地獄のような日々の中で人は人に出逢う 5
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それから数ヶ月はろくに動けなかった。
病院のベッドは思ったよりやわらかかった。
残酷なくらいに整った環境の中で僕は医療行為を受けた。
僕に考える時間を与えて欲しくなかった。
どうなるか先は見えてた。
病室で読書はしなかった。
インクの匂いが嫌いになってた。
小学生の頃は宗田理ばかり読んでた。
あの頃はすごくストイックに読書できてた。
1カ月のこづかいが500円だった頃で
もらうとすぐにバスに乗って書店に行った。
宗田理の本は500円で、僕は全財産をだして買った。
消費税が導入されて間もない頃だったから
僕はちゃんと税分も支払ったんだと思う。
店員さんがカバーをかけてくれてている時間が
僕は待ちきれなかった。
それくらいあの頃の僕は
思想に値打ちを感じられてた。
今の僕はどうだろう・・・・・。
ちゃんと感じられてるだろうか
誰かの 思想に きちんと 値打ちを。
病院でテレビは見なかった。 目がチカチカしたし、眉間のあたりが痛くなった。
小学生の頃から僕はあまりテレビを見なかった。
1日にに30分以上見ていると、すごい剣幕で親が飛んできてテレビを破壊した。
「頭がテレビになる」というのがその理由だった。
親はいつも僕を時間で管理した。常に首からストップウォッチをぶら下げていた。
僕はただ『特攻野郎Aチーム』が見たかっただけだった。
Aチームは1時間番組だった。だからそういった不具合が生じた。
見ていると心の底からワクワクした。
多分
頭がテレビになれてたからだと思う。
事故が原因で僕は何かに集中することができなくなった。
頭が少しおかしくなったみたいだった。
元々僕にはちょっとおかしなところがあったからその点は別に気にならなかった。
うちどころの悪さって過去形で表される場合が多い。
―――――――― 散漫だった。
―――――――― ひどく散漫だった。 散漫なまま見る景色って
でも、すごくハッキリとしていた。
べつにぼやけたりはしなかった。
ごまかしはきかない
ということなんだろう。
「頭がテレビになる」から・・・・・・・。
「頭がテレビになる」から・・・・・・・。
頭がテレビになると、どう困るんだろう。
受動的な人間になったら、何が困るんだろう。
能動的な人間だらけの世界ってすごく困る。
世界中が日々主導権を争ってる。
覇権をかけてる。
誰かがニュースを見てる。
でも、その誰かは、僕じゃないんだと思う。
誰かがニュースを見てる。
ニュースソースって事欠かない。
それってもっと驚いてもいいことだと思う。
とにかく後がすごくつかえている。
順番待ちのニュース・・・・・。
コンマなん秒かの出来事。
僕はひどく散漫に
心苦しく思う。
―――――――― 病室って広い。
―――――――― あの頃は 今より もっと。
―――――――― 頭がテレビに。
―――――――― 後がすごくつかえている。
つづく |
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