跳舞吧(SHALL WE DANCE)?

跳舞吧(SHALL WE DANCE)? 的願望を密かにもつサラリーマンの日記

稲盛和夫『働き方』

稲盛和夫(2009): 『働き方』三笠書房, 189p.
 

 稲盛さんは,「道しるべのない時代」,多くの人が「働くこと」の根源的な
意味を見失い,働くということに真正面から向き合っていない,との危機感か
ら,ご自身のこれまでの強烈な経験を交えて「なぜ働くのか」「いかに働くの
か」を本書に記していきます.
 
 それなりに,というレベルで色々と考えて仕事に取り組んできたつもり,で
したが,非常に多くの示唆を受けました.
 それなりに,や,つもり,ではなく,本気で仕事に向き合う動機付け,パワ
ーと元気を頂いた思いがします.
 私は本書を手にすることができて良かったと思います.
 
 私たちは,天職を,どこからか,与えられるもののように感じてしまいがち
です.仕事が合わない,面白くない.部署や会社を変えれば変わる,境遇を変
えれば変わる,と自分自身のことは棚上げし,他に転嫁してしまいがちです.
 しかし,稲盛さんは,「天職」とは出会うものではなく,自ら作り出すもの
だと論じます.充実した人生を送るには,「好きな仕事をする」か,「仕事を
好きになる」かのいづれかだが,しかし,好きな仕事を自分の仕事にできる人
は稀で,殆どの人は,「好きでもない仕事」からスタートしなければならない
と.
 では,いかにして「好きでもない仕事」を好きになるか.
 「愚痴を口にし,不満を抱くことをやめて,ともかく目の前にある自分の仕
事に集中し,心底没頭すれば,欲望を抑え,怒りを鎮め,愚痴を慎むことがで
きる」.自分の仕事を「天職」と思えるまでに打ち込んでいるかという,大き
な問いかけをしています.本気で取り組めば,仕事が好きになると言います.
 
 心底仕事に没頭すれば,何が得られるか.
 「働くことは人間を鍛え,心を磨き,「人生において価値あるもの」をつか
み取るための尊くて,もっとも重要な行為である」と教えてくれます.
 「いい仕事は,いい人間がしている」と.「悩みや苦しみを体験しなければ,
人は大きく伸びない」のだとも言います.
 目標を定めたら,山の頂上を目指して垂直に登る.妥協をせず,ストレート
に努力を継続する道を歩もうと.「誰にも負けない努力をする」.そうすれば,
できないと思われていた頂上に到達できると.
 
 稲盛さんは,人間のタイプには,「可燃性」「不燃性」「自燃性」の人がい
て,「自ら燃えなければ」何かを成し遂げることはできないと言います.
 「言われる前に自分からやる」,つまり,本当に仕事を好きになって,渦の
中心で仕事をする人間になれば,仕事の醍醐味を味わい尽くせると.
 逆に,周りが燃えているのに,その情熱や熱意を奪ってしまう「不燃性」の
人は,会社にはいてもらってはならないと断じます.
 どんなことにも気を込めて取り組む.細部をおろそかにせず,完璧主義を貫
くことが,働く基本姿勢だと指摘します.
 

 本書を読み進め,これまでの仕事を振返ってみると,あまりにも多い妥協の
数々に自分で驚いてしまいます. 
 私自身は,「自燃性」を目指して,多くの課題に当たってきたという思いが
ありました.プロジェクトでのリーダー経験や,リーダーではなくとも,シス
テム構築をカットオーバーするまでに解決しなければならない問題の多くに,
当事者意識をもって臨んできましたが,それでも,時々,これ以上は。。とい
う妥協があり,その妥協が,そこそこ,そつのない,しかし,決定的な成功と
も言いがたい,中途半端な結果に終わってしまい,心のなかで残念に思う経験
もしてきました.
 後からリスクを回収するために大変な思いをするよりは,リスクが発生した
都度,声を上げてリスクの芽を摘み取るほうが,仕事としては上手くいくし,
楽しく「さらに上」を目指せる,という思いで,そのような取り組みを心掛け
てきましたが,それでも,まだ道半ばだと感じます.
 そして,気が付けば,社会人として10年を過ぎようとしています.
 これからの人生を悔いなくするためには,やはり,日常のなかで大きなウェ
ートを占める「仕事」を,悔いのないように,一日一日を大切に,力を出し切
っていかなければならない,という思いを新たにしました.
 以前,中学校の恩師が「やるからには一番になれ」と話していたことを思い
浮かべます.
 ベストではなくパーフェクトを目指せ.純粋で強烈な思いがあれば,必ず成
功できる.
 気持ちが引き締まります. 
 
 2010.05.24.MON.

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