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「スイス政府編−民間防衛」(転載記事)

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 私の知り合いのネチャーエフさんという方のブログからの転載です。私も,この「民間防衛」という視点から日本の防衛政策のあり方が求められると思います。
 
   ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

  これはスイス連邦内閣の要請によってスイス連邦法務警察省が発行し、各家庭に配布されたものである。「国土防衛のために武装し訓練された国民一人一人に『軍人操典』が与えられるますが、『民間防衛』というこの本は、わが国民全部に話しかけるためのものです」とあるが、「国土防衛」のための相当詳しい実践的な本であり、マニュアルであることは間違いない。この本は、もう30年以上も前に手にしていたが、2005年8月10日現在で19版もの版を重ねているというスイスの国家的ロングセラー。

 上記の2冊の本は「どこから来るものであろうとも、あらゆる侵略の試みに対して有効な抵抗を準備するのに役に立つ」とあるが、実は核戦争や心理戦による軍事的、心理的防衛だけでなく正規軍が壊滅させられたとしても「レジスタンス」による抵抗の方法もかかれているのが素晴らしい。
 
 更にこの本はあらゆる種類の脅威つまり軍事的侵略ばかりでなく大規模な災害に対してのサバイバル本でもある。この本を注意深く読めば、スイス国民にとって「左右の全体主義」が常に心理的に脅威であるかがわかる。またスイスが歴史的に中立国を守ってきたが、それが如何に困難であったか、あるいは幾度となく連合国からでさえ戦略的、地政学的に主権が脅かされてきたか、あるいはまたスイスが過去に過ちを犯したかという反省も書かれてある。
 
 しかし、この本を注意深く読まなければ、この本の訳者のワナつまり政治的恣意にはまるであろう。
 つまりこの本の訳者は「訳者あとがき」の中で、日本の憲法がいかに非現実的であり、「平和」を守るためには「代償」は必要であると。しかし、この本のどこにも「代償」などスイス国民に求めてはいないし、ここで書かれていることは、いつでも「脅威」は存在するが「あえて仮想敵国を規定する必要はない」とあり、スイス国民に「祖国愛」と「隣人愛」を唱えているのであって、日本の憲法改正論者みたいに政治恣意的に「危機」を煽ったり、高度な重装備とハイテク兵器などの必要性など残念ながら書かれてないのである。日本では「地震」と同様に「新型インフルエンザ」の国内発生ですらもはや「災害」と規定され、その行動の指針が出ているにもかかわらず、ひたすら「行動制限」と「自由の制限」がうたわれ、やはり「代償」を求めるという規範が通達され、文化的心理的に相当なダメージを受けるであろう日本国民を励まし「災害」復興と社会システムの再構築の情熱を換気し日本国民を自らを心理的に「防衛」できるマニュアルすらないのである。
 日本国家制の管理者の発想はいつでも「脅威」に対して日本国民に「代償」と「制限」と「服従」を求めるという旧態依然といたもので、更なる軍備をもつこと、よりハイテクの軍事力をもつこと、憲法改正して正規軍が海外で行動できるようにすること、憲法を改正して集団的自衛権の行使を合目的にすること――しかし何かがおかしいと日本国民は感じて欲しいのだ。だから敢えて、この本を紹介した。でもけしてこの本の訳者のワナにはくれぐれもはまらないようにと願っている。

 もっとはっきり具体的に言えば、憲法改正論者が指摘する「軍事力の放棄」が空想的、非現実的であるという論断を論破し「国民と国土の防衛」に関してこの「民間防衛」という方法こそ最も有効であることを示唆するために、この本を紹介したのだ。つまり近代戦の教えるところによれば、よく組織されシステム化された中央集権的な「正規軍」は侵略者に対して役に立たないのである。指揮系統を総破壊することを第一の戦術目標とする侵略者に対して戦えるのはよく訓練された民間防衛力だけであることをスイス政府は教えている。つまり侵略者に対しても、侵略者に懐柔された政府に対しても、侵略者が独占した政府に対しても、あるいは全体主義化した政府に対しても、地方分権的な「民間防衛力」こそが、それを覆し、打倒し、駆逐することができる。日本国憲法が「正規軍」を放棄したとしても「祖国」を防衛できることをもう少し憲法擁護論者もノーミソを使って研究すべきだ。日本国憲法の中で「軍事力の放棄」が非現実的ならば、天×制もまた「非現実的」と論断すべきだ。「祖国」の防衛は「正規軍」によってのみ可能でないことを歴史が教えている。だとするならば「正規軍」なしの「民間防衛」を徹底的に研究する必要があるのだ。そのことを実践的に実際的に具体的にスイス政府とスイス国民は我々に教えている。

 かって「直接民主主義」が「空想的」と洗脳されてきたことに自覚してもいい頃なのだ。かって40年ほど前、TV番組「数学夜話」の中で、かの日本の偉大な理論物理学者である湯川秀樹博士がある数学者との対談の中で「将来、数学の分野で通信理論と通信技術が大きく進歩したら、直接民主主義も夢じゃなくなりますね」と語っておられた。そう、現在「夢」ではなく充分実現可能であるにもかかわらず、為政者はそれを望まないだけなのだ。だから、「空想的」「非現実的」と論断されている事柄を優れて現実的にできるだけの構想力と創造力を培い、全体主義者に洗脳されないように、更には全体主義に対しもっと優位に立てるように、我々は「哲学をする」必要がある。
                          
                     

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