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NIH grant 情報収集

アメリカにおけるグラント申請に関する知識が全くないため、情報収集してみた。まずネットで調べ、ある程度の概略を掴んだ。

・日本に比べて申請書の分量が多い(若手予算で10−20枚、大型予算で40枚)。
・ピアレビューが透明で、まるで論文投稿のような感じになる。
・独創性の高さか、自明なる高度な重要性のどちらかが必須。

K99に関していうと、CNSを複数出している研究者がゴロゴロいるとのこと。とはいえ、それだけで採用されるものでもないらしい。科研費申請やポジションへの応募には、流れるようなストーリーと隙のない論理構築が求められる。しかし、こうしたCNSホルダー達が必ずしもこうした能力を有しているわけではないとのことである(やや驚きではあるが!)。超前向きに考えれば、そこに付け入る隙があるのかもしれない。

詳細な科研費申請のプロセス、ピアレビューシステムに関しては、以下の書籍がとても役立った。読みやすさ、詳細さなど、際立っていると思う。アメリカの大学教育システムから話しが始まるため、ライバル達のバックグラウンドを予想するのにも役立つ。

切磋琢磨するアメリカの科学者たち 
- 米国アカデミアと競争的資金の申請・審査の全貌 -

著者は東大 先端科学技術研究センター教授の菅 裕明 氏。博士課程から渡米し、MITで学位取得後、MGH(Harvardの関連病院であると同時に優れた研究機関でもある)でポスドクとして勤務し、NY州立大でassistant professor, associate professor(テニュア取得)となる。その後なぜか助教授として東大に移り、現在に至る。すなわち、日米の教育システムおよび科研費システムに通じているのである。特筆すべきは、自身のアメリカにおけるグラントのピアレビュー審査員としての経験もふまえた上で論じられていること。グラント申請について、申請者と審査員の両方の視点が “日本語で” 記述されている貴重な1冊だと思う。個人的には、随所にちりばめられた著者による日本への熱い提言が好き。残念なのは、情報がやや古い(2005年までの情報)。たとえば、K99 は2006年からスタートした制度なのだ。

ここまで調べると、グラント申請書類の書き方が気になってくる。日本と質的に異なるピアレビューシステムで運営されているわけなので、日本における僕のライティングスキルがそのまま適用可能であるとは思えない。

考えられる可能性は2つ。
i) アメリカ人と友達になり、申請書を見せてもらう
ii) ノウハウの書かれた書籍などを探す

前者は厳しいのは自明。それなりに優秀な研究者とそこまで親密な関係を構築するのにどのくらい時間がかかるのか予想できない。コントロールできない要素を前提とするなんて、あまりに安易な気がする。てなわけで後者にトライ。そして見つかった。。あっさりと。(アメリカは何でも書籍化しちゃうのね、、)。Amazon.comで "NIH grant" で検索すると山のように出てくる。どうやらアメリカでは、大学院講義の一環としてGrant applicationなどのライティングの講義があるようだ。多くが大学院生向けのようである。あまりに初心者向けすぎても無意味なので注意が必要かもしれない。初心者向けのものは日本語の書籍でかなり勉強したしな。

僕は以下の2つを購入する事にした(つまり、まだ読んでいない)。

Grant Application Writer's Handbook
Liane Reif-Lehrer (著) 

Guide to Effective Grant Writing: How to Write a Successful NIH Grant Application
Otto O. Yang (著) 

前者はどうやら割と古くからあるものらしく、これが第4版。何より惹かれたのが網羅的である点と、アクセプトやリジェクトの両方の申請書に対するコメントがリスト化されている(らしい)点。僕は幸い、CNSのピアレビューを割と頻繁におこなわせてもらってきた。著者らとの粘着質なほどのアピールや、多くのレビュアーコメントや、それに対する著者らの粘着質な反論は、大いに勉強になった。コレを知らずしてトップジャーナルに投稿するのは苦労しそうだなと感じるほどだった(知ったところで自分が投稿するのとは別次元の問題ではあるけど)。グラント審査も同様の理由から、レビュアーコメントを知る事は有効だと思う。難点は大型本である事。持ち歩きに不向きだし、本気で読み込もうと思うと時間がかかる。

後者は2012年3月発売予定の最新のガイド本。最も情報が新しいのが魅力。NIH grantは変更が多いらしいので、最新の情報を仕入れる事が重要と判断した。比較的コンパクトなので、持ち歩きながら短時間で読むのに向いている。内容も初心者向けすぎるということもなさそう。

さて、ここまでいろいろ調べたが、実は海外からの研究者が応募出来るグラントは少ない。多くの場合、グリーンカード(永住権)が必要となるらしい。この点に関しても調べてみたのだが、どうやら日本人研究者の場合、比較的容易に取得出来るようだ。弁護士を通すと(重要らしい)平均して6ヶ月程度で取得出来るようだ(4例の平均、書類準備3ヶ月、申請から認可までは3ヶ月)。弁護士へ支払いも含めて費用は6000-8000ドル。現在のレート(1$=\75)で50-60万円程度か。

海外学振は2年。K99の結果が分かるのは2年目と思われる。本気でアメリカでの独立を目指すならば、転居後即座に手続きを開始するのがベストだろう。さもないと無収入になる可能性だってある。でも、家族がアメリカ生活に馴染めなかった場合は時間とお金の無駄になる。子供の教育、両親の世話など、プライベートでは心配なことが多い。

自分に必要なグラントと申請期限をリストアップし、それに併せてタイミングを決定することにしよう。渡航後6ヶ月ほど様子を見て、楽しめそうならばグリーンカードを申請すれば良い(半年でなにが分かるのやら、、)。英語やアメリカ式の手続きに慣れた頃に手続きをするほうが気が楽だろうし。仮に数ヶ月間の収入の空白が出来そうになったとしても、そのときはボスに頭を下げよう。そのくらいは助けてくれるんじゃないかと思うし、助けてもらえるような関係を構築できるように頑張ろう。

30代は選択され続けるといわれた事があるが、まさにその通りだなぁ。。昔はそういう生活が大嫌いだったんだけど、不思議なくらいに慣れてきた。どんな結果になったとしても、日本に帰ってくる事さえできれば、最低限の生活を営む事ができるという安心感があるからだろうか。家族がいれば、どんな生活も楽しめるという自信があるからだろうか。最低限のセーフティーラインがある日本という国に生まれた事を本当に幸せに思うなぁ。

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こんにちは!お久しぶりです☆
どんどん先に進んでるようですね〜
海外留学に向けて情報を探していたところなので、すごくためになります!
なかなか難しいですよね。
両親とかのことを考えつつ、留学のための勉強をしているのですが、なかなか集中できない感じです...

がんばってくださーい(^ー^)ノ

2012/2/9(木) 午後 3:54 [ scientist ]

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ひさびさのコメント、ありがとうございます。
卒業後の留学を検討中なんですか??
それ、すごくいいなぁ。僕の友人で大学院をUCSFで過ごした人がいるんですけど、すごく楽しそうでしたよ。入学条件などのクリアが大変らしいですね。また決まったら教えてください。

2012/2/11(土) 午前 10:36 [ mojio ]

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