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「日刊スポーツ」2月13日付「福島第1原発事故から来月で6年 柴田記者が構内をリポート──なぜ今もこんなに線量が高いのか」という社会面のの3分の2を使った特集記事があった。
 
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まずリードは「高線量は今も続く─。東京電力福島第1原発事故から来月で6年となるのを前に、日本記者クラブ取材団が今月9日、同原発構内を視察した。燃料デブリ(炉心溶融で溶け出した核燃料)が強い放射線を出す1〜3号機に近づき、周辺をバスで移動。同日には2号機格納容器内で、過去最大値の650シーベルトが判明した。高線量に阻まれ、廃炉作業は難航を極める。日刊スポーツの柴田寛人記者(49)が福島第1原発の今をリポートする。」とある。
 
「日本記者クラブ取材団」とやらの面々が「視察」したのだから、あちこちの新聞・テレビで大きく取り上げられるのかと思いきや、一番大きかったのが、このスポーツ新聞だったということが、今のメディアの原発問題に対するスタンスが透けて見えた気がする。
 
以下、記事を臨場感もあるので、そのまま引用したい。
 
 
都内の4800倍
 
 約20人の取材団が高台に上がると、ある記者の線量計から「ピー! ピー!」と警報音が鳴った。同行する東電社員が、業務用の線量計を2号機に向けると、毎時144マイクロシーベルトを計測。都内の平均値(毎時0・03マイクロシーベルト程度)の4800倍、住民なら一時移転などの防護措置が必要になる線量だ。
 今月2日、2号機の格納容器内で毎時530シーベルトの極めて高い線量が判明。人間なら数十秒で死亡するレベルだ。記者は、この2号機を約80メートル離れた高台から見つめた。水色の建屋カバーに囲まれ、内部の様子は分からない。周囲に人影はなく、不気味な静けさに包まれていた。
 再びバスに乗り込み、3号機を右手に見ながら右折。バスが止まり、3号機の壁が崩れているところに東電の線量計を向けると、毎時335マイクロシーベルトの高線量が測定された。胸部エックス線検査の被ばく量を超える値で、燃料デブリの高い放射線量が想像できた。
 
奇妙な落ち着きが
 
 左折して2号機のタービン建屋の横を移動。原子炉建屋から少し離れると線量は低めだが、手元の簡易線量計は毎時30・87マイクロシーベルト。建屋の手前では、防護服姿の作業員数人が会話する様子が見えた。周辺住民を避難させるほどの高線量の発信源は、奇妙に落ち着いた雰囲気だった。
 視察の起終点になった免震重要棟には、原発敷地内のモニタリングポストのデータを一括表示する液晶テレビがある。1、2号機の山側に隣接する排気筒西側で、最高の毎時1507・4マイクロシーベルトを測定していた。東電広報は「なぜこんなに高いのか、原因が分かっていない。作業員が近づけないので、除染も進んでいない」と話した。
 
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デブリ取り出しへ
 
 9日早朝には、調査ロボット「サソリ」の投入に備え、進路を掃除するロボットが2号機で稼働。そのカメラ映像の乱れから、過去最大値の毎時650シーベルトの放射線量が推定された。ロボットは5メートル進む予定だったが、映像が暗くなり、1メートル進んだところで後退。高線量などの影響で故障したとみられる。
廃炉作業の工程を定めた「中長期ロードマップ」では、今年夏ごろに1〜3号機の燃料デブリ取り出しの方針を決める。先月30日、2号機でデブリとみられる黒い塊を初めて撮影したが、1、3号機では未確認。2021年開始予定のデブリ取り出しに向け、懸命の調査が続く。【柴田寛人】
 
 
○福島第1原発の現状 
 
被災規模が大きかったのは1〜4号機。燃料デブリが残る1〜3号機は、注水による冷温停止状態だが、内部は極めて高い線量で人が近づけない。震災当時に定期検査中で運転を止めていた4号機では、14年12月までに全ての使用済み燃料の取り出しを完了。内部に燃料がないため、監視不要になっている。1〜3号機の注水に加え、1日約150トンの地下水などが流れ込み、これまでにたまった汚染水は約96万トン。高さ約10メートルの貯蔵タンクが約1000基も敷地内に並ぶ。地下水流入を抑えるため、1〜4号機の周囲に凍土壁を築く作業が続いている。
 
 
○言葉の解説
 
◆シーベルト 放射線被ばくによる人体への影響の度合いを表す単位。自然界から受ける年間放射線量の世界平均は、2・4ミリシーベルト(0・0024シーベルト、2400マイクロシーベルト)とされる。毎時に換算すると0・27マイクロシーベルト。
 
◆東京電力福島第1原子力発電所 福島県沿岸の大熊町と双葉町で東電初の原発として1971年(昭46)に運転開始。2011年3月11日の東日本大震災に伴う津波で1〜4号機が損傷。放射能漏れで周辺住民を避難させる重大事故を起こした。13年までに全6基の廃止が決定。40年かかる廃炉作業のため平日1日あたり約6000人が働く。
                      (以上 引用)
 
 


社会面に限りのあるスポーツ紙が、ここまでの記事を書いているのだから、「日本記者クラブ取材団」の一角を占めているはずの大手新聞が何も書かないというのは、どう見ても「黙殺」しているとしか思えない。
 
まもなく福島第一原発事故が起きてから6年目を迎えるが、電力会社や政府の大本営発表で「原発は安全」「欠かせないエネルギー」と国民に擦り込んできた大手メディアは、一旦は反省したと思ったのだが、またも「原発プロパガンダ」の片棒を担ぐのだろうか。

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転載させてくださいね。

2017/2/18(土) 午前 8:19 [ あさり ] 返信する

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素晴らしい記事ですね。

2017/2/21(火) 午後 0:46 [ 日々物語 ] 返信する

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あさりさま
ありがとうございます!

2017/2/22(水) 午後 1:07 [ TABIBITO ] 返信する

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日々物語さま
私は、喫茶店でスポーツ紙や雑誌を読む機会があるのですが、大手マスコミがスルーしてしまうような記事をそこで拾えることがあります。

2017/2/22(水) 午後 1:13 [ TABIBITO ] 返信する

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