もりつちの徒然なるままに

<禁無断転写> ウォーゲームの話、戦史の話(かなり濃い目)、旅の話などを書いてみました。

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"Tac Air"は1980年代後半にAvalon Hill社(以下、AH社)から発売されたシミュレーションゲームだ。テーマは1990年代に予想される欧州正面での地上戦及び航空戦である。当時、AH社はこの"Tac Air"以外に空戦ゲームの"Flight Leader"や地上戦ゲームの"Fire Fight"、戦車戦ゲームの"MBT"といった一連の現代戦ゲームを発表しており、この"Tac Air"もこれらの流れに乗った作品といえる。

"Tac Air"は陸戦をメインとする所謂作戦級のゲームだが、他の陸戦ゲームとは少々趣が異なっている。即ち"Tac Air"のタイトルが示す通り、本作の主役はむしろ航空兵力なのだ。1Turn=3時間、1Hex=1海里というスケールが示す通り、距離スケールに比して時間スケールが小さい。これは陸戦よりも海空戦に良く見られるスケールの取り方で、動きの速い航空戦の再現に焦点を当てたスケールと言えよう。

ユニットスケールは、地上部隊は主に大隊。航空機は1個フライト(4機)である。
システムは航空戦と地上戦の両方を再現するやや特殊な内容になっている。各Turnは、運動フェイズと航空フェイズに大別されるが、運動フェイズが所謂地上部隊の移動戦闘を扱う部分("I go, You go"方式)で、航空フェイズが航空戦闘を扱う。航空フェイズは10個のラウンドに分けられており、両陣営の航空機が地図上で交互に移動する。必要に応じて空中戦なども行う。

地上戦と航空戦の両方を扱ったゲームではあるが、基本システムはシンプルである。基本ルールは英文わずか4ページ。それでも地上戦闘、空対空戦闘、空対地戦闘、対空射撃の全てを含んでいる。基本となる地上システムは、移動・戦闘の繰り返しで、移動終了時のスタック禁止。戦闘は戦力差。攻撃時には自身にZOCを及ぼしている敵を全て攻撃しなければならないというシステムである。空戦や対空、対地戦闘も基本的には戦力差。使用するCRTが若干異なるだけで、戦闘解決方法は似たり寄ったりだ。

今回、この"Tac Air"の基本ルールだけを用いて練習シナリオをプレイしてみた。このシナリオは、開戦劈頭ソ連軍第6親衛戦車師団が国境突破して西ドイツ領内に雪崩れ込み、それを米軍の第2機甲騎兵連隊が阻止しようとする内容である。ソ連軍は戦車大隊3個と機械化歩兵3個大隊を主力とし、対する米軍は戦車1個大隊と機械化歩兵3個大隊を有している。地上兵力ではソ連軍が有利だが、米軍はソ連軍に比して強力な対戦車ヘリ部隊と航空兵力が与えられている。

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1Turn

機動フェイズ

ソ連軍第6親衛戦車師団の各部隊は東西国境を突破して西ドイツ領内に進入する。Dreisechseckigdorf市を守る米第2機甲騎兵連隊(湾岸戦争で活躍した機甲偵察部隊だ)は少しだけ前線を後退させながら、包囲されないように翼を広げる。

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航空フェイズ

イメージ 10両軍共全航空兵力を投入してくる。MiG-29x2ユニットのソ連軍制空戦闘機対がA-10x2ユニットの米攻撃隊に対して先制攻撃を仕掛けた。A-10が爆装を投棄してアボートする。
それに対して護衛のF-16が反撃転じた。MiG-29に対してヘッドオンからサイドワインダーを発射し、MiG-29の半個編隊を叩き落とした。

TacAirの航空フェイズが10回のラウンドに分かれていて、それぞれのラウンドで両陣営の航空機が交互の移動する。航空機の移動力は10(A-10のみは6)で、移動力自体は普通だが、移動機会が地上ユニットの10倍なので、実質的な移動力は大きい。航空機は任意のラウンドに地図上へ進入できるが、第10ラウンド終了までに地図外へ退出しなければならない。対空ユニットは移動中の航空機に対して対空射撃を実施できる。

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2Turn

機動フェイズ

イメージ 9ソ連第51師団の前衛部隊は、森のラインに陣取る米第2機甲騎兵連隊に対して攻撃を加えた。機械化歩兵大隊とヘリ部隊が大損害を被り、戦線の維持が難しくなってきた。米軍は虎の子戦車大隊を投入して反撃を実施。ソ連軍の戦車大隊1個を撃破した。

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航空フェイズ

このTurnは両軍とも航空兵力を整備中なので投入なし

3Turn

機動フェイズ

イメージ 11正面が膠着状態になってきたので、ソ連軍は機械化歩兵大隊を両翼に展開する。空からの攻撃を警戒してSAM部隊を随伴させたのだが、果たして役に立つかどうか。またヘリ部隊は勝利条件ヘクスのDreisechseckigdorf市に進入させてこれを占領する。米軍は戦車1個大隊とヘリコプター部隊をDreisechseckigdorf市まで後退させ、ソ連軍のヘリ部隊を攻撃し、+5の攻撃によってD3の戦果を得た。

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航空フェイズ

イメージ 12両軍の航空機が再び登場する。1ユニットまで減らされたMiG-29は、それでも米軍の編隊に対して果敢に挑戦するが、戦果なく撃退されてしまう。F-16 2個編隊、A-10 2個編隊はそれぞれ対地兵装を搭載して爆撃を敢行した。右翼から回り込もうとしているソ連機械化歩兵大隊を撃破した。

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4Turn

イメージ 13戦車2個大隊が回復したソ連軍はDreisechseckigdorf市の両翼を叩く。恨み重なる米戦車大隊に対しては、戦車1個大隊と機械化歩兵の共同攻撃で漸くこれを沈黙させた。右翼側では厄介なアパッチ攻撃ヘリを沈黙させたので、米軍の対応能力を大きく制約させた。
しかし米軍もさるもの。回復した機械化歩兵大隊をDreisechseckigdorf市まで後退させ、もう1つのアパッチ攻撃ヘリと共に町で居残るソ連軍攻撃ヘリ部隊を攻撃させたのである。既に混乱"3"に達していたソ連軍ヘリ部隊は順当に壊滅。米軍は再びDreisechseckigdorf市を奪回した。

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5Turn

イメージ 14ソ連軍はDreisechseckigdorf市に対する最後の攻撃を実施した。戦車1個大隊と機械化歩兵1個大隊による共同攻撃である。守る側の戦力は機械化歩兵1個大隊。それが都市に下車展開して抵抗する。機械化歩兵の防御力は都市の防御効果と相まって"11"になっていた。それに対してソ連側2個大隊の攻撃力は"9"に過ぎない。"-2"のコラムで攻撃したが、結果はソ連側に利あらず敗北。機械化歩兵が1混乱を食らってしまう。ソ連軍は腹いせに恨み重なるアパッチ攻撃ヘリ1ユニットを包囲攻撃で壊滅させたが、そこまでだった。

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結果

米軍の勝利

感想

1980〜90年代の戦いを描きながらも、まるで簡単なナポレオニックゲームのようなシステムである。戦力差のCRT、スタック禁止等、「一体どこのNAWシステムか」と思わせるゲームだ。とはいっても面白くない訳ではなく、隊形変更や対空戦闘、ヘリ部隊の機動等に現在戦っぽさが表現されている。

航空戦のルールはかなり強引だが、システムから想像するよりもゲーム上の負荷感は軽い。ただしそれはユニットが少ないからという点もある。ユニットが増えれば負荷感が急速に増大する可能性も否定できない。

今回は基本ルールだけのお試しだったが、上級ルールといってもそれほど量がある訳ではないので、今度は上級ルールにも挑戦してみたい。

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