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2010年7月12日

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「事業仕分け」「改革」

 参院選で民主党への国民の判断が示されました。

 「事業仕分け」でマスコミには露出が多かった蓮舫議員が大量得票をしましたが、かねてより私はこの「事業仕分け」というのが拙速で、判断する側の資質に疑問・不安がありました。説明する側の資質にも疑問がありますが。
 むろん、一定程度の成果はあったとされていますし、世間に経費削減のアピールをし、仕分け対象となった組織が襟を正す部分もあったと思える点でもメリットはあったかもしれません。

 しかし、長年かけてそれに至ったものというのは、それなりの理由や経過があることがほとんどです。
 私も業務において、長年の慣習とか前例踏襲主義とか惰性とかそういうものが大嫌いで、改善することを相当していると自負していますが、しかしそういう意識を常に持つということと同時に、何かを変えようとするには、強権的にしかできないものが多いというのも理解しますが、そういうものと、よくその経過や前提を理解した上で、それを変えることで生じる弊害を考えた上で実施するか否かを考えるべきものをわきまえなければ、「机上の空論」「パフォーマンス」「かき混ぜた・混乱をもたらしただけ」になってしまいます。
 短期集中でやるのも良いのですが、そういうものを全て洗い出した上で、事業継続の可否判断をしていたようには私は思えませんでした。

 例えば、7月10日の読売新聞では、参院選に向けて、本来国が負担すべき国政選挙の経費を「仕分け」たために、各所で混乱や負担を強いたという記事がありました。
ケチケチ選管、知恵絞る…仕分けで経費2割減
7月10日14時32分配信 読売新聞

 11日に投開票が行われる参院選では、国から全額交付される「選挙経費」が事業仕分けで約2割削減されることになり、各自治体が頭を悩ませている。

 開票作業を外部に委託したり、期日前投票の期間を短くしたりして、あの手この手で経費節減に取り組むが、有権者から「不便になった」と苦情が寄せられるケースも。コストカットの影響はじわりと広がっている。

 国政選挙にかかる費用は、昨年11月の事業仕分けで「非効率」と指摘された。このため、総務省は今回の参院選で各自治体に交付する関連予算を前回より約90億円少ない436億円に減額。各自治体には「経費削減」の徹底を求めている。

 ◆クーラー減らし扇風機で頑張る◆

 約2000万円の節約が求められている奈良市。開票所となる市中央体育館には冷房設備がないため、これまでは毎回、大型のクーラー8台をレンタルしていたが、今回はクーラーの台数を減らし、代わりに扇風機14台を入れる。一度はクーラーはすべて扇風機にかえる予定だったが、「職員から『暑さで効率が落ちる』と苦情が相次いだ」(担当者)ため、折衷案にしたという。

【中略】

 兵庫県西宮市は、7か所ある期日前投票所のうち5か所で、これまで16日間だった投票期間を9日間に短縮した。人件費削減が主な理由だが、市民からは「不便だ」などの抗議が寄せられたという。

【中略】

 しかし、心配なのが、職員の疲労。開票作業にあたる500人のうち区職員100人は、翌12日未明に参院選開票が終わると、そのまま午前8時から区長・区議補選の開票に突入する。同区では開票所に仮眠スペースを設けて対応するが、担当者は「参院選の開票をできるだけ早く終わらせて、職員を仮眠させたい」と語っている。 

最終更新:7月10日14時32分
 非効率な部分を見直して、そして経費節減という発想は当たり前ですが、こういう弊害が出てくると考えものです。

 各市町村の選挙管理委員会は各市町村役場の職員が兼務していますが、経費節減のために休日勤務への報酬は手当金の支払いではなく、平日にその分の休暇を取得する「代休」を取るように呼びかけているようです。また、市町村によっては開票に早朝までかかったところもありましたが、そうすると寝不足・休暇取得をする職員も多く出るのも当然で、今日〜しばらくは市町村役場は開店休業状態が続くでしょう。
 こういう、国政選挙ですから、本来国が行うべき業務の、国が支出すべき経費を節減するために、市町村住民の「財産」と言っても良い市町村役場職員を使い、休ませて、役所機能を低下させるというのは、これは国家が負担すべきものを市町村に押し付けているという見方が成立します。「地方公務員への負担の押し付け」ではなく、実はそれを有効に使えるべき住民への住民サービスの低下という、「地域住民への負担の押し付け」と言えるわけです。

 なるほど、直接的な経費は節減はしたかもしれない。しかし、その節減により、別の部分で負担が増えるという部分までもきちんと説明しなければ、手柄ばかり宣伝して、負担を見えづらくしただけに過ぎないわけです。住民に、丁寧にそういう説明をした上で、「経費を節減しますか?負担はこういう部分で生じますが」と、メリット・デメリットを説明して選択できないまま推し進めるというのは、政治や行政の傲慢であり、住民に自己都合を押しつけているに過ぎませんし本当の民主主義とも言えません。

 もう少々わかりやすい「負担」では、仙台市では、投票所入場券をそれまでの個別郵送から世帯ごとにまとめて郵送したために、「自分の分の入場券が届かない」「よくわからない」という声が選挙管理委員会に殺到したという記事が、7月6日の地元紙・河北新報に掲載されていました。
 郵送代を節約しよう!…と役人が考えるのはいいのですが、それを受け取る住民が混乱をするということまで予想し、丁寧な説明をして理解をどれほど得たのか、仙台市の対応は傲慢で一方的なように思います。
 「改革」ばかりが何だか良いもの・正義のように思われがちで、それに異議を唱えるのは許されないような雰囲気もありますが、それに名目に、多くの人が影響を受けることを、少数のたかが行政役人風情が小手先で思いつきで説明不足のまま進めるという乱暴なやり方は、公僕としてどうかと思いますし、長い目で見ても、住民や国民が正しい情報を得て、そして考え・判断するという機会を奪いかねないということにもなります。

 「改革」で手柄にしたがっているのか何なのか知りませんが、世間知らずが結果だけを急いで、その経過や影響を推し量らないまま推し進めようとすると、迷惑をするのは最終的には住民や国民になります。

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