ボヤキの果てに京都サンガ
アップセットは許さへんで!それぞれの意欲が渦巻く戦い。 今年のJ2は面白い。ということは前回のこのカテゴリーでも書いた。野心に溢れた選手や監督が隙あらば上位を目指そうという意気込み、アップセットを狙おうとする強かさを感じるから。
サッカーという競技は、90分間が経過したときに相手より1点多く取っていれば勝利が得られるのは当然だが、たとえ引き分けであっても勝ち点1が手に入るようになっている。元々手を使ってはいけないスポーツで運動量も必要とされるので、いくら格上の相手であっても必ず隙がゲームの間にはある。89分間サンドバックのように攻められても、残りの1分間のチャンスをモノにすればいいのだ。そのチャンスを掴もうとする意欲、ゲームの流れのなかで、それそれのチームが独自のスタイルで仕掛る場面を増やそうとする意欲を感じるのだ、今年のJ2には。
今回対戦したギラヴァンツ北九州も、そんなJ2の曲者になりつつある。
J2参入2年目、現在の順位は13位と見かけは格下の相手なのだが、格上の京都相手にしぶとい戦いを仕掛けてきました。
この日は快晴、気温は26.6度という選手にとっては辛いコンディション。ゲーム自体は京都が圧倒的に支配する展開で、特に前半は北九州がベタ引きの守備一辺倒に見えるのですが、前線と最終ラインの陣形は非常にコンパクト。そして京都の運動量が落ちてきた後半のタイミングで攻撃の態勢に入ろうとするゲームプラン。前線のフォワードに上背のある林祐征とボールキープに秀でたレオナルドを入れて攻撃の起点を作り、両サイドを中心に選手が前に出やすくなることでチャンスメイク。攻守に奮闘していた中山が遅れ気味のタックルで退場になってしまったのも、決して偶然ではないと思われます。この退場が10分くらい早ければ……勝負の行方はわからなかったかもしれませんよ。
これからも、こういう試合が続くんだろうな。攻めながらも、いつ喉元を掻き切られるかもしれないという恐怖感にジリジリしながら観戦するような展開が。
相手が守備的になりながら虎視眈々と反撃を狙っているということは、今季の京都が警戒されている証拠でもある。
しかし、そんな警戒をよそにチームの完成度はどんどん上がっている。
前目のポジションで器用な足技でピンチを潰すバヤリッツァと、下がり目でフィジカルの強さで相手を寄せ付けない秋本の両センターバックのコンビネーションは熟成。中盤の底のチョン・ウヨンと合わせて中央の守りは万全。だから工藤・中山・中村といった中盤の選手が相手のマークに苦しみながらも、長い距離を走ってポジションを変えながらチャンスを作る。
そして、今回の陰のヒーローは今季途中加入のサヌ選手。生観戦するのは初めて。良い意味で予想を裏切る選手でした。
身体能力とテクニックに優れたアフリカン、ひょっとしたら個人プレーにも走りがちなのではないかと思っていたのですが、加入して1ヶ月とは思えないくらいチームにフィットしているように思えました。目立って運動量が多いとは思えないのに、常に味方選手、特に宮吉の位置を確認するように相手ゴール前のスペースに入り込んだり、ときに下がって身体能力の片鱗を思わせるヘディングで守備に参加したり、組織のなかでインテリジェンスを感じさせる選手だと思いました。
決勝点は、左サイドの福村が起点となったボールを、そのサヌがワンタッチでポストになってパス、ゴール前に飛び込んできた中村が合わせるという見事なコンビネーションの賜物。クラブの公式ホームページにも載っているように、サヌ選手、昨日お父さんになったそうで。下の写真はゴール後の赤ちゃん誕生を祝うパフォーマンスの一部。
赤ちゃん誕生もめでたいけど、こういう選手が新たに機能するのも嬉しい。コンディションが上がれば、もっともっと上を目指そうとする意欲が増えれば、持ち前の身体能力も効果的に発揮してくれそうで楽しみです。
最後に動画を。アウエイ側にいる数少ないサポーターへの挨拶。
ホーム側ゴール裏と比べれば人数も少ないし、地味な存在。
それでも確実にいるのである。目立たないけど応援している人が。
そんな人たちとの意欲的な交流がスタジアムの雰囲気を良くし、チームを勢いに乗せて行く。そう信じている。
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