川喜田二郎「鳥葬の国」
ヒマ吉にとってはまぼろしの書 川喜田二郎 「鳥葬の国 秘境ヒマラヤ探検記」 カッパブックス 1960年刊
(クリックで拡大できます)
1958年、著者が西北ネパール学術探検隊の隊長として、ネパール最奥の僻地トルボ地区を半年に亘って探検した記録です。
ただ、無味乾燥な学術報告書とは違い、この特異な地域の自然とそこに住むチベット人の生態を精緻に観察し全人格をもって受容した「人間の記録」です。
ヒマ吉は昨年、初めてネパールのカリガンダキ流域を旅しました。そこでチベット的な風景をかいま見て、それまであまり関心がなかったチベットについて知りたい気持ちが動きました。
手始めに根深誠さんの「遥かなるチベット」を読み、続いて河口慧海の「チベット旅行記」を読んで、トルボ地区についておおよその輪郭は頭に入りました。その上で本書を読んだので、そこそこの臨場感を持って読むことができました。
ヒマ吉はインターネットでこの古本を入手しました。半世紀以上前に刊行された本ですからカバーに多少の汚れはあるものの、内容には全く古さがありませんでした。
考えてみれば、この時の著者は38歳の若者です。みずみずしい感性が隅々に溢れています。これはもう、立派な文学だと思いました。 |
