天草市民オンブズマンのブログ

行政と議会に対する市民全体の代理人です

全体表示

[ リスト ]

熊本県知事を提訴−路木ダム事業の嘘を法廷で解明へ

 原告らが熊本県監査委員に提起した監査請求が棄却されたことをうけて、県営路木ダム事業への本年度事業費支出差止めと、過去1年間の支出金の返還を求める住民訴訟の訴状を、8月13日に熊本地裁に提出しました。

 なお、被告である熊本県知事蒲島郁夫が国から路木ダム事業の補助金を受けたことは、補助金等適正化法で定めた「偽りその他不正の手段により補助金の交付を受けた者は、5年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」に該当しますので、8月末を目処に福岡高等検察庁に告発する予定です。

 13日に提出した訴状の要旨は以下のとおりです。

                 訴 状(要旨)

熊本地方裁判所民事部 御中

      原告選定当事者 中田 統
       同   上    植村振作
        原告選定者 別紙選定者目録のとおり(27名)

           被告 熊本県知事 蒲島郁夫

事件名 県営路木ダム事業に係る公金支出差止等請求事件

 請求の趣旨
1 被告は、平成20年6月6日から同21年4月10日まで(監査請求以前1年間という法的制限による)2億4,600万円を熊本県に返還せよ。
2 被告は、平成21年度の路木ダム事業費7億円を支出してはならない。

 当事者
1 原告らは熊本県民であり、本訴訟に係る住民監査請求の請求人である。
2 被告は熊本県知事として、県営路木ダム事業費の支出命令を発する権限を有する者であり、違法な公金の支出により熊本県に損害が生じたときは、損害賠償の義務を負う者である。

 路木ダム事業について
1 路木ダム事業とは、熊本県が平成12年に策定した「路木川河川整備基本方針」(以下『方針』)、及び平成13年に策定した「路木川河川整備計画」(以下『計画』)により計画された路木川流域の洪水被害防止と、河浦、牛深地区の上水道水源確保を目的とするダム建設事業であり、事業費予算90億円(平成5年算定)、平成20年度末事業進捗率は41.54%である。
2 上記『方針』には「昭和57年7月等の豪雨による洪水時には、床上浸水等に被害が発生している」と記載され、『計画』には「昭和57年7月等の豪雨による洪水時には、下流宅地において約100棟の床上浸水被害等が発生している」と記載されている。
 ところが、上記の床上浸水被害があったことを証する文書等は一切存在せず、実際には発生していない。したがって、上記の「路木川の洪水による床上浸水被害」は虚偽である。

 本件支出の違法性、並びに著しい不当性
1 補助金適正化法違反について
 被告は、路木川の洪水による家屋被害がなかったにもかかわらず、被害があったと虚偽の記載をした『計画』に基づいて国に補助金の申請をして、その交付を受けた。
 これは補助金適正化法第29条第1項の違反である。

2 地方自治法第2条第14項の違反について
 被告は、路木川の氾濫による被害は地形的に発生しえず、過去にも発生していない集落を被害想定区域に設定した路木ダム事業を策定、実施して不必要な公金をすでに支出して熊本県に損害を与え、今年度もさらに支出して損害を拡大しようとしている。
 これは地方自治法の「地方公共団体は、最小の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」という規定の違反である。

3 地方財政法第4条第1項の違反について
 被告は、実際には発生するおそれがない家屋被害が発生すると不合理な予測を立て、また、実際の需要量をはるかに超えた水道水需要予測を立てて、総額90億円のダム建設事業を計画して実施に移し、公金を支出している。
 これは「地方公共団体の経費は、その目的を達成するための必要且つ最小の限度を超えて、これを支出してはならない」と定めている地方財政法の違反である。

4 公共用地取得に伴う損失補償基準要綱の違反について
 被告が公共用地として取得した土地で、路木ダムの本体工事に着手すれば路木川の水を汚染し、またダム本体を完成してダム湖のヘドロ混じり貯留水を放流すれば、下流にある羊角湾の漁業従事者の漁業権は消滅又は制限されて、漁業従事者の生活権が侵害される。
 被告は羊角湾の漁業権者に対して、公共用地取得に伴う損失補償基準要綱で定めた「漁業権等の消滅又は制限により生ずる損失の補償」を全くせずに路木ダム本体工事に着手しようとしている。
 これは明らかに、同要綱の違反である。

5 地方自治法第2条第16項の違反について
 被告は路木ダム事業に関して上記1〜4の違反をしているが、これは「地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない」と定めた地方自治法第2条第16項の違反である。

6 知事裁量権の濫用について
 治水対策として、ダムにするかその他の方法にするかは知事の裁量の範囲に入るが、被告が実際にはなかった家屋浸水被害をあったと嘘をついて路木ダム事業費を支出したことは、正当な裁量権の範囲を逸脱した裁量権の濫用であり、著しく不当である。

7 本件違法行為の悪質性
 被告は、原告らが平成18年7月以降、熊本県並びに県公共事業再評価監視委員会に対する意見書、抗議書等により、再三にわたって上記の違法・不当事実を指摘して事業の中止を求めてきたにもかかわらず、路木ダム計画策定当初の建設方針を踏襲して国から補助金を受け、県予算を計上してきた。
 これは、計画策定当時の熊本県が、国の事業認可及び補助金交付決定は申請書類の形式的審査だけでなされる事実を悪用して、申請書類に虚偽の家屋浸水被害を盛り込んだことに端を発している。
 被告は原告らの指摘によってその経緯を認識していながら、「家屋浸水被害があったことの確証はないが、被害はあったと思う」などと不合理な説明を繰り返して事業を続行してきた。
 これは、民主的な方法で選ばれた県知事である被告を信頼して、県行政の運営を委ねている県民を欺く行為であり、県知事の職位を汚す悪質な違法行為である。

 結論
 以上の通りであるから、原告らは被告に対して路木ダム事業への公金支出の差止めを求めるとともに、本件支出の履行分金額を熊本県に返還することを求める。                          

閉じる コメント(0)

コメント投稿
名前パスワードブログ
投稿

閉じる トラックバック(0)

トラックバックされた記事

トラックバックされている記事がありません。

トラックバック先の記事

  • トラックバック先の記事がありません。


.

天草市民オンブズマン
人気度

ヘルプ

Yahoo Image

  今日 全体
訪問者 10 32009
ブログリンク 0 14
コメント 0 311
トラックバック 0 1

ケータイで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

URLをケータイに送信
(Yahoo! JAPAN IDでのログインが必要です)

1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

開設日: 2009/6/20(土)


プライバシーポリシー -  利用規約 -  ガイドライン -  順守事項 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2012 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.