小説「SAP=BOH(NOS)」-1
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薬師如来(Buddha of Healing) 第5章 海洋調査船「ノーチラス」(Mission of Nautilus) Chapter 07 ヤクシは、いつもの監視する作業をしていた その中で、サンライトとムーンライトが気になることがあるみたいだ 「ヤクシ様、これをどう思われますか?」 その言葉に応えるように、ディスプレイが切り出された それに映し出されたのは、2つのインターフェースの姿が映し出された 1つは、猫耳に猫の尻尾をつけた少女の姿だった もう1つは、狐耳に狐の尻尾をつけた少女の姿だった すると、ヤクシが言った 「レナとフィナだな 内山果歩と滝田聡美のインターフェースだ それが、どうした?」 それにサンライトが言った 「インターフェースの擬人化には、定めはありません ですが、あまりにもラフすぎるというか。。 ふざけすぎではないでしょうか?」 それにムーンライトもいう 「そうです 猫耳とか、狐耳とか、尻尾なんて。。」 「そうか。。? 美和のジルなど。。 両性だぞ 男の時は執事だし、女の時はメイドだ。。」 「そうですが。。」 「直子のレオは、黒髪のイブだ それもTシャツにジーンズだぞ」 「そうですが。。」 「それに、保夫のアステロイドは。。 小人だぞ」 「たしかに。。」 「それに姿形(すがたかたち)など、どうでもいいことだ それにあの2人は、おそらく一番の働き者だろう」 「ですが。。 姿は姿勢の反映ではないでしょうか。。」 「そうか。。 お前達が不快と思うなら、イブに進言しよう」 そう言って、ヤクシが続けた 「だがな。。 私も、人のことを言える立場ではないのだ」 その言葉に、サンライトとムーンライトが、巫女姿のヤクシを見た 「私だって、職務に向かうとなれば。。 沙矢やイブ、洋子や遥のように。。 スーツを着るべきなのだろう」 そう言って、困ったように溜息をついた 「この姿は。。 遥が儀式の時に着ていた服だ 神事に着ていたのだ それが気に入ってしまってな。。 これを選んだ」 そう言って、楽しそうに立ち上がると、その姿で舞って見せる 「これには、さすがのイブも呆れていた。。 だが、私はこれが気にいっているのだ」 その姿は、本当に嬉しそうだ 「だから、お前達も私を真似る必要はないのだ もっと、自由にしたらどうだ?」 「良いのでしょうか。。?」 それに頷いて続けた 「レナもフィナも、インターフェースのくせに攻殻機甲だからな 必要があれば、戦闘に出向く そうであるならば平時のあのようなスタイルも、平和で良いじゃないか?」 「そうですね。。」 「だから、お前達も皆のスタイルでも見て、自分の気に入った姿でいたらいいのではないか? 平時には、平時なりの姿もいいのではないか?」 その日以来、サンライトとムーンライトは、お気に入りのスタイルで猫耳をつけるようになった そして、楽しそうに話し合うようになった ヤクシ・ルームは、以前より明るくなった そんなある日、ヤクシ・ルームは緊張に包まれていた それまで、猫耳をつけてキャッキャッと賑やかに話していたサンライトとムーンライトの様子も変わっていた ヤクシは、相変わらず巫女姿なのだが、彼女達は紺の戦闘服に身を包み、赤いベストを着ていた その姿は、今までとは打って変わって、凛としたものだった その2人が、司令官席に座るヤクシの前に凛と立っている そして、2人の前には、十二神将が片膝をついて控えていた それにサンライトとムーンライトが、檄を飛ばしている 「まもなく、予定時間である その時間帯は、システムがそれに集中することになる その間は、我々が防御しなければならない」 「はい」 「いいか 防御に集中しろ その期間中は、ゲートウェイ封鎖だ 外部サーバのポートの監視を強化する」 「はい!」 そのころ、サイエンス・アカデミー・プロジェクトの海洋調査潜水艦「ノーチラス」は、東経178度、南緯12度付近の海中を移動していた ノーチラスの前方に位置する操舵室では、イマージェンシーを告げる表示がなされていた 作戦開始を意味するものである 通常、ノーチラスは無人である 航行システムが、それを管理しており、その指示に従って移動している だが、社屋のミラーという考え方をすると、そこにはスタッフがいるのと同様である なぜなら、ノーチラス内部にあるインターフェースが同様に動作しているからだ 通信士システムが報告している 「『ニーベルングの指環』より通信 本艦周囲5海里に障害物なし 作戦遂行に支障を認めず」 その報告に応えるように艦長システムが言った 「予定通り、1400に作戦を開始する 総員、配置につけ」 それに「了解」の返ってきた 「バラスト排水 静音浮上」 「バラスト排水!」 副官システムの声に応えるように「バラスト排水」という言葉が返ってきた 赤道より南方の海域である 上空には青空が広がり、白い雲が浮く穏やかな海である 周囲には、水平線が広がり、何もいない 風もなく、静かな海が広がっていた その青い海に黒い影が浮き上がってきた それが静かに上昇してくる 海の中を静かに、黒い影が進みながら移動してくる感じである ひょいと潜望鏡が出てきて、それが海面を切るように移動していく それが徐々に上昇して、まもなく艦橋が現れた そして、艦橋とそれに続く長いドームが現れた その下に船体が僅かに出るように浮き上がり、静かに進んでいく 海上の船体が、太陽の光と海に反射する光を受けて、玉虫色に見えていた 「現状を報告せよ」 「異常を認めず」 「機関停止!」 「機関停止」 ディスプレイでは、カウントダウンが始まっている 「上部発射管 1番、2番、3番を開け」 「上部発射管、1番、2番、3番、開きます」 その言葉に従って、長いドームの後部のハッチが音もなく開いた 「発射準備完了!」 その言葉に応えるように、艦長システムの声が響く 「カウントゼロで、1番発射 30秒後に2番、発射 続いて30秒後に3番、発射」 「了解」 その言葉に従って、ディスプレイにセットの様子が表示される 「セット完了」 「了解 待機」 ディスプレイでは、カウントが数を減らしている コンマ以下のカウントが忙しく数が動いている その数字が、ゼロに向かって進行していく そのカウントがゼロになると同時に微かな振動が響いた 発射管からロケットが発射された 「1番、発射!」 それとともにゼロから、その数を増やしていく そして、30秒になると、次の微かな振動が響いた 「2番、発射!」 カウンターがその数を増やしている 続いて、60秒になると、次の微かな振動が響いた 「3番、発射!」 「上昇を確認 順調に上昇しています」 「発射管、閉鎖」 「発射管、閉鎖」 「発射管、閉鎖完了」 「水平潜行 深度50で待機」 「バラスト、注水 水平潜行 深度50! 待機!」 その言葉に従って、ノーチラスは静かに波間に消えて行った 潜水艦の黒い影が海中へと沈んでいく 青い海の中に、黒い影が徐々に小さくなっていく ノーチラスから発射されたロケットは、上昇を続けていた 「1番が発射されました」 立花絵里香のインターフェース「マーズ」の声が響いている 「2番が発射されました」 その30秒後に「3番が発射されました」と報告した マーズの声が続く 「ブースターは、順調に上昇中 まもなく、1番が大気圏を離脱します 大気圏離脱 衛星軌道に到達 ブースターを切り離します シャトルの制御を開始します」 そのような報告が3番まで続けられた その一方で、見星イブのインタフェース「イブシアン」が報告している 「ブースターが切り離されました ブースターは、落下を開始します 大気圏に突入します 大気との摩擦によって発火と破壊が始まりました まもなく燃え尽きます 地上20kmで消滅 被害はありません」 宇宙空間では、打ち上げられたシャトルが列を作って進行していた AFOS「オートマタ」が設置された無人宇宙ステーションに向かっている マーズの声が響いている 「シャトル、ドッキング体制に入ります」 宇宙ステーションの地球側に突き出たドッキング口が6個、円形に並んでいる そこにシャトルが到着して連結されると、それがぐるりと回って、次のシャトルの受け入れる 2番が連結されると、ぐるりと回って、3番のシャトルを受け入れた 「ドッキング完了 物資の搬入が開始されましてた ミッション完了を確認しました」 ヤクシの言葉が響いている 「ミッション完了 警戒態勢解除 平時に復帰せよ」 20120528 |
