サテュログ −HybridRainbowへの旅路−

サテュ(筆者:充)が残すログ(記録・情報)。異文化の土地での旅をしつつ心理カウンセリング・人の在り方などついて学んでいます。斑霓

全体表示

[ リスト ]

イラン紀行3 伝統・現代化、言葉を超えた温かさ

イメージ 1




・ふれあった人々 
イラン滞在中、計6軒のお宅に泊めてもらい 他1軒のお宅で食事をご馳走になり その他1人に街中をガイドしてもらいました。 
最後はその現地で触れ合った彼らについて、強く印象に残っている出来事を振り返ってみたいと思います。 

一軒目にお世話になった家は、シーア派の聖地で名高いマシュハドという町でした。 
この家はカウチサーフィンのやり取りで見つけたところで、婚約を済ませたばかりのイラン人カップルの家でした。 

この町に来たからには、全イランイスラム教徒が目指すであろう聖地・ホーリーシュラインを絶対に見たいと思っていたのですが、彼ら二人が聖地まで一緒に着いてきてくれて、建物の説明やペルシャ語・ペルシャ文字の通訳ガイドなどをしてくれました。 

その後、夜には彼らの友達7,8人が家にやってきて、朝の3時過ぎまでトランプゲームやお話をして大変盛り上がった交流の時間となりました(全員そろって夕飯を食べたのが夜の10時でした、。休みの前の日は仲の良いグループで集まって夜遅くor朝方までよく遊んでいるそうです)。 

大学でコンピューターエンジニアリングを学んでいる学生、既に会社で働いている人、新聞社で働いている人、カメラマンを目指している人など、この夜は多様なメンツが集まったつどいとなりました。 
国内国外の話題を問わず、色々な話をしましたが、イランと日本との違いについての話題になった時の中で、結婚をしているイラン人男性が言っていた言葉が今でも忘れられず頭に残っています。 


「日本はイランと比べてalready development(成長しきった)国だと思います。 
 でも、そこで手に入れたものと引き換えに、失ってしまったものもあるのではないでしょうか? 
 私たちの国は、tradition(伝統)を重んじる国です。 
 先進諸国の人たちからすると、あまり意味の無い・堅苦しいと思われる(宗教的な)風習をいまだに大事にしているのかもしれません。しかし、そこには先祖・先住の民から代々引き継いできた"忘れてはならないもの"を、非常に大事に重んじています。 
 私個人的には、その大事なものをそれを失うのと引き換えに、modernism(現代化・世俗化)を手に入れることは、果たして幸福なのだろうか と考えてしまいます。 
 useful(便利さ・利便性)を手に入れることは、本来の幸せとは別のことだと感じています。 
 本当の幸福とは、そういったものを手に入れること以外にあることなのではないでしょうか。」
 


非常に考えさせられる言葉でした。 

この集ったメンバーの中では、彼はひときわreligioust(宗教心を強く持つ)な青年でした。 
流行に踊らされず、自分の意見をしっかり持ち、イスラムの教えを大事に考えている人でした。 

くわえて、彼はアメリカや他の国がイランに対して行っている厳しい政治制裁について、どうしてそんなにも酷い仕打ちをしてくるんだ と少し憤りを口にしていました。 

一方からみた見解ではなく、相手の立場に立って考える、多面的に様々なそのもの自体をみて捉えることを自分個人的には目指して大事にしているのですが、彼の持っていた意見・見解は、若い世代の日本人があまり持ち得ない視点に感じ、自分の中の考えをもう一度整理してみたいと感じさせられました。 



次に印象深かった出来事とすると、同じくマシュハド&カウチサーフィンでお世話になった50代の男性のMr.マスードさんという方です。 

一言で言うと、このマスードさんは"ホスピタリティの塊り"の様な人で、もともとツアーガイドをしている人だったからか、お客さんに対するサービス精神に全力を尽くすということに関して、もう四六時中フルパワーな人でした。 

本当であれば、その日の夜には次の街にバスで夜行移動する予定だったのですが、Mr.ホスピタリティ・マスードさんの強い好意と押し(笑)に負け、もう一泊泊まっていくことになったのですが、家に泊めてもらえるのかと思いきや、家はちょっと狭いし奥さんがうるさいとのことで、なんと、知り合いのホテルに泊まらせてもらうこととなりました。 

さらに車で迎えに来てくれたり、観光場所の完璧なガイドもしてくれたり、今まで食べていた安い食堂ではなくしっかりとしたレストランに招待してくれたり、車にお湯とティーセットまで準備してくれたりと、もう至れり尽くせりな対応でもてなされた時間となりました。 

自身のことについても語ってくれたのですが、マスードさんは仕事で若いときに数年アメリカに住んでいたそうで、今の国際社会の中でのイランの状況と、その当時の自由を謳歌していた頃のアメリカン・フリーダム生活のことを、時おり憂いていました。 

今、イランの旅を終えてみても、マスードさんの様なホスピタリティの持ち主は、特殊だったと感じています。 

この文を読んでいる人は、{そんな見ず知らずの他人に対して良くしてくれるなんて、何か裏があるのではないのか?}と思われている人もいるかと思います。自分もその当時、どうしてここまで尽くしてくれるのだろう?と疑問を感じていました。 


これはイランの旅を終えて段々分かってきたことですが、この国の人たちの外国人との交流を量ることについての感覚とは、われわれ日本人のように堅く考えているところがまったくなく、動物に触れ合うような感覚でよくしてくれるのではないだろうか と思うようになりました。 

日本でも、道端にいる子猫や池にいる鯉や魚に対して自然にエサをあげるように、イラン人が外国人に対して突然の優しさを振舞えるのは(人によって目的は異なるかと思いますが)、無理に振舞って行っていることではないのか と感じてきました。 

それは対価を欲して行う優しさではなく、本当に無償で友人として施してくれる行いだとすると、「そうか 彼らは無理に頑張ってご馳走してくれているわけではないのか、自分の国(家の庭)に遊びに来てくれた人(動物)に対して、ただ優しくしているのか]と、理解が届くようになってきました。 


イランに来てから(他の国においても)数々の恩恵をもらうことが出来た自分としては、いつか旅を終えた時には、この二人や他の国でお世話をしてくれたカウチサーフィンというシステムにおいて、今度はサーファーとしてではなく、ホストする側として旅人の役に立てたら と思うようになりました。 

もらいっぱなしの優しさは、時に摂取過剰となって、心のバランスを保てなくなることをこの時に再度学ばせてもらった機会となったのでした。 




最後に印象深かった人とすると、イラクとの国境近くのクルディスタン地域のハウラーマンという村に行った時のことです。 

クルディスタン地域の州都・サナンダジからマリヴァンまではバス移動、マリヴァンという街からハウラーマン村まで乗り合いタクシーにて移動していたのですが、予定では村に着いた後に宿を探そうとしたのですが、一緒に乗っていたクルド人家族のお父さんが「うちにきたらいいよ]と、車を降りる際に言ってくれたのでした。 

いいのかなと思いつつ、お言葉に甘えて家に行ってみると、子供3人と夫婦の5人家族の家で、近所の人も編み物で伝統工芸の靴を作っていたりと、中々賑やかな家庭でした。 

こうやって書くと、今度は普通の一般家庭に招待してもらったのだね と思うかもしれませんが、なんと、この家族の全員が英語を話せない人たちだったので、泊めてもらっている時間のすべては、ジェスチャーとペルシャ語の会話張のやりとりのみの時間となりました。 

今まで交流した人たちのほぼ全員が、ある程度の英語を話せる人々だったので、完全に英語を話せない人たちの家に泊めてもらうなんてこっちも大丈夫だろうか と、はじめ不安になっていたのですが、どうにか会話張を使って非常に拙いペルシャ語を使ってのホームステイとなりました。 

実際のところ、クルド人である彼らの母国語もペルシャ語ではなくクルド語だったので、こちらがペルシャ語を片言でも話せていれば、お互い第二言語として良い交流が出来たのかもしれませんが、その家の子供に{これは○○って言うんだよ}と教わるレベルの語学力だったので、言葉の交流においても 突然お世話になってしまったことにおいても、申し訳ない気持ちでしたが、まったく言葉が通じない異文化の人間を何の躊躇もなく泊めてくれる感覚というものに、最後は尊敬の念を抱いた異文化交流の時間となりました。 


余談ですが、別の場所で聞いた話によると、このクルド地区のクルド人やトルコ系のイラン人や他のイラン国内に住む他民族は、イラン人採用枠ばかりで占める国の中で、純粋イラン人に働き口が取られてしまい、「政府がもうすこし国内の他民族に対して寛容であれば、仕事にありつけるのに…] という話を耳にしました。 

日本も、昔は蝦夷(北海道)や琉球(沖縄)が別の国だった時代はありますが、一民族・一言語しか話さない日本人からすると、そんな問題も抱えていたのか と思わされました。 



思い返せばもっとたくさんの出来事があったイラン旅記ですが、一番にこの国の特徴を表している部分とすると、やはり宗教信仰心と人の温かさではないでしょうか。 

代々から伝わる 伝統を重んじるか。  
利便性を追求し 世俗の幸福を追い求めるか。 

偶然の出会いから、自分の国の在り方や個人の将来設計図としての見直しのきっかけをもらった様な気がしました。 


まだまだ世界情勢や国内政治の問題を抱えている国ではありますが、いち旅行者に対してあれだけ優しくもてなしてくれるあの人たちに、多くの人々の支持が得られる日が来ることを、個人的に願っていたいと思います。 
(トップ写真は、伝統衣装を身にまとったイラク国境近くのハウラーマン村おじさんたちです) 




イラン「核に関する重要な成果」発表へ 
http://www.news24.jp/articles/2012/02/11/10199914.html

閉じる コメント(0)

コメント投稿
名前パスワードブログ
投稿

閉じる トラックバック(0)

トラックバックされた記事

トラックバックされている記事がありません。

トラックバック先の記事

  • トラックバック先の記事がありません。

芸能人・有名人の新着記事


.

satyu
人気度

ヘルプ

Yahoo Image

  今日 全体
訪問者 1 9520
ブログリンク 0 3
コメント 0 15
トラックバック 0 57
検索 検索

開設日: 2008/12/16(火)


プライバシーポリシー -  利用規約 -  ガイドライン -  順守事項 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2012 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.