでもAV中心のおまけ的なアンプが幅を利かせ、音を忠実に再生することに貪欲なまでに拘ったセパレートアンプなどというものを造る国内メーカーは皆無になりつつあり、あったとしてもインポート物も含めそれはそれは高価なものになってしまい私のような一般庶民には高嶺の花となってしまいました。
あれから数十年、時代の流れに流され、ただひたすら順応するように努め、好きだった銀塩カメラも手放してデジタルカメラを購入し、デジタル時代なんだからと諦めかけていたある日、今まで集めて聴いていたレコードの処分に迷いながらその紙ジャケットを眺めていると無性にもう一度あのアンプで聞いてみたい衝動に駆られてきたのです。
そこで本気でレストアしようと思い立ったのが、去る2009年9月頃です。
■ まず最初に行ったのは資料の収集です。
WEB上で検索すると営利目的のものは除いて私と同じ想いで修理した方の記録がいくつかありました。
そこでそのいくつかのページを主催している方にずうずうしくも回路図を譲っていただけるか問い合わせたところ快く送っていただきました。
回路図が入手できたらパーツの調達ですが、特にトランジスタは発売から既に三十数年経過していることもあってそのほとんどがディスコン(廃品種)となり入手は大変困難で
たまにオークションに出品されていてもプレミア価格でとても高価。
特にパワートランジスタのサンケン製のメタルキャン2SA744/2SC1402のコンプリメンタリーは中古でも入手は絶望でした。
この石のおかげで高域の自然な伸びとそれでいて豊かな中低域、全体的に聴き疲れの無い温かな雰囲気が醸し出されているのでM−22レストアには欠かせない必須のものですが、手元には故障してから修理する目的で当時の「若松通商」から通販で取り寄せしたものが各6個計12個あるだけです。(因みに当時の値段は1個300円前後でした。もっと買っておけばよかった)
話は前後しますが、実際に私のM−22の故障箇所はというと右チャネルのパワートランジスタのオープン(結露によって異常な電圧または電流が流れ内部が焼き切れた)状態とパワトラに直結された電源部あたりの抵抗とセラミックコンデンサ、ダイオードの損傷が疑わしいことが判っています。
この結露の問題は特に真冬に発生します。
M−22の特徴であるヒートシンク剥き出しのデザインが仇となりファンヒーター等の暖かい空気が本体に直接向けられると水滴が滴るほどに流れるので注意が必要です。
そのほか本体のシャーシもアルミダイキャストですのでここに大量の結露が発生すると
100v配線付近から煙が上がり運悪くヒューズの手前ですと家庭用コンセントから煙が出たりするかもしれません。
冬場ではまずは部屋を温める前に本体の電源を入れ15分〜30分程度アイドリングしてフィンに手で触れて十分暖められたことを確認してからヒータなどで部屋を暖めたほうが良いですね。
因みにM−22はA級アンプですので入力ソースが無くても常にフル増幅しており電源投入後15分もするとフィンが熱くなってくるのが分かるほどです。
では話をパーツ収集に戻しましょう。
前述したとおりオリジナルのトランジスタの入手は初段〜ドライバ段、終段もすべて絶望的ですのでここはレストアといっても回路定数を変更しなければ互換トランジスタを使用しても良いということにしました。(逆に回路定数を変更しなくても使えるオリジナルに限りなく近い特性のトランジスタを使わなければならないということでもありますが?)
■ 互換トランジスタに関して
一口に互換といってもオーディオ用となると話は違ってきます。
下記は2SA725とお勧め互換トランジスタの規格です。
2SA902、906は現在入手困難ですが、836、990は現在でも入手できます。
特に836はft200Mhのローノイズですので魅力的なトランジスタです。
尚、下記のトランジスタデータは「マイナーオーディオの部屋」さんのデータからの転載ですが、古いトランジスタの規格を知ることができるので大変ありがたいです。
互換 |

