北京老学生・日本から台湾へ

2013年春、4年半ぶりに日本に帰国。2017年春、今度は台湾・台中へ。

全体表示

[ リスト ]

 先週、新たに原子力規制委員の名簿にあげられている、田中知(東大教授、元原子力学会会長)氏がいかに規制委員としてふさわしくないかを、彼が総合資源エネルギー調査会の基本問題委員会という場で行った報告をもとに説明した。

この田中知氏は、いわゆる原子力ムラを代表する人物であることは明らかだが、原子力規制委員会発足時に定めた人事案のルール(就任前の3年間に『原子力事業者等及びその団体の役員、従業者等であった者』は『欠格』とする)にも反しているという。
だが、規制委員会を所管する環境省の副大臣は、これを『新たな委員の人選で活用するものではない』と答弁しており、民主党政権時のルールにはしばられないとの態度を表明している。

このほか、田中氏は、東京電力の奨学金団体の審査委員長を務め年間50万円超の報酬を受けたり、原発メーカーの日立GEニュークリア・エナジーなどから『工学研究などのため』として、少なくとも2011年までの4年間、毎年110万円の寄付を受け続けたりもしている(『東京新聞』)という。

3・11事故について、国会事故調査委員会の報告書は、事前の安全対策に『手抜かり』があった原因として、<規制する側(原子力安全・保安院や原子力安全委員会など)が、規制される側(電力会社など)の虜(とりこ)>になっていたためと記述していた。
だが、またしてもこれが繰り返されようとしている。

安倍首相のやる、さまざまな機関(特に監視や規制のための機関)の人事案は、驚くほど『居直り』に満ちて、『限度をわきまえない』ものばかりである。
NHKの籾井会長を生み出すための経営委員人事と同じことが、行われようとしている。

誠に腹立たしいものであるが(これに対しては、自民党の河野太郎氏など超党派の議員グループも異議申し立てを行っている)、田中氏が、前の記事で紹介した、2011年11月9日の総合資源エネルギー調査会・基本問題委員会の第3回委員会で、見解を発表した時に他の委員から田中氏に対して発せられた質議の内容を一部、ここで紹介しておこう。

(かなり厳しいことが言われているので、少しは田中氏に対する『腹立たしさ』が軽減するかもしれない。
なお、以下の記述の大部分は、実は前にこのブログに書いたものを、再活用したものである。)
 
 田中委員の見解に対しては、合計で6人の委員が質問を行っている。
 その中に、非常に厳しい意見があったので、それを紹介したい(この他にも、批判する声はあったが、この2つが一番、厳しいトーンのような気がする)。

 なお、高橋洋委員(富士通総研主任研究員)は、原発反対派というよりも、どちらかというと「中間派」という感じをこの当時受けていた。委員の中で一番、若いかただったと思う。

 阿南久(ひさ)委員は、女性のかたである。この時点では、全国消費者団体連絡会の事務局長として、基本問題委員を務めているが、その後、2012年8月(民主党政権時ではある)には消費者庁長官になり、現在もその役職にある。
 
 また、文中、それぞれの発言の冒頭の、「ありがとうございます。」等は削除してある。
****************************************
<○阿南委員 
 田中先生は、これまで日本における原子力政策の推進の学者さんの中心的な存在でいらっしゃいますし、日本原子力学会の会長さんとでいらっしゃいますが、こうした原子力発電を推進してきた立場から、まず福島原子力発電所事故の総括、これだけの大事故を起こしてしまったということを許してしまったという、その反省はないのかということについてお聞きしたいと思います。
 
 今回の事故を起こした責任は誰にあるのかというと、直接的には東京電力が責任を負うべきとは思いますが、それを一緒になって推進してきました学者、そして、研究者には責任がなかったのでしょうか。
 田中先生のご発言を伺っていますと、どうもその辺が他人ごとのように聞こえてしまうわけですが、やはり責任の一端を担ってきたと思われないのでしょうか。

 今、8万人を超える福島県民が避難生活を強いられていますし、1万人を超える子供たちが全国の都道府県に転入学しているわけです。こうした現実を目の当たりにして、反省すべきことはないのかということを率直に伺いたいと思います。
 
○高橋委員 
 私は率直に申し上げまして、原子力の技術というのは疎いところでございまして、大変楽しみにしておりました。非常にまとまった資料で大変勉強になったわけですが、失礼ながら率直に申し上げますと、3・11の前に用意された資料なのかという印象を受けました。

 私は前回のこの委員会のメモでも提出をしましたが、20年程度かけて廃炉にすることが適切ではないかという考えを持っているのです。仮にその考えを棄却するとすれば、可能性があるとすれば非常に大きな技術革新がもう目の前に迫っていると、原子力の分野において例えばもう何か放射能の問題がすぐになくなるような薬剤が開発されるとか、例えば発電のコストがさらに10分の1になるとか、そういうものすごい技術革新が目の前に迫っているから今後も原発は続けるべきではないかという考えならば、考慮の余地があるかと思っているのです。

 そうではなくて、現状の状態、現状の技術でもって延長線上に続けていっても問題ないということでこういう発表をされているのか、それとも実は近い将来このような技術革新がさらに原子力の分野であるのだとか、その辺りについて教えていただければと思います。>
****************************************
 これらの質問に対する田中委員の回答は、次のとおり。

****************************************
<○田中委員 
 何点かどうもありがとうございます。すべてに十分答えられるか分かりません。
 
 まず初めに、阿南さんからの反省の弁がないのではないかというご指摘だったわけです。もちろん原子力に従事している者として、また、学会の今、会長もしていますが、そういうような原子力の教育研究を大学で行っていた者として、もう本当に今回の起こったことに対しては、本当に反省の念を何回も言っても、また語り尽くせないものがあるということは事実です。

 今日はちょっとその辺の話をしなかったところは申し訳ないと思います。でも、内容的には、私的には十分に事故の原因とか、あるいは原子力に関係してきた者として、どこが悪かったのか、どこが問題だったのかということもできる範囲というか、考えながら今日のプレゼンをさせていただいているところです。

 もし、言い方とか、内容等についてまだ不十分なところがあるということでしたら、またさらにそのようなところも踏まえて反省して、考えたいと思います。
(省略)

 それから、ちょっともしかしたら忘れているかも分かりませんが、高橋さんから3月11日の前に準備した資料ではないかと、そういう見方をされると大変私も説明法を変えないといけないかと思いました。

 私とすれば3月11日以降の状況も踏まえて、本当に原発がより安全性を向上させていく中で、本当にどこまで貢献できるのか、どれだけ貢献させていただけるのかというような本当に謙虚な気持ちでいろいろと考えたところです。そういう意味では、3月11日の前に準備したものとはかなり違うかと思いますが、人間一緒ですから、まだ説明方法等でまずいところがあれば、今後反省したいと思います。
 
 技術革新があるのかという話があったと思います。もちろんいろいろな廃棄物を、ある方法であれば核分離変換できるとか、いろいろな意見があります。それは先ほどの高速炉でもって廃棄物の量と毒性を減らせることはかなり確立された技術ですが、まだそれ以外のものはそんなに急に出るわけではございません。原子力の安全ということを初めに申し上げましたが、さまざまな安全対策を取っていくことによって安全性はさらに向上していくし、また、その新しい型の軽水炉、そういうものを踏まえた炉になっていますから、よりまた安全性が向上していると思います。(以下省略)>
****************************************

 まあ、何と官僚的な答弁かと、その当時も感じた。
 余り反省しているようにも感じられないが、これが田中委員の発言である。

 ともかく、3・11以降、日本の原子力政策をエネルギー比率という形で論議した委員会(公開で、賛成派、反対派が一堂に会して継続的に議論した場としては、ほとんど『唯一』のものではなかろうか)において、田中知委員は、このような『批判』にさらされていたのである。

 今日、報道によっては、田中氏の委員登用は、次期、原子力規制委員長に就任することを見込んでのものではないか、と書いているものもあった(どういうメディアの記事だったか、はっきり覚えていない)。

 仮に、田中知氏が委員長に就任したら、まさに『ゾンビ復活』であり、再び、<規制する側(原子力安全・保安院や原子力安全委員会など)が、規制される側(電力会社など)の虜(とりこ)>になることを意味するのであろう。
 
3・11からわずか3年後にこのような状態になるとは、『日本人』の『集団的物忘れ』も相当、進行してしまっているようである。


 
 
[http://politics.blogmura.com/politicalissue/ranking_out.html にほんブログ村 政治・社会問題]
 
 にほんブログ村のランキングに参加しています。
 この記事が面白いと思われたかたは、上記URLをクリックしてください。
 よろしくお願いします。                       

この記事に

閉じる コメント(0)

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

開く トラックバック(1)


.


みんなの更新記事