医療ミス多発の原因は人手不足よりも商業主義的になったこと
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毎日新聞2012/2/3 より転載
くらしの明日「医療・介護は成長産業だ」本田宏埼玉県済生会栗橋病院院長補佐
深刻な医療現場の人手不足
昨年11月14日、京都大病院は、脳死肝移植を受けた50代の男性患者が人口透析の「医療ミス」により死亡したと公表した。夜間に人口透析治療を受ける際、医師が透析用フィルターの種類を間違って用い、その直後に容体が急変して死亡したという不幸な出来事だった。その後の調査で、事故は臨床工学技士が行う透析装置の部品交換を、技師がいない夜間に医師と看護師だけで行ったことが原因と判明した。関係者からは、全国の医療現場における技師不足がその背景にあることが指摘されている。
私は医師になって33年がたつが、この間の医学の進歩は目を見張るばかりだ。今や多様化した医療現場は、医師や看護師、助産師、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、診療情報管理士、医療秘書などの専門職と、組織の基盤を支える事務や警備、清掃等々、数多くの職種と人材の協働によって支えられている。今回注目された「臨床工学技士」は、87年に国家資格となった。血液透析治療や呼吸器など生命を維持する医療機器の専門職で、今や病院の各部署でなくてはならない存在となっていた。
現在、日本各地で、医師や看護師不足が深刻な問題となっている。今回の不幸な出来事は、医師や看護師だけでなく、生命に関わる治療に直接携わる専門職までもが、西日本を代表する大学病院でさえ不足しているという我が国の医療現場の貧弱さを露呈した。
医師や看護師不足の日本こそ、その業務分担を可能とするマンパワーの充実が喫緊の課題であるはずだ。しかし多くの一般病院は長年の低医療費政策による赤字で、さらに大学病院などの公的病院は定員の縛りで、本来は医療の質と安全を保つために不可欠なはずの人員の雇用さえ困難となっている。
一方、日本より医師も看護師も多い欧米では、日本ではまだ導入されていない看護師の役割を拡大した「ナースプラクティショナー」や、医師の手術や検査などを支援する「フィジシャンアシスタント」などの専門職が活躍し、医師や看護師などの業務を軽減し患者の満足度も高めている。
我が国は、医療や介護を経済発展の邪魔として、医療再生に必要な抜本的な医療費増も医師増員も行ってこなかった。未曽有の超高齢社会に対応するために、これらの分野の雇用を積極的に増大すべきだ。若者の雇用促進で医療の質と安全性が高まり、国内経済も活性化できる。医療や介護は日本の成長産業の基軸であり、今こそ発想の転換をすべき時だ。
他ならぬ、医師の方からの「医療・介護は成長産業だ」などという新聞記事に恐怖を感じます。
医療ミスの多発は、人手不足よりも医療界が商業主義的になったためではないでしょうか。
人の命を預かっているということよりも稼いでいるという気持ちのほうが強ければ、いくら人を増やしたところで変わらないでしょう。
子供の頃、病気になると「なにくそ先生」という医者が自転車で駆け付けて診てくれました。
軍医だったその先生は、戦場で大勢の戦傷者を手当てしていたが、治すよりも運ばれてくる負傷者の数に耐えられず、みずからモルヒネを打ちながら治療にあたっていたそうです。
戦争が終わってからも、その時の辛さを忘れないように自転車の後ろに「なにくそ」と書いて往診に駆け回っていました。
昔は、「金のためよりも命を救うため」という医師をたくさん見掛けました。映画「壬生義士伝」でも「お金がないから」と言ってドブロクを持って来た患者も診ていたが、奥のほうには飲みきれないほどのドブロクがいっぱい置いてあった。というシーンがありました。
しかし、今ではそのような先生はほとんど見掛けません。
或る日、イボが出たので皮膚科に行ったら、その医者は、手に取ることもなく、近づいて診ることもなく「それは、イボだ。そんなものは治らんよ。じゃあ、薬出しとくから」という体験をしてから医療不信に陥りました。
だからと言って、昔も医療ミスがなかったわけではないと思います。でも、同じ医療ミスをされるなら金儲けに血眼になっている医師よりも、親身になって治していただける医師のほうが、まだ許せるでしょう。
残念ながら医療界のみならず、あらゆるところが商業主義的になってしまったようです。
高級乗用車なんかを乗り回し、高級住宅に住み、診療時間以外は絶対治療にあたらず、高級クラブでゴルフに明け暮れているような人を「先生」とは呼べません。
一向に身を削ろうともせず、国民にだけ財政赤字を押しつけるような人を「先生」とは呼べません。
原子力マネーや企業にたかることばかりで、本来の「教える」ということを厳かにしているような人を「先生」とは呼べません。
金を捨ててまでも本来の仕事を果たそうとする人こそ、心の底より尊敬の念を込め「先生」と呼べるんです。 |



私も、転載の記事を読み大いに考えさせられました。
私の母は、もう40年前に満50歳で亡くなりました。
近親者は「医療ミス」だ、訴えよう、と主張したのです。
が、父と私は「先生方は懸命に手を尽くしてくれた。本人の寿命だったのだ」と、納得したものです。
その病院は「医は算術」では無かったからです。
母の死を思い出しながら複雑な心境で、今の日本の病院・医療(全てではないですが)の実情に、困惑している次第です!!
2012/2/3(金) 午後 9:10
そうですね、医は算術じゃないのですしね^^;
人の命が、かかっていますもの・・
2012/2/4(土) 午前 10:49
治りもしないのに「薬出しとくから」って酷過ぎると思いませんか?
「治らないような薬出して稼いでる」ってあからさまに言ってますよね。
もっとも、症状を緩和したり、予防する薬はあっても治す薬なんて、殆ど無いです。
薬ですぐに治ってしまったら薬品業界も儲からないし、医者もいらなくなってしまいます。
ちなみに日本の薬品のランキングは世界中で三十数位でした。
2012/2/6(月) 午前 8:50
お久しぶりです。
サボっている間も、ご丁寧に年始などのご挨拶いただきまして、ありがとうございました。
医者は、本当に、この先生ならもっともっと、医療費とってほしいと思わせる先生と、なんでこんなヤツに・・・って人の差がひどすぎますよね。
出産、そして育児と経験している中で、産婦人科や小児科の先生が、昼夜を問わず、命と真摯に向き合っている姿を目の当たりにして、一層強く感じるようになりました。
仕事がキツくて、いろいろと訴えられるリスクも多いからと、小児科や産婦人科が少なくなっている現状の中、頑張っておられる本物の「先生」に対しての医療報酬アップを心から願います。
2012/2/6(月) 午後 10:28
お久しぶりです。
その程度のことぐらいしか感謝のしようがありませんので。
そうですよね、名医と迷医の差があり過ぎますよね。
ですから、テレビなどで名医を紹介すれば、みんなそっちに行っちゃうんですよね。
それで、その病院は、人手不足の大忙しになってるけど、医療ミスなんて聞いてことがないんですよね。
2012/2/6(月) 午後 10:42