もりつちの徒然なるままに

<禁無断転写> ウォーゲームの話、戦史の話(かなり濃い目)、旅の話などを書いてみました。

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GMT社のPanzerは、WW2期における戦車戦を扱った戦術級ゲームだ(断じて言うが、戦闘級ではない)。1ヘクス=100m、1Turn=15秒〜15分、1ユニット=1両、1門、1機、1個分隊/班である。これまでに何度か紹介してきた"MBT"の姉妹編にあたるゲームで、対戦車ミサイルやレーダー等といった現代戦ルールが省略されている(より正確に書けば、Panzerに対戦車ミサイルやレーダー等の現代戦ルールを追加したのがMBTである)。

今回プレイするシナリオは、拡張キット#1に含まれている「シレジアの黄昏、1945」(Twilight: Silesia, 1945)だ。これはタイトル通り1945年のシレジアにおける独ソ両軍の諸兵科連合部隊同士の激突を描いている。
ソ連軍はT-34/85、IS-2m、SU-100等の戦車、駆逐戦車が計12両。歩兵部隊が9個、歩兵を輸送する輸送車両が計6両である。他に盤外砲兵あり。輸送車両の数が足りないように思えるが、そこは赤軍得意の「タンクデサント」で乗り切ろう。
ドイツ側の兵力は、歩兵16個、対戦車砲4門、ヘッツァー駆逐戦車3両である。そこそこ強力なようにも思えるが、歩兵はいずれも練度最低(国民擲弾兵)。しかも2箇所の橋梁を守る必要があるので、兵力を二分する必要がある。ドイツ軍の強みは初期隠匿配置できること。しかしそのことが必ずしも有利にはなっていないことは、この後のプレイで明らかになろう。
そしてドイツ側には救世主「黒騎士中隊」が登場する。ティーガー1、ティーガー2、パンター、ヤークトパンター等計8両がゲーム中盤に登場する。「黒森峰高校」もかくや、という布陣だが、登場がダイス目次第なので出目が悪いとなかなか登場しない。無論、登場が遅れるとドイツ軍にボーナスVPが与えられるので善し悪しだが・・・。

なおルールについては、今回上級ルールは全て導入した上で、選択ルールも以下を除いて全採用とした。

7.1 Morale
7.7 Limited Spotting
7.12 Variable AP Penetration
7.23 Vehicle Collateral damage
7.37 Artillery Reconnaissance by Fire)
7.42 Staggered Initiative
7.52 Command Span

なお上記のうち7.37についてはこのシナリオでは採用しないことを推奨する(バランスを崩す可能性があるから)。その他のルールは好みに応じて採用しても良いと思う。(私は面倒なルールは採用しなかったが)

先にも述べた様にドイツ軍は2ヶ所の橋梁を守る必要がある。そこで兵力を2分し、それぞれマップ左側の橋梁、右側の橋梁付近に伏せさせた。初期隠匿配置は4箇所まで設定可能。そこでそれぞれ対戦車砲と歩兵でグループを組ませて、両方の橋の近くに伏せさせた。ヘッツァーは初期隠匿を諦め、地形を生かしてソ連戦車を伏撃出来る場所に配置する。

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1Turn

ソ連軍はドイツ軍右翼に攻撃を集中すべくその方面に展開してきた。中戦車と重戦車の各1個小隊(計5両)がドイツ軍に姿を見せた状態で前進する。無論、間接射撃を恐れてハッチは閉めたままだ。
その他の部隊はドイツ軍に姿を見せないように森に隠れた谷間を移動する。


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2Turn

イメージ 8ドイツ軍の間接射撃が火を吹いた。81mm迫撃砲の弾幕射撃がT-34/85中戦車中隊を捉えた。しかし迫撃砲の限定された威力では主力戦車に有効打を与えられない。T-34/85は中戦車とはいえ、6年後の朝鮮戦争では国連軍を苦しめた性能を有する優秀な戦車なのだ。
ソ連軍は重戦車小隊をドイツ軍の陣前800mまで前進させて動きを伺う。また制高点である2.17高地にはSU-100駆逐戦車3両からなる駆逐戦車小隊が下方を伺う。
中央の渓谷を進む戦車及びトラック部隊は、最初にタンクデサントのT-34/85小隊3両から短機関銃分隊3個が下車。敵陣前700mで突撃展開する。

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3Turn

イメージ 9ソ連軍駆逐戦車小隊が陣取った制高点は、ドイツ軍盤外砲兵の事前照準点であった。激しい砲撃がソ連軍の駆逐戦車を襲う。81mm迫撃砲の弾幕が3両のSU-100を包み込んだ。しかし距離が遠い上に射撃側の練度が低く、有効打を与えるには至らない。
小道を進んできたソ連軍のT-34/85中戦車小隊に対し、距離900mからドイツ軍駆逐戦車ヘッツァーが主砲を放った。射弾は見事にT-34/85を捉えたが、前面の重装甲が75mm徹甲弾を跳ね返した。
ヘッツァーの発砲炎を捉えたSU-100 3両が距離1600mから報復の砲火を浴びせる。しかしハルダウンしたヘッツァーに対してSU-100の射弾は悉く外れた。挙句の果てには、1両のSU-100が弾薬不足を来してしまう。
突撃を開始するソ連軍歩兵に対しては、ドイツ軍の重機関銃が火を吹いた。ソ連軍短機関銃部隊がその足を止められてしまう。75mm対戦車砲も火を吹いたが、惜しくも射弾はソ連戦車を捉えられなかった。

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4Turn

イメージ 10Lorendorfの町の突端部にドイツ軍の拠点を確認したソ連軍は、間接射撃を要請する。練度の低いドイツ軍国民擲弾兵とは違って、ソ連軍は実戦慣れしたベテラン部隊だ。ソ連軍の砲兵は狙い違わず目標ヘクスに着弾。重機関銃部隊を壊滅させ、歩兵部隊、観測班を制圧状態とした。
さらにT-34/85 3両の榴弾射撃で75mm対戦車砲を撃破。残るはヘッツァー2両の若干の歩兵のみである。しかしこのヘッツァーが意外と厄介。前面装甲が厚いので、T-34/85の85mm砲では正面からの撃破が案外困難なのだ。虎の子IS-2mの122mm砲なら難なく片付けられる相手だが、貴重な大型徹甲弾をこんな小物に使って良いものかどうか。数Turn後にはドイツが誇る化け物戦車が群れを成してやって来るのだから。

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5Turn

イメージ 11先手を取ったのはドイツ軍だった。ここで漸くドイツ軍が一矢を報いた。距離600mから放ったヘッツァーの75mm徹甲弾がT-34/85の砲塔正面の装甲を貫いたのだ。T-34/85が爆発炎上する。しかしその報復は凄まじいものであった。SU-100が1600mから放った100mm徹甲弾がハルダウンしているヘッツァーの正面に命中。一瞬にしてヘッツァーは紅蓮の炎に包まれる。もう1両のヘッツァーは距離1200mから3両のT-34/85の集中攻撃を受けた。1発の85mm徹甲弾がヘッツァーの履帯に命中。走行不能になってしまう。
ソ連軍の歩兵部隊がドイツ歩兵の守るLorendorfの街に近づいてきた。前線で撃破されたドイツ兵はほうほうの体で後退する。第2戦のドイツ歩兵は、物陰に隠れながらもソ連兵の近づいてくるのを待つ。それにしても友軍の救援部隊はいつ来るのか?。黒騎士中隊はまだか?。

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6Turn

イメージ 12先手を取ったのはソ連軍。先にヘッツァーの履帯に命中弾を与えていたT-34/85 3両が再び砲火を集中する。1発の85mm徹甲弾がヘッツァーの砲塔正面に命中する。ヘッツァーの正面装甲は避弾経始を考慮されたデザインなので、徹甲弾に対する抵抗力は比較的大きい。が、それは射弾が水平に飛翔してきた場合のことである。今回、高地を占めたT-34/85小隊は、所謂「撃ち降ろし」で徹甲弾を放ってきたのだ。斜め上方からの徹甲弾に対しては、ヘッツァーもその避弾経始を十分に発揮できない。距離1200mを飛翔した85mm徹甲弾は、十分な運動エネルギーを残したままヘッツァーの砲塔正面に深い角度で命中した。ヘッツァーの正面装甲を貫いた徹甲弾は内部で爆発。ヘッツァーは炎上こそしなかったものの、その機能を完全に失った。
Lorendorfの町に入ったソ連軍は、逃げるドイツ軍歩兵を追う。練度・数・士気のいずれの点でも勝っているソ連軍歩兵はドイツ軍を圧倒。ドイツ国民擲弾兵1個分隊がソ連兵の虐殺にあった。

余りにあっけなくドイツ歩兵が撃破されてしまったが、これはドイツ軍が新兵(Green)であったこともさることながら、戦い方が不味かった点は大いに反省しなければならない。ドイツ軍SMG歩兵分隊の1ヘクスでの火力は10火力、ソ連軍歩兵分隊の防御力は2である。仮にドイツ軍歩兵が距離1ヘクスで臨機射撃を行った場合、相手が平地なら42%でステップロス、34%で制圧下になる。ソ連歩兵が無傷で済むのは24%に過ぎない。さらにここで次のTurnの射撃フェイズが加わるので、先手を取れれば47%でステップロス、34%で制圧下になる。普通の出目なら、たとえ新兵であっても、2倍の敵を足止めできる。
今回不味かったのは、FOや対戦車砲と通常の歩兵をスタック(近接配置)したこと。これによって相手はドイツ軍に隣接しなくてもドイツ軍を発見できる。そこに対して強力な盤外砲撃を浴びせかければ、労せずしてドイツ軍の防御拠点を制圧できよう。
もしドイツ軍が対戦車砲やFOと一般の歩兵分隊を分離させていれば、ソ連軍はそれを排除するのにかなり苦労を強いられるだろう。何故なら何らかのカバー地形でフルカバー状態の敵歩兵を発見するためには、敵に隣接するしかないのだから。隣接した瞬間に先の防御砲火を食らうので、攻撃側はかなりの出血を強いられるはずだ。

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7Turn

ソ連軍歩兵部隊の大半ががLorendorfの町に入った。彼らはその圧倒的な兵力を背景にして、ドイツ軍国民擲弾兵1個分隊を瞬殺する。これによってLorendorfを完全占領したソ連軍は、さらに対岸に陣取るドイツ軍陣地を伺う。

ハイスタックで白兵戦を仕掛けられたら、防御側としては支えられるものではない。従って先にも述べた様に臨機射撃や準備射撃が防御側にとってはほぼ唯一のチャンスとなる。

と、この段階で最初のゲームはお開きとした。理由はドイツ軍の初期配置に修正点が見つかったからである。もう少しマシな配置を試してみたいと思った。


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