もりつちの徒然なるままに

<禁無断転写> ウォーゲームの話、戦史の話(かなり濃い目)、旅の話などを書いてみました。

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国際通信社が2014年にライセンス発売したPacific Rim社の「Across the Pacific」は、プレイする前から期待度の高かったゲームである。太平洋戦争全域を扱いながらも2日もあればプレイ可能という高いアビリティ、駆逐艦以上の主要艦は殆どユニット化されている細かさ、機種別、練度別にレーティングされた航空部隊等、ディテールとプレイアビリティが上手く融合している感があった。特に大戦末期の日本側新鋭機を高練度搭乗員で戦わせることができる(かもしれない)というのは魅力的であったし、それがエセックス級の空母、コルセアやタイガーキャットのような新鋭機と相まみえる(かもしれない)のは魅力を感じさせる部分といえた。

そんな訳でこの機体の新作「Across the Pacific」を早速練習プレイしてみることにした。選択したのはシナリオ2「リメンバー・パールハーバー」。太平洋戦争ものにはよくある「第2Turnからのシナリオ」である。今回プレイに参加したのは4名。内2名は経験者、2名は初心者で、日米それぞれ1+1名に分かれて対戦した。下名は米軍を担当する。

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第2Turn(42年5月ー9月)

イメージ 7序盤の米軍は航空機や艦船が少なく、エアアンブレラによる連絡線もエリス諸島のフナフティ島までしか展開されていない。従って航空戦力を南に送り、エアアンブレラをソロモン・ニューギニア方面に広げる必要がある、しかし、いずれにしてもこのTurnはフナフティ島を中心にして守りを固める。それ以上前、例えばエスピリッツサントまで出ていくと、ラバウルから発進する基地航空隊の攻撃目標と化してしまうのだ。

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イメージ 8日本軍は3個のタスクフォースを編成。2個をガダルカナル北方海面に進出せしめ、もう1個のタスクフォースををミッドウェ―近海に出撃させてきた。米軍は空母部隊2群を編成(シナリオの初期配置が真珠湾とエスピリッツサントなので、そうせざるを得ない)。手薄と思われるミッドウェー近海の日本艦隊へ集中攻撃を行った。
果たせるかな、ミッドウェー近海に現れたのは、空母1ユニット、軽空母1ユニットを基幹とし、戦艦、軽巡等を護衛につけた中規模な機動部隊。それに対して空母3ユニットを有する米機動部隊が空襲をしかけていった。太平洋戦争初の空母対空母の対決である。
この戦いで米機動部隊は空母戦における被害の多さに驚かされることとなる。

イメージ 9F4F、SBD、TBDの各種艦載機を計9ユニット搭載した米機動部隊。彼らはF4Fを全てCAPに回し、SBD艦爆とTBD艦攻各3ユニットで日本艦隊を襲う。まず最初にTBD雷撃隊が空母に突入する。日本艦隊の上空援護は零戦、96艦攻各1ユニットと比較的手薄であったため、戦闘機の防空圏は難なく突破。引き続いて敵艦隊上空に達した艦攻隊は対空砲火の洗礼を浴びることになる。対空砲火によって1ユニットを撃ち落とされた艦攻隊は敵本隊への攻撃は諦め、敵前衛部隊を攻撃することになる。しかし2ユニット合わせてもやっと「6のみ命中」という悲惨な状態で攻撃は勿論失敗。艦攻隊による攻撃は骨折り損に終わった。

イメージ 11イメージ 10引き続いてSBD艦爆3ユニットが日本艦隊を攻撃。この攻撃隊はCAP網を難なく突破し、対空砲火に対しても幸運にも無傷で切り抜けた。さあ攻撃開始。熟練の急降下爆撃によって空母「翔鶴」「瑞鶴」を撃沈、戦艦2ユニット(4隻)を大中破せしめた。
一応空母決戦には勝利し、日本艦隊に打撃を与えることには成功した米機動部隊であったが、その成功は多分に強運に助けられている感が強い。出目が悪ければ損害ばかり多くて戦果が全くでないということも十分あり得る攻撃であった。そしてそのことは次のTurnの戦いで思い知ることになる。

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ちなみにソロモン諸島で日本軍はガダルカナル島に上陸。米豪連絡線遮断に向けて航空部隊を同地に進出せしめていた。


第3Turn(42年10月ー43年2月)

イメージ 17米艦隊に軽空母1ユニットが登場。これで空母4ユニット体制になって一応日本機動部隊に対しても数的な優位を確立した。搭載機については、先のミッドウェー海戦で失われたTBD艦攻1ユニットに対して、SBD艦爆1ユニットで補強。米機動部隊全部合わせた所における艦載機数は、F4Fx4、SBDx4、TBDx2、TBFx1の計11ユニットとなった。

イメージ 12このTurnから日本軍の受け取るPOLが1個となる。POLとは艦隊の燃料事情を抽象的に再現したもので、タスクフォースを編成するためには必要なものとなる。POLが1個ということは1Turnに編成可能なタスクフォースが平均1個に制限されるということ。攻勢を仕掛ける場合、最低2個、できれば3個のタスクフォースが欲しい所なので、1個というのはキツイ。対する米軍は空母中心の空母機動部隊と戦艦中心の水上打撃部隊を編成した。後者は願わくは対基地艦砲射撃を企図して編成した艦隊であったが、結果から言えば不要だったかもしれない。それよりも空母機動部隊に高速戦艦も含めて一大空母艦隊とした方が、対空火力その他の面で有利だったように思えてくる。

イメージ 13日本軍は唯一のタスクフォースをポートモレスピー近海に配置。明らかにポートモレスピー上陸を狙った布陣だ。対する米軍は戦艦隊と空母部隊の両方を日本側タスクフォースの行動を扼する地点に配置した。また日本軍は重巡中心のタスクグループをラバウルに配置した。タスクグループとは、タスクフォースの簡易版で、戦艦や空母といった主要艦艇は含まず、かつ自軍港湾から行動半径以内(最大6Hex)までしか行動できないローカル部隊である。洋上遠くミッドウェーやハワイを狙うには役不足だが、ソロモンや東部ニューギニアのようにラバウルの行動半径内であればそこそこ使える。

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イメージ 11そして始まった航空決戦。先手を取った米空母部隊は日本側タスクフォースに決死の航空攻撃を仕掛けた。日本側タスクフォースの正体は護衛空母と高速戦艦を含んだ大規模な上陸艦隊。単なる輸送船団ではなくその防空能力は半端ない。SBD艦爆4ユニットからなる米空母からの攻撃隊は、CAPと対空砲火により攻撃隊の半数(2ユニット)を失いながらも残り2ユニットが日本輸送船団に決死の急降下爆撃を敢行。見事に輸送船2ユニットを撃沈し、乗船していた2個師団の地上部隊を海の藻屑とした。日本軍は上陸部隊の2/3を一気に損失してしまう。

イメージ 14日本軍は米空母部隊に対して基地航空部隊で反撃を敢行。計6ユニットの水平爆撃機が米機動部隊を襲う。しかし米機動部隊はF4F 4ユニットに加えてTBD、TBF計3ユニットもCAPに上げて待ち構えていた。練度修正が低く、対艦攻撃力も限られているこれら艦攻部隊は、下手に攻撃用に温存しておくよりも戦闘機の下駄として使った方が得策と判断したためである。この作戦が功を奏し、日本側の攻撃隊はCAPと対空砲火によって大損害を被った。僅かに残った1ユニットの水平爆撃機が軽巡「マーブルヘッド」に爆撃を敢行するも失敗。米機動部隊の強力な防空網が日本攻撃隊を打ち破った。

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感想

イメージ 15概ねルールの理解はできたので、このあたりで切りも良いのでお開きにした。ここまでの所要時間はセットアップも含めて約5時間。1Turn平均2時間程度なので、全9Turnのキャンペーンシナリオも十分にプレイ可能だと思われる。
プレイしての感想は、まず航空戦の消耗が激しいこと。CAPや対空射撃を浴びれば、空母艦隊1個分の攻撃隊等あっという間にすり潰してしまう。上の例で、輸送船団相手にSBD艦爆隊が半数を失ったのが良い例だ。しかも空母艦載機の補充は極めて少ない。実の所戦前型空母の艦載機を、次世代型機(F6F、F4U等)に換装する機体すら事欠く有様。仮に最終Turnまでプレイしたら、戦前型空母の大半はF4FワイルドキャットやTBDデバステータで終戦の日を迎えることになるだろう(それまで生き残っていれば、だが)。

イメージ 16このあたり、評価の分かれる部分だと思う。1Turn=5ヶ月というタイムスケールなのである程度ブラッディなのは仕方がない。しかし艦載機の補充が殆どないというのは如何なものか?。日本軍の場合は兎に角、米軍の場合は空母に載せる艦載機に事欠くという状況はあまり頂けない。戦略級ゲームなのであまり細かいディテールに拘る必要はないかもしれないが、違和感は禁じえない所だ。

こういった些細な点を除けばプレイアブルでプレイしやすいゲームだと思う。一部ルールに曖昧な点(例えば後退ルール等)があり、事前調整が必要だとは思うが、慣れれば2日でキャンペーンシナリオがプレイできるというのは魅力的だと言える。あとは上記で書いたブラッディさがキャンペーンシナリオを破綻させる原因になるかどうかが気になる所だが、そればかりはプレイしてみなければわからない。

いずれにしてもキャンペーンに挑戦したくなる作品には違いない。

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