若葉マークの都市建築研究所

おもに近代建築の探訪記や城郭建築のことを勝手気ままに書いてます.

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ブラジル連邦の首都“ブラジリア”を連想した。高原に突如として41ヶ月で出現した湖上の計画首都。
急がせた理由は大統領の在任中に間に合わせるためだった。
オスカー・ニーマイヤーがその多くの建築を手がけた。ブラジリア建設:1956〜1960年(写真↑)

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さて、ここ尼崎市庁舎(↑)も1962(昭和37)年10月8日、池の上に突如として出現した。
村野藤吾による設計である。

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もともと市役所は阪神尼崎駅南の城内地区にあったが、
全く新たに約3kmも離れた広大な池(橘公園)だったところに、この日を以って移転した。
リオデジャネイロから引っ越したブラジリアのように。

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庁舎の構成は、これもニーマイヤー作の国連本部(1952)を連想させる(写真右)
高層の中館と低層の南館の2棟を、携帯電話を開いた様な状態で連結。
これら直線的ビルに対して、議場は若干丸みを帯びて、離れて渡廊下で連結している。
〜議場については市議会編に。
(因みに館名は現在の呼び名で、北側に1984年増築の新棟があり“北館”と称している)

■■ 低層の南館 ■■
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特徴
・館全体が水面に浮いたように見え、和風の寝殿造りを思わせる
・上階が下部より張り出している
・中央に大きな吹き抜け空間を設け、緩やかな階段で上下の導線を設ける

奈良国立博物館の西新館(1972:吉村順三)の構造がここに似ている。
〜内部については「インテリア編」で紹介。
この地がもともと池だったことを配慮してなのか、池に浮いた様になっている。
この市庁舎郡の中で最大の特徴だ。

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さて、地下に入ってわかったことだが、上の池の水が漏れているのだ。晴れているにも関わらず、
梁から水がひっきりなしに垂れ落ちている。周囲は真っ黒にカビて、床にはポリ波板が置かれ
水を弾き返している。なるほど、池にあまり水が張っていない理由はこれかと納得した。
う〜ん・・・
水をまとう建物はあまり長続きしないことが多い。
設計者の意図に反して、埋められたり、早々に改築されることが多い。
ここでもこんな不具合が生じているのかと、さすがに建築の難しさを感じざるを得ない。

■■ 高層の中館 ■■

こちらは、パッと見て普通のビル。小さい多数の窓が面白い。村野が得意としたホテルに通じるものがある。
私には30年前にブレイクしたスペースインベーダゲームを彷彿とさせる。

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イメージ 12コーナーには、板が縦横複雑に嵌め込まれ、しがみ付いている。お馴染み水抜き穴も見て取れる。

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蛇足かもしれないが、この中館と後年に建設された新館(北館)との渡廊下(⇒)を見ていると、なんだかブラジリアの国会議事堂にも見えてくる。
北館は村野のオリジナルではないから、北館設計者はブラジリアを意識していたのかな?

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尼崎市庁舎および市議会議場

棟:庁舎2棟及び議場
所在地:尼崎市東七本松町1丁目23番1号
竣工:1962年・昭和37年10月
構造:鉄骨鉄筋コンクリート造 地上9階・地下2階(塔屋付)
建築面積:3,764.25
延床面積:22,319
設計者:村野藤吾村野・森建築事務所
施工者:藤田組
最終工費:10億4523万円

*上記いずれも北館等の増築部分を除く
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★村野藤吾の尼崎市庁舎は、▲ぅ鵐謄螢∧圓鉢市議会編をUPしますので併せて見てね!

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