ちいきで暮らす

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「自己覚知について」例を挙げて考えてみる。

自己覚知とは、自分自身を知ると言うこと。
受容や共感をする際、相手の価値観を理解する為には
まず自分の価値観を知ることから始めないとおかしくなります。

私たちが世界を理解する時、全ての情報は脳で統合され認識されます。
その際、無意識のうちに自分の中の価値観・経験・知識などでフィルタリングされ、
加工されたものしか私たちは認識(意識)できないのです。
つまり、正確な情報はフィルタリングされた情報を自覚した価値観を用いて
意識的に再変換しないとわからないと言うことです。
相手からの様々な情報を正確に把握する為には、自分の中の偏った価値観を知る事が
欠かせないと言えますよね。

自己覚知は自分の妬みや防衛機制など、自分を守ろうとする無意識のうちに行われている
フィルターを自覚する行為の為、慣れないうちは苦痛が伴うものです。
なぜ自分はこう思ったのか、その都度省みないと見えてきませんし、
自分の好ましくない価値観に関しては、いくらでも言い訳して済ます事ができるので、
自分に厳しくないと見えてこないものです。

このように、自己覚知とは自分を知る作業と言えます。

この補足を早く書こうと思っていましたが、忙しさを理由に筆を置いていました。
といいますか、筆が進まなかった為というところが正直なところでしょうか。
要は自分と向き合う作業ですので、その状況は仕事の中だけとは限りません。
いろいろな場面で色々な職種に応用できるので、まずは日常的な場面で。

満員電車でようやく座れました。
疲れきった貴方の斜め前に白髪の男性が立っています。
男性が立っている場所は優先席の前。
でも座っている人は席を譲りません。

この時のあなたの対応は?

席を譲るも譲らぬも、正しい答えはないのですが、答えを出したのは他ならぬあなた自身。
私ならうーんと悩みますが、悩まずに済む方も多いでしょう。

なんでその対応をしたのか、自分の中の価値観を感じてみましょう。

難しいですか?

白髪は高齢者だから席を譲るべきという考え方、
自分が疲れている時は無理をすべきではないという考え方、
優先席に座っている人がまず席を譲るべきと考える方、
そもそも白髪とはいえ席を譲られる事を良しとする方かどうかを見極めたいと言う考え方、
譲るというのは勇気がいるので出来れば見ぬフリがいいという考え方、
まだまだ色んな考え方、価値観が出てきそうですね。

こういう価値観は自分の中にあっても、一つに留まることなくあっちに揺られ、
こっちに転び、時には相反する価値観を同時に持ちうるのが人間のようです。

ですから、なおの事、なぜ自分がこの選択をしたのかを見つめる事は、
自分の中の価値観や体調、気分など諸々の状態を知ることになるのです。

同じ天気でも体調によっては違う景色になることはよくありますよね。
元気はつらつの時は気持ちよい太陽の光も、
二日酔いでふらふらの時は眩しすぎて、あぁ〜このまま帰りたいなんてぼやくこともあるでしょう。

正しい意見も発せられる人間が、普段から気に入らない人だった場合、
気に入らない意見に聞こえたり、粗を探してみたりと素直になれないこともあるでしょう。

初めて会う人なのに、やくざ風な格好の人には「怖いなぁ」って思いませんか?
それはサングラスだったり、体格だったり、話し方だったり。
初めて会うのだから何も知らないのに、知らないうちに「怖い人、怖いかもしれない人」と
感じていますよね。それは自分の中にある経験(記憶)が危険だぞって教えてくれているわけです。
でもその怖いって言う気持ちは、あくまで先入観に過ぎず、
怖そうな人と自覚するのとでは、天と地ほどの差があるはずです。
怖いと無意識に感じていると、人間ですから、思考に影響を与え、態度に表れます。
態度は相手に伝わりやすいので、
(メラビアンの法則参照 http://blogs.yahoo.co.jp/mswpt77/1697137.html?p=1&pm=l )
相手と良好な信頼関係を気付く上で、この上ない障害となる事は十分考えられます。

やくざ風な男でなくても、アルコール依存症のホームレスの方に対する
「どうしようもない人」「税金泥棒じゃないの」という感情や
虐待を行った母親や嫁への「母親なのに」「弱い人間をこんなになるまで・・・」怒りや軽蔑の感情、
内縁の妻と正妻とのいざこざ、「自業自得よ。」「昼間のドラマみたい」という好奇心や軽蔑、
財産や介護責任をめぐる親類の争い、「金の亡者ね」とか「無責任よね」という呆れと怒り、
障害を受け入れられず周囲に当り散らす方への落胆・怒り「辛いのはあなただけじゃないのよ」、
自分の要求ばかりを高圧的に繰り返す入院患者への「なんてわがままなんでしょう」という怒りなど。

これらの発言がいかなる価値観から生まれているのか、正しいとか間違っているとかではなく、
自分の中にこれらの思考が生まれている事を知り、認めることが大切だと思います。
好ましい考え方もあれば、正直唾棄すべき考え方もあるでしょう。

相手の人間にも多様な価値観があり、社会一般の常識としての価値観とのギャップを抱えて
生きています。
そして、自分の人生の選択を自分で十分に責めている場合が多いと思います。
自責の念に駆られて、自己評価を下げ、なお問題を繰り返したり、逆に深みにはまったりするのです。

そんな繊細な彼らが接する私たちという人間は社会そのものであり、
私たちの評価を社会の評価と考えがちです。
彼らは私たちに審判されるような畏れを抱いているのです。
私たちの中の価値観が偏っている場合、その無意識の審判は言動に表れ、彼らの畏れを深めます。
これで対等な援助関係が築けるでしょうか。
信頼関係は作れるでしょうか。

また、プロとして人間と接する時、自分の中から生み出される答えや言葉を
コントロールすることはもちろん、
反射的に交わす言葉の中に自分の価値観や状態を知ることも必要でしょう。

ある程度自分を省みることを繰り返すと自分の思考のパターンを知ることが出来ます。
自分が大切にしている価値観が見えてきます。
そうすると、いつもと違う行動や決断をした自分に興味がわいてくるでしょう。
どうして、私はこう考えたのだろうって。
そうすると体調やら、前回の失敗やら、勘違いやら、何かしらの理由が、新しい自分が見えてきます。

これは会話の最中にも応用可能です。
病院の仕組みを患者さんの家族に説明している場面とします。
私(あれ、いつもよりしつこく説明しているなぁ。なんでだろう。。。
どうやら相手の反応がいまいちで私が不安になっているみたい。
よし、どこまで理解されているのか質問してみよう。
自信を持ってもらい、反応を引き出すような質問を心がけよう)
これは、自分が無意識で感じていた相手の情報を意識化することで
有効な情報に変えた例です。

このように自分を知り、自分に映った相手の姿をより正しく知り、
プロとして精一杯の援助を行う為にも自己覚知を勧めます。

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確かに,『自分がなぜ,このように考えたのか』という過程って大切ですね.一度離れたところから,自分自身を省みる.勉強になります.

2005/5/5(木) 午後 11:37 [ スロウ ]

価値観って一方通行になることもありますよね。たとえば白髪のおじいさんに、アタシなら迷わず席を譲ります。自分が疲れてるとか、優先席の前だとかっていうのは関係なく、相手に喜んでもらうって言うのが価値観なんです。でももし喜んでもらえなかったら?迷惑な顔をされたら?・・・そう思うと、その時アタシはどう思うんだろ・・・・自分の価値観を一方通行に決め付けてるところってあるんだな・・・って思いました。

2005/5/6(金) 午前 1:15 [ 三日月 ]

>slowlifespiritさん 私はぼーーーっとしていますので、意識しないと何も残っていないこともしばしば。振り返るのってどんな仕事でも大切ですよね。

2005/5/6(金) 午後 8:05 ジョージ

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>三日月さん 私は他人の目や評価を気にしてしまうタイプです。よっぽどじゃないと開き直ってぶつかれないので、色々自分に言い訳をしています。その言い訳を一つ一つ検証して、「ほら、もう言い訳できないよね。やると言う選択肢しかないじゃん」って自分で気付いた時は、強く出れるんですよ。でも、それすらも思い込みってありますよね。だから、結局は失敗を恐れずに確認する必要があるんだと思います。「一方的な善意」は「余計なお世話」になるという意味で、気付きのきっかけになったのであれば、うれしいです。

2005/5/6(金) 午後 8:13 ジョージ

顔アイコン

最近人間関係に悩むことがあり、
<自己覚知>について、今一度思い返してみたいと思いました。
対人関係について、私はどう言う傾向を示しているのだろう。

良いことなんか何一つ浮かんできません。
ひそかに感じている欠点ばかりが、グイグイ押し寄せてきて苦しいばかりです。

体裁ばかり考える私。
優しさを装う私。
感情が制御できない私。

今更変える事などできない年齢です。
介護からは引退した私ですが、今更ながら自己覚知、自己開示の大切さを痛感している私です。

2008/5/1(木) 午後 7:31 [ ]

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