北京老学生・日本から台湾へ

2013年春、4年半ぶりに日本に帰国。2017年春、今度は台湾・台中へ。

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この記事の続きだ。


この論点整理の冒頭の部分では、『現行制度の概要』なるものがまとめられている。
このまとめ方自体が、『手抜き』という印象を受ける。



イメージ 1



これは、『有識者会議』のサイトに収録されている、この資料を画面表示したものの一部である。
そこからコピーして、その大半(一部省略する。これは字数を節約するため)を紹介する。

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【現行制度の概要】

①国事行為について
国事行為は、憲法に列挙されている国家機関としての行為。内閣の助言と承認により決定され、天皇に拒否権が認められない形式的・名目的な行為。

法律・政令の公布、国会の召集、国務大臣の任免の認証、大使の信任状の認証、栄典の授与、外国の大使の接受などが該当する。(略:摂政と委任について説明)

 ②公的行為について
自然人としての行為のうち、象徴としての地位に基づく公的なもの。
憲法上の明文の根拠はなく、義務的に行われるものではない。

天皇の意思に基づき行われるものであり、国民の期待等も勘案して行われるべきもの。個々の天皇の意思やその時代時代の国民の意識によって形成・確立される。(略)

象徴としての天皇の公的行為を他の者が事実上代行したとしても、象徴としての行為とはならない。
地方事情御視察、災害お見舞い、外国御訪問、御会見、宮中晩餐などが該当する。

③その他の行為について
自然人としての行為のうち、公的行為以外のもの。天皇の意思に基づき行われるもの。 ・宮中祭祀、神社御参拝、御用邸御滞在、大相撲御覧、生物学御研究などが該当する。
****************************************

天皇の行為は、憲法第7条に定められている『国事行為』(内閣の助言と承認により、国民のために行う)以外に、『公的行為』と『その他の行為』とがあると解されているらしい。

これまでにも、この『有識者会議』で行われたヒアリングの内容を一部、紹介してきたが、安倍首相のホンネに近いのではと推測されている人々(どちらにしても、首相官邸ないし、この『有識者会議』の事務局で人選を行った人々だが)は、『天皇は勝手に、公的行為をどんどん拡大していって、それを一種のハードルと転じせようとしている』『自分で勝手に天皇の行為の中身を拡大し、あるいはハードルを上げ、それができなくなったから、<退位したい>というのは我がままでしかない』などと非難しているのが伝えられてきた。
しかも、それは一人や二人の言説ではない。

最後の『その他の行為』については、ほとんどここで述べられていないが、これも曲者である。
このなかには、『宮中祭祀』などがあり、『大相撲御覧』などと並列して記されているが、全く性格の異なるものである。『宮中祭祀』はある種の宗教色(神道?)を帯びたものであり、しかもいつの時代からのものか、はっきりしないものもある。

本来、『日本国憲法』の精神からすれば、『宗教』からは自由であるべきと思われるが、『皇室の伝統』という美名で、天皇あるいは皇后等に半ば『義務づけられている』ようなものもある。

しかも、珍妙なことに、今上天皇の行っている『公的行為』(戦争や自然災害にからんだ慰霊にまつわるものが多いと感じる)について、極めて冷淡な人々は、そのほとんどが、この『宮中祭祀』についてはその重要性を高く評価する。

むしろ、天皇は外を出歩いて(勝手な?)『公的行為』などしなくとも良い。ただ、『天皇という地位』にとどまり、宮中で祈っていてくれさえすればそれで良い、というような事さえ平気で口にしている(例のヒアリングのなかで、これまた複数の人物がこのようなことを主張している)有り様である。

このように、『天皇の行為』とはどのようなものであるのか、それをどう評価するのかは、現在の憲法下での天皇制のあり方を考える上で重要な事項であろう。
また、今回の天皇ご自身からの、いわゆる『生前退位』の問題提起を考えていく上でも重要な『キーワード』であったはずだと思う。

ところが、この御厨座長代理が(官僚の手を借りながら)まとめたはずのこの『論点整理』では、ほとんど全くと言っていいほど、その中身についての『考慮・検討』がされないままに、後段での『制度改正による負担軽減』の話に移ってしまっている。

そもそも、今回の問題提起を、この『有識者会議』の名称となっている、『天皇の公務の負担軽減等』といった形にまとめてしまうこと自体に、『恣意』と『問題の矮小化』の姿勢を感じとることができる。
そして、このあとの『考慮・検討』の仕方が、またまた驚くべき内容になっている。
(つづく)






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